そろそろ終わりを考える②
さて、前回の続きとなります。
不安な感じの健康診断を受けた結果は、要精密検査。
その内容も、レントゲンに映った胸部の腫瘤影という結構ドキドキの内容。
でも、それ以上にレントゲン技師さんたちへの不安の方が勝っているため、すんなりとは検査結果を受け止められない、というのが前回までのお話でした。
再検査に向かった、当該医療機関の本丸は大都会のど真ん中にあって、あのドタバタ劇はなんだったんだと思うほど洗練された雰囲気のオシャレ空間。
それほど待たされることもなく、診察室に呼ばれて綺麗なお医者様と対峙することに。
机の上の画面には今回初めて見る私のレントゲン写真が。
素人目でもはっきりと心臓と脊髄の間にポコッとした影が見えます。
覚悟を決めて先生の話を聞く体制に入り、目の前の画像の説明を素直に受けることにします。
ただ、説明が「中心部、乳首あたり」と言われましたので、「先生、私の乳首はそんなに真ん中にないです」と思わず返してしまったところ、「いえ、高さの位置のことです」と言われ二人でクスクスと笑い合うというなんとも締まらない状況に。
まあ、とにかく何やら影があるものの、レントゲンだけでは奥行きが分からないため、今日はCTを撮って、次回検査結果を聞きにきてくださいと、その日は特に何も進展がないまま終了。
ただ、自分の目で腫瘤影を確認したという事実はそれなりのショックであって、人は思い込みの生き物ということなのか、何やら少し胸のあたりに違和感を覚えたり、軽い疼きを感じ始めたりと今更手遅れながらちょっとは自分の身体のことを考えないとなぁなんて神妙な気持ちになってまいりました。
ところが翌週は連日新年会であったため、そんな気持ちはどこかに忘れて飲み続けていたら、あっという間に検査結果を聞く当日がやってまいりました。
流石に前回よりは緊張して、診察室のドアを開けて、荷物を置いて椅子に腰かけようとすると、「特に何もなかったですね」と先生。
「え?」と椅子に座らずに立ったままの私。
「まあ、中にはいろいろあるから(多分臓器のこと?)、こういうこともあります。もう大丈夫です。」
と言われて、結局腰かけないまま、置いた荷物を持って診察室を出るまでのこの間わずかに30秒。
それまでの間、酔っ払い続けていたとはいえ、それなりに自分で調べてみたら、おそらくは大動脈瘤というやつではないかと勝手に考えており、「こんなに心臓に近かったらどんな手術をするんだろう」とか「それって放っておいても大丈夫なやつなのかな」とかを検査結果を聞きに来る道中に思ってはいたので、サクッと結果を聞かされ肩透かしを食らった状態で「そういうこともあるのかぁ」とフラフラと病院の出口に向かっていくと受付に呼び止められました。
そりゃ、そうですよね、わずか30秒とはいえ診察されたのですものね。
貴重な380円を支払って病院を後にしたのでした。
そして思ったのが、病気をどう克服しようというよりは、自分がいなくなった後に残されるであろう家族への手続きをどうしようという思考の方が先にあったなぁという振り返り。
二回に渡って意味深なコラムのタイトルを付けてしまいましたが、いいきっかけなので、これを機会にいついなくなっても困らないような手順というか準備をしておかないとと思ったというお話でした。
ですので、皆様にはもう少しこのコラムにお付き合いしていただければ幸いです。
いつも読んでくださいまして、ありがとうございます。