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難治性PTSD

難治性PTSD(Post-Traumatic Stress Disorder)は、強いトラウマやストレスフルな体験により生じる心的外傷後ストレス障害が、一般的な治療に対して効果が乏しく、症状が長期間にわたって持続するものを指します。通常のPTSD治療には心理療法や薬物療法が使用され、多くの患者がこれらの治療で改善することが期待できますが、難治性PTSDでは症状が強く残り、再発する傾向が高いため、治療が困難となるケースです。

難治性PTSDの主な特徴として、以下の症状が長期的に続くことが挙げられます:

1. 再体験:フラッシュバックや悪夢などにより、トラウマの記憶が何度もよみがえることで、現実の中でも強い不安や恐怖を感じます。
2. 回避行動:トラウマに関連する状況や場所、人との関わりを避けることで、生活に支障をきたし、社会生活から孤立する傾向が強まります。
3. 過覚醒:常に緊張した状態や過敏な反応、イライラが続き、睡眠障害や集中力低下を伴います。

難治性PTSDの治療には、より専門的で複合的なアプローチが必要とされます。標準治療が効かない場合、持続エクスポージャー療法やEMDR(眼球運動による脱感作と再処理)、認知行動療法などの特化した心理療法が用いられます。また、SSRIや抗不安薬に加えて、気分安定剤や抗精神病薬などを組み合わせた薬物療法も検討されます。さらに、グループセラピーや家族支援も治療の一環として重要です。

難治性PTSDは非常に辛い状態ですが、適切な治療を通じて少しずつ症状を緩和することが可能です。

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