数日過ぎるとまた会いたくなったのだった。僕の住む街では出稼ぎ嬢の多くは再び来ることがない。彼女も関東の本店には在籍がない。そうなのであれば最後に会っておきたいと思った。迷いなく出稼ぎの最終日のラスト枠を予約した。 ドアを開けると笑顔の彼女がいた。 「こんばんは。すぐに呼んじゃってごめんね。嫌じゃなかった?」 「えへへ。ありがとう」 「もうここには来ないかもしれないからね。会っておきたかった」 「ちょっと変わっているけど良いお店だと思っている。 でも次にいつ
僕は大体は女の子のプレイスタイルに合わせるようにしている。彼女はいわゆる攻めるタイプの嬢だった。だから彼女に身体を委ねた。 本当に攻めるのが得意だったのだろう。僕が果てても攻め続けようとした。「もう無理」と僕が悶えているのを見て笑顔を見せるのだった。 プレイ中も力が入ると「力抜く!」と言われた。「そんなこと無理だわ」僕は可笑しくて笑ってしまった。今まで女性と肌を合わせている時にはない感じだった。小さな子供が友達と遊ぶ感覚に近かった。 事後に話す時間もたくさんあっ
いままでお誘いしてきた女の子で一番痩せていた。痩せすぎと言っていいくらいだった。しかし胸は大きかった。出会ったことのない体型だった。 スタイルが良いことを褒めると「おデブで困っちゃう」と言った。 「それでおデブだったら世の中の9割の女性は超デブってことだよ」僕は笑いながら言った。 「デリヘルにはスリムな子ってあんまりいないよね。」 「樽にばかり当たってる?樽が来た時はどう思うの?」 「樽か。お写真とずいぶん違うなーとは思うけどね。 その状況を楽しむよ」僕は笑
「こんばんは〜」 ショートカットで金髪の華奢な女の子がそこには立っていた。 部屋に招き入れてソファに腰掛けて、「綺麗な子が来て驚いたよ」好みの顔ではなかったのだがとても可愛らしい子だった。「えへへーありがとう」くしゃくしゃな笑顔でそれに答えてくれた。 挨拶もそここに会計をお願いされた。渡した金額を数えて紙幣をテーブルの上に扇型に並べた。こんなことをした女の子は初めてだったので「仕舞わないの?」と聞いてしまった。 「前に仕舞った財布から客にお金取られたことあん
オープニングから関東の人気嬢がたくさん来ていた。対応も丁寧で、良いお店という印象を受けた。店員からの扱いが良いと女の子も言っていた。これは定期的に来る女の子に出会えるのではないかと期待が高まった。 僕も利用してみたが綺麗、可愛い、スタイル良い女の子ばかりだった。サイトもパネルはともかく、情報を盛っている部分が少ない印象を受けた。 オープニングから1ヶ月ほどが過ぎた頃に目を引く金髪の女の子が入店した。その子は関東のお店には在籍がなかった。 見た目は自分の好みではな
その子と出逢ったのは、猛暑と呼ばれていた年の夏の盛りのことだった。 それまで利用していた店が閉店し、少しデリバリーヘルス利用から遠ざかっていた。そんな時に新しい店がオープンした。関東のあるデリバリーヘルスの支店が僕が住む街に出店したのだった。 大都市圏であればいざしらず、地方都市においては身バレについて考えなければならないのは客も同じである。僕は地元の女の子が在籍していないであろうお店を選んで利用していた。 今までお店では出稼ぎの子は一度来て、その後は来ないこと
次の月も東京に出向く予定があった。お店のサイトを調べてみると在籍から彼女の名前はなくなっていた。 連絡先の交換もしなかったし、2度会っただけだったが、個人を特定できるほどの情報を残していた。 辞めた理由は当然のことだがわからなかった。奨学金の返済の目処が立ったのかもしれないし、僕にはわかり得なかった。 僕に心許してくれてはいたんだろうとは思った。高学歴で頭の良い子だった。あまりに心許しすぎて話しすぎたと思ったのかもしれない。冷静になったときに、我に返って退店した
このお店では一人で先にシャワーを浴びる。その間に女の子は施術の準備をする。シャワーから出ると準備は整っていた。 例の際どいナース服からはTバックを履いたかたちの良いお尻がちらちらと見える。うつ伏せになりいつも通りにマッサージを受けた。 本当にいろいろな話を聞いた。主に昼職に関することだったが、個人を特定できるのではないかと思うようなことまで話してくれた。 そしてナース服を脱いでかたちの良い胸を露わにして、ローションを胸に塗ると全身を胸でマッサージし始めた。ちょっ
その時期は月に一度は週末を使って東京に出向くことがあった。土曜日の早朝に東京に向かい、日曜日の夕方に東京を出て地元に帰る。 その日も予定が終わり夕方には帰途に就こうとしたが、先月に足を運んだメンズエステ店のサイトをチェックした。 もう一度、あの子に会ってみたいと思ったのだろう。 先月、施術をしてくれた子は出勤していた。あえて予約はしなかった。店舗の受付に着いて、その子が空いていたらお願いするくらいのつもりでいた。 店舗に着くと「すぐにご案内できますよ」とのこ
「なんでも好きなことしてあげる」 こう言ってきたのは、初めて2度お誘いした女の子だった。まだ風俗店を利用することに慣れていなかった頃のことである。 そのお店はメンズエステ店だった。Tバックにかなり際どいナース服を着た女の子に普通のマッサージを受けるのだが、後半はナース服を脱いだ女の子がローションを使ってハンドサービスを受ける内容だった。 「お兄さんの顔、めちゃタイプです」 そんなことを言われると、自分では褒められるような顔はしているとは思っていないので戸惑ってし
部屋を出る前に財布の中に残っていたお札をチップとして渡した。 「仕事上がったら何か食べてね」 「いいんですか?」 「ほんとうに大した額じゃないから」 「さすがですね。チップを渡すタイミングもスマートです」 思えば彼女にチップを渡したのは初めてだったのかもしれない。入室して先にチップを渡して本番を迫る客が多い話をしてくれた。あまり愚痴らない女性だが心に封じていることも多いのだろう。 エレベーターに乗り込むとキスをしてくれた。おやおや時間はお終いなのに大丈夫な
シャワーを浴びる時間を告げるタイマーが鳴った。シャワーを浴びている間も自然な会話は続いていた。シャワーから出ると会計をしていないことに気づいた。 「お会計もらうの忘れてた」 「着替えたらお会計しなきゃね」 その日は僕はスーツを着ていた。仕事でスーツである必要がないのだが、ある特定のイベントに行くときはスーツを着る。安いがスーツもシャツもオーダーメイドである。 普通に売っているスーツと違うことは見てわかったようだった。黒いスーツだが、会社勤めの人が仕事着として着
これは憶測でしかないのだが、濃厚なプレイをする嬢の中には客との会話をあまり望んでいないのかもしれないと思う時がある。 会話をするよりも客の男性自身をしごいている方が楽なのかもしれない。そんな嬢と時間を過ごしたこともあった。 僕は職業不詳、年齢不詳、既婚か未婚かもわかりにくいらしい。あまりガツガツしているようにも見られない。会話の流れで素性を明かすと絶句されることもしばしばある。様々な意味合いで偏りのない人間に見られることも多かった。 それが彼女の興味を引いたのか
即尺、ア○ル舐めを売りにしたお店だったのだ。僕は変に納得してしまった。出稼ぎの時にいままでの女の子とサービス内容が違ったのはこのお店の在籍が長いからなのだなと。 それに加えて彼女の仕事に対する生真面目さなのだろう、自分が行うサービスに関する内容のクオリティーを追求している印象も受けていた。 僕はいつも衝撃的プレイと彼女に伝えていたが、その理由が完全にわかったような気がした。 僕の訪問は彼女にはいつもとは違う対応を迫る結果になってしまったのかもしれなかった。あとで
ドアを開けると黒いパーカーを着て、フードを被った女の子が立っていた。 「こんばんは」 お互いに挨拶を交わす。嬢からよく聞く話だが派遣型の風俗店を利用する客は挨拶すらまともにできない人間がいるらしい。逆に挨拶できない嬢もいる。 彼女は被っていたフードを脱いだ。ようやくお互いの目が合った。その瞬間に彼女の動きが止まり驚きの表情に変わった。 「お久しぶり。誰かわかるよね?」 「わかりますよー。今日出勤する予定じゃなかったから、日程合わないと 思ってました」
入ったのは派遣型風俗店向きの非常にコンパクトなホテルだった。 急に決めて移動を開始したので、彼女には会いに行くことを知らせることができなかった。 すぐに派遣できるとのことだったので、ホテルでの待ち時間もほとんどなかったはずだ、でも待っている時間はすごく長く感じた。 最後に会ったのは僕の地元に20日間出稼ぎに来ていた最終日のラスト枠だった。歯をみがきながらその日のことを思い出していた。 出稼ぎ風俗嬢はクラスに急に転校してきて、またすぐに転校でいなくなってしまっ