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「白いものに」触れる——ハン・ガン『すべての、白いものたちの』について
「白いものに」触れる
「白いもの」を畏れてきた。まっさらな白紙に詩を書きだすことは、自分を試されているようで、幼い頃から怖かった。真っ白な雪に覆われた朝、一変した景色へ足を踏みだすように。
この冬の終わり、韓国の作家ハン・ガンの小説『すべての、白いものたちの』(斎藤真理子訳、河出書房新社)を、身体に馴染ませるように何度も読んだ。散文詩にも似た、断片的なテキストが成す物語。その軸となるの
神様の存在を信じたくなるとき――イ・ラン『神様ごっこ』について *追記あり
*2016年11月に執筆したエッセイです。
黒い服を着た女性の端正な横顔の写真。ふしぎな表紙の本、と思って手に取ると、アルバムだった。歌のCDと、エッセイが収められているらしい。『神様ごっこ』? その場で試聴した歌に妙に惹かれた。柔らかな抑揚で結ばれていく韓国語の歌声が、秋の始まりにぴったりだと思った。
夜、家で彼女の歌を聴きながら、付属冊子のエッセイを読み始めた。作者のイ・ランは一九八六
自分自身の声を取り戻すために――『82年生まれ、キム・ジヨン』『私たちにはことばが必要だ』書評
話題沸騰の書『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)・『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』(タバブックス)の書評を、週刊読書人2月22日号に執筆しました。
https://dokushojin.com/article.html?i=5061
緻密なエピソードが魅力のフェミニズム小説、かたや熱い文体で繰り出される啓蒙の書。どちらも韓国発の話題の書です。
ウェブで全文読めますので、