バスク地方料理 その2
海沿いの街 サンセバスチャン
今回はスペイン側のバスク、サンセバスチャンに行った時のとっても楽しいバル巡りの話から。これ、ケーブルカーで登った山の上から、スマホでとった写真です。この湾の形が貝に似ているのでラ・コンチャ(貝殻)湾というそうです。この湾の周りに町が広がっています。
ご存知の方も多いかと思いますが、ここは世界一の美食の街といわれています。すごく名誉な名前がついてますがその理由は、美食倶楽部というクラブ(中には男性しか入れないものも)があったり(そのおかげで男性にとても料理上手な人が多い)、ヌエバコシーナ(新しいスペイン料理)・分子調理を売りとするミシュランの星付きの店が多くあったり、確かに食のレベルは相当なものだと思います。私が行ったときは強行日程だったので、昼に2つ星、夜に3つ星を同じ日に行き、昼26皿、夜16皿、一日で42皿という日もありました。(この系統の料理は皿数が多いので、、、)
実はそれ以上に楽しいのが、この辺りの食文化の根っこというかバルのピンチョス巡りです。やはりサンセバスチャンといえばこのバル巡りですよね。
バル巡り
街の至る所にバルが点在していますが、風情があるのはやはり旧市街。狭い通りにはバルがひしめき合っていて、食いしん坊には天国みたいなところです。
カウンターにタパスやピンチョスがぎっしり並んでいて、コロッケはオーダーが入ってから揚げてくれます。
生ハム、ヒルダ(オリーブとアンチョビ、ギンディージャという唐辛子を串に刺したもの)毛蟹のタルト、オムレツ、各種コロッケ、イワシのマリネ、ウニ、パンコントマテの変形、ポテト各種、イカの墨煮、子羊の胸腺、メルルーサの卵、等等
沢山食べましたが、それぞれの店に特徴があり、店によって料理が違っているので、めちゃくちゃ楽しい!!しかもそれぞれのレベルが高く、はずれが少ない。カウンターは立ち飲み、立ち食いなので少々疲れますが、店の人とのやり取りも楽しく、料理も見渡せるのでカウンターで食べました。
大体一品あたり1.5€~2€ぐらいです。
牛肉がおいしい!!
カウンターで立ち飲み、立ち食いでも本格的な料理もあります。上の写真の茸もおいしかったけど、スペイン産の牛肉がすごくおいしかったのでちょっとびっくり!!少々噛み応えはあるけど味があって脂もおいしい。
山バスク原種の豚がスペイン側に降りてイベリコ豚になり、フランス側に降りてビゴール豚の種になったという話を聞いたことがあります。この2つの豚肉、イベリコ豚は脂がのってコクのある味わい、一方、ビゴール豚は繊細できめの細かい肉質で脂も上品。あくまで両方の豚肉を使ってみて感じる私の印象ですが、、、、この牛肉はイベリコ豚を想像させる味わいでした。
スペイン側からフランス側へ国境を超えると、同じバスクでも街並みも随分変わる気がします。共通項はあるけどなんか雰囲気が変わるというか。食も然りで、市場に並んでいる食材のラインナップも変わり、同じバスク料理でも随分雰囲気が変わります。次回は、フランス側のバスク料理について書いてみたいと思います。