いくつになっても男の子
お父さんと小さな女の子。
マッサージチェアで、
くつろいでるお父さん。
「ねえ~パパ」
「なななんだい?
ミーちゃぁぁん」
「レンくんがミーちゃんに、
イタズラばっかりしてくるの~」
「そうなんだぁぁl。
あ゛あ゛~肩、気持ちいぃ~。
悪戯かぁぁ~。
それはきっと…レンくんは…
ミーちゃんのことが好きなんだよぉぉ」
「え~ほんと~?」
「パパも昔あったなあぁぁ。
好きな女の子の、
消しゴム隠したりしてぇぇ」
「ええ~。
でもミーちゃん、イタズラっ子キライ!」
「あれ?ミーちゃん。
レンくんのこと好きって、
言ってなかったぁぁ?
おぉぉ~腰のそこそこ~」
「かおはスキ!」
「ハッキリ言うねぇぇ。
まあ、お友達なんだから、
仲良くしなよぉぉ~」
「やだ~。
イジワルする子、キラ~イ!」
「ミーちゃぁぁん、
それは好きの裏返しなんだよ~。
レンくんが、
ミーちゃんを好きな証拠だよぉぉ」
「イヤ~!
イジワルする子は、
スキにならな~い!」
「そんなこと言わないでぇえぇ。
お゛お゛~お腹が揺れるぅぅぅ~。
ミーちゃん見て見てぇぇ~。
ブヨブヨ星人だよぉぉ~
お腹がゆれるよぉぉ~」
「ヤダ~!
ブヨブヨせいじん~ヤダ~!
ママ~~!」
「待ってぇぇぇ~。
ミ~ちゃぁぁん!
お゛お゛~!
これお腹の脂肪、
すんごい波打ってる…
この振動で…
脂肪燃焼するんじゃないのぉぉ?
振動ベルトみたいにぃぃ。
よし!
これ直接、お腹に当ててみよう!
目指せ!
学生時代以来の、
シックスパックゥ~!!」
「ママ~!
ブヨブヨせいじん~でた~!」
「ミーちゃん。
またパパに、ブヨブヨ見せられたの?」
「ブヨブヨせいじんやだ~。
ママはブヨブヨせいじん、スキ?」
「ブヨブヨになってきた頃は、
ちょっとコイツって思ったけど、
今はあまり気にしてないかな」
「ママもブヨブヨだから?」
「ミーちゃん!
ママ出てないでしょ!?
ママはピチピチなの!
ミーちゃん変なこと、
お外で言っちゃダメよ!」
「は~い。
ママはピッチピッチ!」
「ミーちゃん。
ちっちゃいツはいらないの。
ピチピチよ」
「ピチピチ」
「そう。ピチピチね。
でもそう言えば、
パパは付き合い始めた頃は、
ガリガリだったわね」
「ガリガリ?
ウッソだ~!」
「ほんとよ!
レンくんみたいに」
「や~だ~!
レンくん、パパみたいになるのヤダ~!」
「レンくんはどうだろう?
ブヨブヨにはならなそうだけど」
「ママ。
パパはイタズラっ子だった?」
「パパ?
それはもう、
すっごい悪戯っ子だった!
【毎日ハロウィン】って、
あだ名だったんだから。
男の子ってね、大人になっても、
中身は子供のままなの。
女の子と違って、
いつまでも成長しないのよ」
「ええ~!
じゃあやっぱり、
レンくんやめる~!」
「ミーちゃん、
レンくんやめちゃうの?
好きなんでしょ?」
「イタズラっ子、イヤ!
ブヨブヨせいじんもイヤ!」
「大丈夫よ。
パパとレンくんは別人だから」
「べつじん?」
「パパとレンくんは、
同じ人じゃないでしょ?」
「うん」
「じゃあ、心配いらないわよ。
あんなふざけたパパだけど、
みんなの笑顔が大好きだから、
ああやっておどけているのよ」
「レンくんも、
みんなをよく笑わせてるよ」
「男の人って…
気持ちの伝え方が下手なの。
ほんとは…
優しさの裏返しだったりするのよ」
「くおおぉぉーい!!!
ママーー!!!
助けてーー!!!
イダダダダッ!
は、は、挟んだぁーー!!
ママーー!
仰向けでマッサージしたら、
は、挟まったー!!!」
「パパ、イヤーー!!」
逃げ出すミーちゃん。
「……
男って一生…
男の子なのかも…」