フランス地方料理 まず最初に・・・
これからは、、、フランスの各地方を巡ってよもやま話を展開しつつ、お家でも簡単にできそうなレシピを一つずつ、載せていこうって思ってます。最初の地方に入る前にフランスの地理についておさらいします。
これは1964年から2015年までのフランスの地域圏の地図です。2016年から統合されてもっと大きな地域圏になり、聞きなれない名前ばかりになりました。そもそも区画上の地域圏と文化的な地域圏はイコールでない場合が多いので、ちょっと古い地図を貼り付けました。実はフランス人たちは自国本土のことをヘキサゴン(六角形)とも呼びます。この形確かに六角形ですよね! そしてこのヘキサゴンのそれぞれの頂点には、独自の言語や文化を持つ民族がいます。
隣国との接点、そこは文化が交じり合うので・・・
青い丸で囲った地域、ここにはそれぞれ少数民族がいます。一番北側はベルギーと国境を接したフランドル地方、フラマン語を話すフラマン人、その右下はドイツと国境を接し、アルザス語を話すアルザス人、以下時計回りにイタリアと接したプロヴァンス、スペイン国境のカタルーニャ、バスク、そして海は挟んでますがスコットランドやアイルランドと同じケルト民族のブルターニュ。こんな風に制度としての国境と歴史的、文化的な民族とは必ずしも一致しません。故に、料理もその影響を強く受けるということです。
フランスの気候、風土、産物
とってもざっくりですが、この地図でどのあたりが山が険しそうとか土地が平らっぽいとか分るかと思うのですが如何でしょう? ヨーロッパがメキシコ湾流(暖流)の影響で緯度が高い割に暖かいといわれていますが、それでも北の方はかなり寒いです。因みに札幌と南仏のマルセイユが同緯度というから驚きです。以前、9月中旬に南仏のカンヌ~北のベルギー近くの村まで移動したことがありますが、カンヌでは半袖で25℃以上だったのに北の地域での朝の気温は氷点下。数日で夏と真冬を経験したことがあります。
それくらい気候が違えば当然産物も違います。イメージとしては北の方は北海道や東北のように、リンゴ栽培、牛を中心にした酪農など。南の方は暖かい地方なので野菜やハーブ、果物も豊富です。全般的に牧畜も盛んですし、海の近くではそれぞれ特色のある魚介類が獲れます。ワインも生産量1位の座はイタリアに譲ったそうですが、その品質の高さは群を抜いています。実はフランスは日本とは大違いで、食料自給率127%の農業国なのです。 (因みに日本は38%)
そんなとても恵まれた産物と、民族が交差した文化を背景にしたフランスの地方料理だからこそ、とっても奥深いのだと思います。次回からは実際の地方について書いていきたいと思います。