損したくない感情の起源を探る ~③決着編~
異常なほど、損をしたくありません。
自分の"損回避思考"が、色んな問題に繋がっている気がしていました。
今回は、あらゆる思考において損を回避することばかり考えるようになった原因を、催眠療法で探った実践例を紹介します。
今回振り返るのは、幼少期から中学生頃までの記憶です。
当時、僕は公文式に通っていました。
公文式の勉強法は、ひたすら反復。
今でこそ脳死の反復だなと思えるのですが、完全に理解した単元を何度も何度も繰り返しさせられることに、純朴従順な幼い僕は何の疑問も持たず(持てず?)、いつしか勉強そのものがとてつもない苦痛になっていました。
日本の学校教育全般で言えることですが、とにかく民衆の学力を均(なら)すことだけに重点を置いた教育方針です。
いわゆる"出来る子"だった僕がやる気を失くすにはこれ以上最適で簡単な方法はないと思います。
やってもやっても次に進めず、いつまでもいつまでもやらされる。
自分の頑張りや能力を全く見てもらえていない。
やるだけ時間と労力の無駄。
学校では優等生の僕でも、公文式の宿題は一切やらずにサボるようになっていました。
ここで僕の中での"無駄イヤ思想"が確立されたように思います。
すなわち"無駄な労力を強いられた"という当時のガマンを解放してあげることが、僕の究極損回避思考の緩和に繋がる気がしました。
そこで、セルフ催眠療法で、当時(から未だに)ガマンして押し込めた本音を探っていきます。
催眠療法は、鍵開けの自己対話とも言えます。
「ガマンしてた」「ヤだった」といった、ふわっとしたマイナス表現で思考を止めるのではなく、それによってフタをされて自分でも気付かずにいる具体的な感情を発掘するのです。
それは、忘れてしまったATMの暗証番号をひたすら入力していくような作業で、セキュリティロックはかかりません。
暗証番号が合致して、鍵が開き、自分が押し殺してきた真の感情と向き合い、咀嚼することで、自然と涙があふれ、涙とともにストレス物質を排出する、これが催眠療法のゴールです。
今回の僕の実践例でも、色んな鍵を次から次に試しました。
「僕の頑張りを見て!」
「僕の能力を認めて!」
違うらしい。
自分の心に尋ねていくというより、"こういう場面で人はこういう思考になるのではないか"という推測で、鍵を作って当てはめていく。
思いつくままに当時の本音を予想していくと……
「勉強なんかやりたくない!!!」
この言葉で大泣き。
僕の本心は、"勉強したくない"でした。
正直、大泣きできて催眠療法的には成功、ホンモノの本音を発掘できたのですが、その中身が、"〇〇したくない"という否定形の願いだったので、少し頭を抱えているところです。
なぜなら、休職中のいま、自分が本当にやりたいことは何かをずっと考えているのに未だ分からず、出てくるのは"〇〇したくない"ばかりだからです。
朝起き……たくない、仕事行きたくない、面倒な仕事やりたくない。
何もかもが億劫で、"したくない"に囲まれて生きているのです(もっと言うと特に生きていたくもない)。
自分の本当にやりたいことが、本当に見えにくい時代になっていますね。
まだまだ地道に向き合っていく必要がありそうです。