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平和を求めて歴史に抗った好漢の物語
織田信長が好んで唄ったとされる幸若舞の演目のひとつである「敦盛」。
その中に、「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり」というくだりがあります。
ここでいう「人間」は、「にんげん」と詠むのではなく、「人の世」を意味する「じんかん」と詠みます。
つまり、「人の世の五十年は、下天と比べればただの一日でしかなく、はかないものだ」という意味になります。
そして、今回紹介する一冊は、この「人の世」を何とかせんとして最期まで奮闘した武将の生き様のお話です。
主人公は、数多の歴史小説で腹黒で強かで一筋縄ではいかない狡猾な武将とし描かれてきた松永久秀。
物語は、信長が部下に自分の知るこの人物の生き様について語るところから始まります。
直木賞受賞前の作品ですが、この本も賞の候補に上がっていました。
ここ最近では断然好きな時代小説作家であり、どの作品を読んでも熱い漢たちが描かれています。
一番好きなのが隆慶一郎。
「花の慶次」の原作者と言えば分かるでしょうか。
あそこに出てきたような好漢の活躍劇を今また堪能したければ、この直木賞作家を是非おすすめします。
武将たちの絆に思わず胸を熱くする物語。
「自分の生きる意味とは何か」、「人の世とは何か」、時代の流れに抗い続ける主人公の問いが物語の根底に一貫して流れています。
松永弾正とは、果たして本当に世に言われるような「戦国時代の三悪人」のひとりや「戦国一の極悪人」であったのか。
是非ご自身の目で確かめていただきたいです。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。
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