見出し画像

【読書感想文】出口治明「哲学と宗教全史」

こんばんは!
哲学とクラシック音楽の歴史は似ています!小栗義樹です。

本日は読書感想文を書かせて頂きます。最近読んだ本、好きな本、面白い本を題材に、僕があれこれ好きなことをいう試みです。

本日の題材はコチラ

出口治明「宗教と哲学全史」

です。

ライフネット生命創業者・立命館アジア太平洋大学の学長などを務めた出口さんが、宗教と哲学に関する歴史をまとめた本です。ビジネス書や仕事術などの本を多く出版している出口さんですが、哲学や思想、宗教などにも明るく、分かりやすい説明で歴史とその特徴を教えてくれています。

この本は465ページ構成のかなりボリュームのある本となっていますが、1回読むだけで宗教と哲学の歴史に関して、かなり鮮明な状態になると思います。

どうしてこの本を読もうと思ったのかについては、単純に知っておいた方がいいと思ったからです。どういう時代に何を考えたのか?を知っておくと、例えば未来予測をしようと思った時などに役立ちます。

「宗教の地位が高い時代の哲学は、宗教が持つ世界観の矛盾を補うような思考を特徴とする」ということが分かっていれば、個人がそれぞれ違う価値観を持ち、人々の感性が細分化されている時代における哲学・宗教はこういう役割を持つだろうという予測を立てることが出来ます。

哲学や宗教の大きな役割は、人の精神を救済することだと僕は思っています。人間の存在理由や、人間の変化が生み出した新しい社会において、それらを言語化していく学問。それが、哲学や宗教です。

人間のこと、社会のことを知ろうとする試みは、生きることや生産活動に役立ちます。考えたり創造したりする能力に対して、大きなインスピレーションを与えてくれるので、その歴史と特徴を押さえておくことは、人生に張り合いをもたらしてくれると思うのです。

実際に読んでみると、歴史はどんどん細分化の道をたどっていくことがよく分かります。特に産業革命以降の世界は、人々がどんどん生活的に豊かになっていくので、沢山の選択肢を得られるようになります。1つの大きな思想から、人がそれぞれ微妙に違う思想を持ち始め、哲学は細分化され、宗教は既存の教えが固定化されていきます。

自分の中で、宗教や哲学の全体MAPが構築されていく感覚がとても面白いなと思いました。

また、宗教や哲学の歴史はクラシック音楽の歴史に似ているなと思いました。バロック→古典→ロマンという順番は、まさに細分化の歴史です。芸術と学問の関係が密接であることを感じずにはいられません。もしかしたら、他の分野でも同じような歴史背景を辿るのかもしれないと思うと、こうした歴史を解説してくれる本を読むのも面白いのかなと思いました。

本を読むにあたって、まず概要から楽しむというのは良いことだと僕は思います。一通りの流れを知っていると、より専門的な本を読むことに対しての抵抗感が薄れます。この本は、沢山の専門書を紹介してくれています。この本をスタートに、紹介されている本を読むことで、より造詣が深まっていくことになるわけです。それって素敵な事ですよね。新しいことが知れて、時間を有意義に使えるわけですから。

全史と聞くと、歴史に関する解説が延々と書かれているから退屈なのではと感じる人がいるかもしれませんが、時間旅行を楽しむという視点で読むとめちゃくちゃ面白いです。自分が行ったことのない、物理的に行くことが出来ない場所や時間を体験することが出来るわけですから、それはそれは有意義な時間だと感じることが出来ると思います。

僕はこの本を読んで、ソシュールについてもっと詳しく知りたいなと思うようになりました。これは仮説でしかありませんが、ソシュールを知れば、記事を書く・プレゼンをする・対話をするなどの捉え方が変わると思います。言葉について研究した人の言葉論を知ることになるわけですから、言語を扱う活動において、大きな変化が生じる可能性があるなと思ったのです。同じような感覚で、ウィトゲンシュタインにも興味があります。次はやっぱりニーチェですね。

こんな風に歴史系の本を楽しみながら読むと、自分が一体どのようなジャンルに興味関心を寄せているかの片鱗が見えてきます。僕は圧倒的に言語について関心があるし、強い人に対する憧れがあることを知りました。

出口さんの解説はとても優しく、所見でも十分に楽しめるように書いてくれています。これだけ膨大な情報を濃密さを落とさないまままとめるのはめちゃくちゃ難しいです。

その手腕を体感するだけでも、十分に読む価値があるかなと思います。

今から6年も前の本ですから、きっと古本屋やアマゾンなどで買えると思います。ぜひ一度読んでみてほしいなと思います。

最近始めたメンバーシップでは、記事の編集後記を投稿しています。まずはお試しで数名招待させて頂きます。興味があればコメント欄にお試しで参加してみたいと書いてもらえると嬉しいです。無料招待させて頂きます。

ということで、本日はこの辺で失礼いたします。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
また明日の記事でお会いしましょう!


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集