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脳腸相関 ~身体反応から治療と生成AIの変化~

はじめに

私が初めて、「脳腸相関(Brain-Gut Axis)」という語を目にしたのは、資格試験の勉強中の時で、iPS細胞で有名な山中氏とタモリ氏がスペシャル番組で2018年当時見て放送されたものがきっかけでした。脳の仕組みを調べている時にたまたま見つけたのですが、勉強に必死で注意深く見るものではありませんでした。
腸内で必要な物質を確認し、それが様々ところで発生し脳へ修正するための情報を流し脳から修正命令を各所へ送っている程度の理解でしたが、それがまた最近、複雑に絡み合い、複雑系の体内のシステムになっているということを学びました。
例にもれず、私自身の整理のために記事にまとめます。


脳腸相関(Brain-Gut Axis)とは

ヒトにおいて脳の状態が腸に影響を及ぼし、逆に腸の状態も脳に影響を及ぼす現象である。脳と腸は自律神経系やホルモン、サイトカインなどの液性因子を介して密に関連していることが知られている。この双方向的な関連のことを指します。
Wikipedia参照

痛みは、痛覚か・感情か。過敏性腸症候群(IBS)

痛みは不快な感覚であるが、同時に主観的な感情である。新しいニューロイメージングにより痛みの感情とそれが痛覚認知に与える影響が科学的に明らかになっている。

私たちも、学校・職場・家庭環境などからのストレスにより、胃痛を感じることがあるが一昔前の日本では、気のせいや病は気から等受け流されていたが、その痛みを感じることは確かな事実であるということを受け止めるということから日々の研究が進められているそうだ。

ミラードローイングテストとは、鏡像映写のことで鏡に映ったものを描くものでつまり、化粧がうまくできるかというものである。もちろんうまくできるわけがなく、少なからず身体にはストレス反応を示すのだがその際に腸の動きはどうなっているかをしている研究があり、うまくいかない場合に腸の動きが活発化されていることがわかっている。

IBSの罹患者は、過剰に反応しているということがわかってきた。罹患者は、(ミラードローイングのような)ストレス刺激に対し過敏に反応をしており、その反応を通じ痛みを感じているということなのだそうだ。

ストレス(θ波δ波α波β波の脳の変化)が自覚されると腸の変化が見られ相関があるという科学的根拠として示されている。

サウスポーは、常に右手の生活環境で整えられたところで生活を強いられているので、常にミラードローイングの世界で生きており小さなストレスが多いのはこのためだと考えられる仮説もある。

IBSの要因と生物進化

ストレスや不安、うつなどの心理的ストレスが症状を悪化させる可能性が高い。脳と腸のコミュニケーションが乱れることが原因とされています。

腸内フローラの不均衡:
腸内に住む微生物(腸内フローラ)のバランスが崩れると、腸の機能が乱れ、IBSの症状を引き起こす可能性。

腸の過敏性:
腸の神経が過度に敏感になり、正常な消化過程が痛みや不快感として感じられることがあります。

消化管運動の異常:
消化管の動きが速くなったり遅くなったりすることで、下痢や便秘が引き起こされる。

壁に囲まれたスペースと解放スペースに分かれたネズミへの大腸刺激の研究では、正常な場合は、解放スペースへ移動するが、大腸へ刺激を与えられたネズミは、狭い壁のスペースへと逃げ込む習性が確認され、大腸への刺激がストレスという不安につながることが生物的にわかり、ヒトのような高等認知生物以外でも腸からの反応が起こることを発見した。

つまり不安や痛みなどは、腸からの信号により行動変容が見られる。このことは、進化の過程で、腸の様な微生物細菌から発達進化したものと考えられ、多細胞生物が長きのために、脳が作られていったと推測もされ、微生物の働きがヒトの脳へ伝播され行動変容が起こる。

バクテリオファージのような異様な形は、生物のエネルギー消費がかなりエコロジーになっており微生物はかなり人口物的な形の構造で、形状がまさにこのために作られたものではないかというほど綿密で高性能な動きをしていることも分かっており、つまり作成(生成の)過程で、行き当たりばったりという進化構造ではなく、説明書がありきで作られたものとしても差し支えないほどよくできている。

良く出来すぎているため、意識が先にあり、意識がそれらを作ったのではないかと逆に想像を掻き立てる仮説も散見される。微生物にも意識体が宿り進化という変化や脳を作り上げたというのも、また人がクオリアを関連付けされるのも、こうした細菌や微生物の働きから脳への神経パルスへの流れが大きく関与している可能性が高いと思われる。

ウィスコンシンカードソーティングテスト(WCST)

本来この内容は、高次機能・認知機能を評価するための神経心理学的テストで、被験者がカードを異なるルール(色、形、数など)に基づいて分類しなければならない課題。思考の柔軟性、計画能力、問題解決能力を評価する。特に前頭葉機能を評価するために使用され、脳機能の異常がある場合に反応パターンが変わることがあります。
まぁルールに沿てカードが表示されるのだが、途中でルールが変わって表示されていきその変化に気付けるかというものだがその際に前頭葉が活発となりそのルール変更のエラーを感知するということなのだが、IBS罹患者がこのテストを行った際の反応として、エラーを感知する機能は健常者と比べて遅くなっているということが研究で分かってきている。

認知機能、特に前頭前野が関与する課題において認知的負荷に対して敏感であることを示している。IBSの患者は、しばしば慢性的なストレスや不安を経験し、その結果として脳の反応が過敏になり、消化器系と脳の間のコミュニケーションが不安定となりエラー感知が鈍るものと感がられる。以前の記事にかいた、脳内のメモリー不足(リソースの使い過ぎ)ということですね。

AIとソマティックマーカー仮設

ソマティックマーカー(somatic marker:身体信号)仮設は、腹内側前頭前野損傷患者での意思決定の障害を説明するために(ダマシオ氏Damasio)らにより提案された。こうした患者では、知能には問題がないにもかかわらず、日常生活で適切に意思決定できない。患者では、情動喚起刺激に対する末梢の皮膚電気反応に障害が示された。こうした知見に基づき研究者は、一見情動とは関係のない意思決定においても、情動的な身体反応の信号が不可欠な役割を果たしていると提案した。
つまり身体のさまざまな反応を通し、情動が生成されると簡単にはまとめられる。

このようにして、身体反応は、腸を反し反応が見られるがまさにその通りであり、腸からの細菌からの伝播から脳へ送られ様々な情報を読み取りクオリアとも関連付けられる。

心理学用語でも有名なのが「キャノン=バード仮説」というものがあり、中枢起源説とも言われています。「悲しいから泣く」と説明され脳内では、外界からの刺激はまず視床に送られる。視床は大脳の感覚皮質に情報を送る一方、視床下部にも情報を送る。大脳に送られた情報・刺激パターンによって感情体験の内容・種類が決定され、視床下部に送られた情報によって身体反応が生じることになる。
キャノン氏は、猫の胃腸の運動を調べながら、研究をされていたそうです。

AIは、さまざまな情報の中からの統合から生成され情報を提供してくれていますが、AIには、身体からの情報反応が現状無いように思われます。今後は、ヒトや感情・意識問題は、情動や腸などいった情報の伝播も一つあればまた違った面白さもでてくるのかもしれません。

腸内細菌の働き(ニューロポッドセル)

ニューロポッドセルは上記に記載した腸から身体内の情報(迷走神経や他の神経経路を介して)を集めながら脳へ情報を送る役割と考えられています。

例えば、コプロコッカスとい細菌は、ドーパミンを生成するための情報をつかさどっており、うつ病や気分障害の罹患者はこの細菌が少ない。腸内の健康状態が神経伝達物質の生成に影響を与えることがわかっている。
これらの情報がニューロポッドセルにより脳へ伝播され、脳での神経伝達物質としてのドーパミンの過(剰や)不足により、病気の有無に関連付けられているのではないかと考えられている。

レビー小体は、α-シヌクレインという異常なタンパク質が凝集したものです。このレビー小体が脳内で蓄積すると、パーキンソン病やレビー小体型認知症が引き起こされることが知られています。しかし、近年の研究では、このα-シヌクレインが腸の神経系(腸管神経系)にも蓄積していることが確認されおり、別名研究では、レビー小体便秘症と名付けられるほど研究が盛んになっている。
レビー小体に限らず認知症(アルツハイマーなど)の認知症状・運動症状の前兆症状の前にIBS罹患の可能性があり、便秘や消化器系の早期初期症状の発見であったり、原因となるための投薬の研究に繋がる可能性もあります。

BBB(blood-brain barrier)

いわゆる、血液脳関門といわれ、脳へ血管を通して異物かないか確認する関所のようなもので脳が正常に働くための必要な関門である。例えばチョコレートに含まれるGABAはこの関門を通ることがでいないため、いくら経口摂取しても意味ないのです。ですが、アルコールはこの関門は通過してしまうためいわゆる酔っぱらうという状態になるということで、違反薬物などはここを通過できてしまうということです。

様々な薬物療法などは、この関所が通過できるかが課題であり、認知症など薬も脳へのアプローチがほとんどである。レビー小体のシヌクレインというものの研究が進めば、脳を介す薬ではなく、腸を反す薬に変えることにより大きく様変わりするかもしれません。



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