スイッチを入れる
多くの組織がそうなのかもしれませんが、当社では大体、夏に向こう5ヶ年の長期事業計画を立てて、また冬になると来期へ向けた事業計画を作成しています。
決して、ただ単に数字を弄る作業ではなく、未来にどんな旗を掲げるか、将来どのような形にしていきたいかを明文化し、それを数値に反映させていくという創造力を発揮する活動です。
新たな事業への挑戦。新たな地域への進出。
なぜ、事業は拡大させていかないといけないのか。
なぜ、右肩上がりの事業運営を継続していかないといけないのか。
当社創業者の師である一倉定先生は、こう言われています。
それであれば、事業が存続できるだけの利益が手元に残るような事業計画であれば、何も右肩上がりでなくても拡大させなくてもいいのではないか、そんな風に考える人もいるかもしれません。
ただ、そう言われる方に質問してみたいのが、「あなたは今のままでいいですか?」ということ。
今の給料、今の生活。
現状に満足していて、「今のままの暮らしを一生継続できるのであればそれでいいや」という人も中にはいらっしゃるかもしれません。
ただ、大抵の人は、生きていく上で生活形態が変化していきます。
お酒を飲むようになったら、その分飲食費もかかるようになります。
パートナーを見つけて家族が出来れば、更に出費もかさみます。
家族が増えた。もっと住まいも広くしたい。
子供たちの養育費も成長とともに増額する一方です。
つまり、多くの人が望むのは、「今のままがいい」という安定ではなく、今とこれからの将来において一生を通しての自分と家族の「生活の安定と向上」なのです。
組織に所属する従業員の希望を叶えていくためには、事業を拡充することで希望に見合った賃金を支給できるだけの新たな枠を設けていく必要があります。
前述した一倉先生の「利益の本質は、事業存続費」という言葉の中には、従業員のために組織を成長させ続けていくという意味合いも含まれています。
5年後にはどこの地域まで事業展開をさせていこうか。
どのような事業を新たに手掛けていこうか。
そのようなことを、ずっと突き詰めて考えていきます。
出来た計画は、幹部の皆に披露をして意見を聞かせてもらいます。
良い意見があれば取り入れますし、若干の反対意見があっても計画に盛り込んだままにしておくこともあります。
ただ、いつもありがたいと思うのが、「これで行くぞ」と宣言して決定した後は、それまで一部の事業展開に反対していた幹部も含めて、全員が前向きなスイッチを「カチッ」と入れて切り替えてくれることです。
誰もが新しいことをする際には、躊躇するはずです。
手掛けたことのない事業。見知らぬ土地への進出。
それでも、スイッチの入ってくれた人たちは、皆一様に「ワクワクしてきました」と言ってくれます。
それも、おそらくは「なんのために」新たな事業を展開し、また新たな地域への進出をしていくのか、それぞれがその意味をきちんと理解し、考え方が共有出来ているからなのだと思います。
「もうやるしかないだろう」という半ばやけっぱちな空元気もあるかもしれませんが、この前向きな意志が、全ての行動の原動力となり、想いを現実のものとして形に変えていってくれます。
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