伊藤文彰/ちょっとベテランの髭シェフ

フランス料理レストランのオーナーシェフです。レストランの裏側やフランスの地方料理のこと、趣味の音楽のことなど。。。思いつくままに書いてみようと思います。 http://leversonverre-tokyo.com/restaurant/

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フランス料理レストランのオーナーシェフです。レストランの裏側やフランスの地方料理のこと、趣味の音楽のことなど。。。思いつくままに書いてみようと思います。 http://leversonverre-tokyo.com/restaurant/

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最近の記事

バスク地方料理 その2

海沿いの街 サンセバスチャン今回はスペイン側のバスク、サンセバスチャンに行った時のとっても楽しいバル巡りの話から。これ、ケーブルカーで登った山の上から、スマホでとった写真です。この湾の形が貝に似ているのでラ・コンチャ(貝殻)湾というそうです。この湾の周りに町が広がっています。 ご存知の方も多いかと思いますが、ここは世界一の美食の街といわれています。すごく名誉な名前がついてますがその理由は、美食倶楽部というクラブ(中には男性しか入れないものも)があったり(そのおかげで男性にと

    • バスク地方料理 その1

      暫くのご無沙汰です。前回ご紹介したドイツ国境のアルザスに続き、今回は地図上では反対側、フランスとスペインにまたがるバスク地方の料理について書いていきます。このバスク地方にも大変特徴的で美味しい料理が沢山あることは勿論です。ビスケー湾を囲むこの地域は海産物の宝庫で、世界一の美食の町と呼ばれるスペイン・サンセバスチャンの市場にはたくさんの種類の魚介類は勿論、オリーブ、生ハムやサラミが所狭しと並んでいます。そしてフランス側のバスクにはバスク豚、有名なバイヨンヌの生ハムがあります。

      • 第9回 味覚のアトリエ@駒場

          11月8日に行われたリモート開催のイベントをレポートします。このイベントは、フランス発の ≪味覚の一週間≫ の事業の一環として毎年、東大駒場友の会主催にて行っています。東大生に対する食育を第一の目的としているので食を取り巻く制度や環境問題、サスティナビリティなどと共に、実際に本物の食を味わって感じること、できれば作ってみることなどをテーマに行っています。いわば学生のフードリテラシーを高める活動ですが、その中で毎回、学生の皆さんから色々な質問があり、そういった交流を持つこと

        • エピキュロスの晩餐会 2020

           去る10月28日、全国7都市8会場で日本エスコフィエ協会の主催により ≪エピキュロスの晩餐会≫ が開催されました。(写真は京都会場のものです) オーギュスト・エスコフィエの弟子たちの会 日本エスコフィエ協会というフランス料理人ばかりが集まるシェフの会があります。1600名近くの会員は、一定の資格をクリアした料理長クラスのシェフばかりです。世界中にいくつもの支部があり、この協会は日本支部でもあるわけですが、その基準は ‟オーギュスト・エスコフィエ” という稀代の名料理長の弟

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        • フランス地方料理のこと
          10本
        • 日々のこと色々
          6本

        記事

          第6回パテクルート世界選手権 アジア大会

          去る10月21日、東京・広尾のフランス大使公邸にてパテクルート世界大会(フランス)に向けてのアジア予選が行われました。この大会は今年で5回目になりますが年々出場者も増え、レベルも上がってきています。日本シャルキュトリ協会が主催するこの大会には、初回から私も運営に深くかかわっているので、このコンクールのことをご紹介したいと思います。 9月28日に行われた第一次審査今年の参加者は62名。昨年までは写真とルセット審査でしたが、今年からは選手に実際にパテを送ってもらい試食も含めての

          第6回パテクルート世界選手権 アジア大会

          アルザス地方料理 その5

          前回の続きでお菓子やチーズ、お酒のことを少し・・・ クグロフ kouglof イーストを使ったお菓子。(塩味のものもありますが、、)ドイツではパウンドケーキのような生地で作ることが多いですが、アルザスではイーストを使ったブリオッシュに近い生地を使うのが一般的。そもそもオーストリアから来たこのお菓子は、マリーアントワネットが大好きでフランス宮廷に持ち込んだとか。この独特の形から、お坊さんの帽子からその名がつけられたとか、クーゲルさんという人の名前から付けられたとか、、、ありが

          アルザス地方料理 その4

          前回までにシュークルートや、ベッコフ、そしてサンドルを使ったコンクールの料理をご紹介しましたが、その他の代表的なアルザス料理をいくつか紹介します。 ビブレスカス Bibbeleskas アルザス語で白いチーズを意味するビブレスカス。湯がいたりローストしたジャガイモを、エシャロット、シブレット、ニンニクなどの薬味を、好みで少々入れたフロマージュブランと共に食べます。そこにニシンの燻製を添えたものが週に一度、この地のレストランの賄いに出てきました。ニシンはこの辺りでは勿論取れま

          アルザス地方料理 番外編 ‟エガスト”

          前回、サンドル(川スズキ)からの流れで、この料理コンクール写真をお見せしました。今回はアルザスで行われるコンクールについて書きますが、少し長くなりそうなので番外編ということで。若干地方料理からはずれた内容になりますが、、、 アルザス地方の首府、ストラスブールで2年に一度行われる料理や厨房機器などの大きな展示会「エガスト」。この期間中に、見習い料理人、シャルキュトリー、サンドウィッチ等、様々な料理コンクールが毎日行われます。その中で最高峰のコンクールが、ポール エーベルラン杯

          アルザス地方料理 番外編 ‟エガスト”

          アルザス地方料理 その3

          ベッコフの作り方それでは前回の続きで、ベッコフの作り方から。まず下処理(毛をバーナーで焼く)した豚足を、香味野菜と共に柔らかくなるまで煮て熱いうちに骨を取り除き小さく切りそろえます。仔羊の肩肉を一口大に切ります。牛バラ肉は余分な脂を取り除き、これも一口大に切ります。これをアルザスワインのリースリング、杜松の実、コリアンダー、ロリエと共に一晩マリネします。ここまでが前日の下準備。そして翌日。ポロネギと人参を薄切りに、ポテトは皮をむいて3ミリぐらいの厚さに切りそろえます。そして塩

          福知山の素晴らしいパティスリー

          昨日はお盆に京都に帰れなかったので、丹波にある父の墓参りに行きました。中々、こちらの方には来れないので、足を伸ばし福知山まで。以前からずっと気になっていた洋菓子店のマウンテンに行ってきました。想像通り素晴らしいお店で、レベルの高さに感心・感動!!正直、人口もさほど多くないこの地で、ひっきりなしに訪れるゲストにも少々驚き、こんなに正当派のフランス菓子がしっかり根づいているのを見て、なんだか嬉しくもなりました。 ワールドチョコレートマスターズ2007世界大会優勝のシェフこの店の

          福知山の素晴らしいパティスリー

          アルザス地方料理 その2

          シュークルートの作り方私は勿論、私の弟や店の連中も大変お世話になったアルザスのシェフがいます。コルマール近くのボーレンベルグというオーベルジュのガブリエル・メイヤーシェフ。残念ながらもう亡くなってしまいましたが、本当に心の温かいシェフでした。葬儀には弟しか参加できず、後にお墓参りした時は号泣してしまいました。ガビーさん(ガブリエルの愛称)は今も心の中にいます!!  このボーレンブルグはコルマール近くにあり、車でブドウ畑の中を延々と走っていくと忽然と現れます。アルザスの地方料

          アルザス地方料理 その1

          アルザスは美しい!!さて、今回からフランス地方料理の本題に入っていきたいと思います。まずは私にとって、一番馴染み深いアルザス地方から。とにかく美しい風景と村々、コロンバージュ(木組み)の家々がおとぎ話のよう。ストラスブールの大聖堂は圧倒的な迫力、コルマールには宮崎駿監督の「ハウルの動く城」のモデルになった家があったり、運河が流れるその様は、観光する場所には事欠きません。「フランスの最も美しい村」にもリストアップされているリクヴィルやエギスハイムなどの美しい村々とワイン街道に広

          フランス料理人の集まり クラブアトラス

          今日(8月18日)はクラブアトラスというフレンチシェフの会のランチ役員会です。本当に久しぶりにみんなに会えて嬉しい。昨今の飲食業界に吹く強烈な逆風の話は勿論ですが、他の仲間の近況や今取り組んでいることなど、さすがみんな前向きで、ポジティブな話しか出てこないこの人たちは本当に素晴らしい!!  日記のついでに、この会のことを少し。首都圏で活躍するフランス料理のシェフの会で、設立して今年で7年目を迎えます。フレンチシェフが集まって定期的に講習会や賞味会、チャリティービュッフェなど

          フランス料理人の集まり クラブアトラス

          フランス地方料理 まず最初に・・・

          これからは、、、フランスの各地方を巡ってよもやま話を展開しつつ、お家でも簡単にできそうなレシピを一つずつ、載せていこうって思ってます。最初の地方に入る前にフランスの地理についておさらいします。 これは1964年から2015年までのフランスの地域圏の地図です。2016年から統合されてもっと大きな地域圏になり、聞きなれない名前ばかりになりました。そもそも区画上の地域圏と文化的な地域圏はイコールでない場合が多いので、ちょっと古い地図を貼り付けました。実はフランス人たちは自国本土の

          フランス地方料理 まず最初に・・・

          とにかく、、、始めてみよう。

          コロナウイルスの影響で仕事が激減し暇を持て余していた時、後輩から「面白いですよ!!」と教えてもらったnote。自分も書いてみようと一念発起してとにかく始めてみようと思います。 私の今までの備忘録の意味も含め、ずっと取り組んできたフランス料理のことやちょっとしたレシピ、食育のこと、趣味のトランペットのこと等々、、、 これが最初の投稿なのでどんな展開になるのかわくわくしながら、自分自身にも期待を込めて、まずは得意分野から。 フランスの地方料理私が料理人になった頃よりは親しみ

          とにかく、、、始めてみよう。