長野県松本深志高校 文學部

長野県松本深志高校の文學部です。部員9名。 毎週木曜日更新中。 Xもよろしくお願いします。

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最近の記事

秋の到来byまみむめも

外の空気に触れた瞬間、秋の到来を確信した。 爽涼な微風。澄んだ青空。蜻蛉。ほんのり煙の香り。 運動会か、マラソン大会か、或いは焼き芋会か。 幼い頃の記憶が自然に思い起こされ、懐かしさに浸る。 **********  少し前、秋分の前後あたりであっただろうか。外に出て、「あ、秋だ!」と感じた日があった。明らかに「夏の空気」が「秋の空気」に変わっていたのだ。上の文章は、その感覚を忘れないようなんとか書き留めておこうと奮闘した跡である。しかし、ここまで文字を綴って、自分の語彙と

    • はじめましてby山葵

      万年筆を片手に文机に向かう。書き始めたものの、上手くいかない。半分も埋まっていない原稿用紙を丸めて、部屋の隅に向かってひょいと投げるが、既に満杯の屑籠はこの駄作を受け入れてはくれなかった。  なんて風景は今ではあまり見られないのではないでしょうか。まず、紙媒体を使うことが減っていますよね。パソコンやスマートフォンを使うことが多いですし、AIに聞けばそれなりのものができ上がって、いつか文章を考える必要すらもなくなってしまうかもしれません。かく言う私は電車に揺られながらiPadを

      • 最近の更新不足についてby南雲すみ

         先週から今週にかけてテスト期間なので、十分に更新できませんでした。すみません。  それを考えると、僕たちはもう2年生の終わりに差し掛かってきたので、卒業がおおよそ可視範囲に入ってきたのだと思います。  1年生にも部誌の製作などを引き継いで、後輩ができる立場として色々と教えていきたいですね。  また、卒業の前談的に差し迫る受験という壁を突破するために、僕たちの創作活動にもリミットが生まれてしまったので、今のうちに、できることをするのが大事かもしれません。  と、時間もなく本当

        • XとTwitter by南雲すみ

          特に書くこともないので、ある日の友人とのやりとりを載せておきます。文學部のX(旧Twitter)の初投稿をどうするかという話から始まります。 (太字:南雲すみ 細字:友人) 南:「ダイヤモンド」とかけまして、 「地球全体」とときます。 その心は、どちらも「希少価値(気象か地)」があるでしょう。これXの初投稿にしようと思うけど、どう思う。もしくは 「初恋」とかけまして「炭酸」とときます。 その心は、どちらも「ふらないで」。 「どうか、ふらないで」のほうがオシャレか? 友:「

          ダンゴムシは青春キラキラ物語が書きたい By雪村平良

          「私の前世は何だと思う?」と、ある人に聞いたら間髪入れず「ダンゴムシ」という答えが返ってきたことにショックを受けています。二年の雪村平良です。  ま、まぁ? ダンゴムシだって立派に生きている素晴らしい生物ですし? 夜行性で畑の害虫で尻から水を飲みますけどフォルムはなんとなくカワイイですし? 前世がダンゴムシだと言われるなんて……光栄ですよね? ねっ? いやあ〜、嬉しいなぁ〜(棒)。  そんな雪村さんなんですけども。今回はダンゴムシ討議をしようとしているわけではなくてですね。

          ダンゴムシは青春キラキラ物語が書きたい By雪村平良

          関係構築C

          「あのー……」 「……」 「聞こえてますかー?」 「……」 「やっぱ音じゃダメなのかな」  プラスチック製の手袋型保護具をはめて、ペチペチと叩く。岩石に近い叩き心地。 「……」 「それじゃあ光?」  鋼鉄の扉から一度部屋を出て、七色に発光するLEDライトをもってくる。そして照射。赤色から時間をかけて丁寧に紫色まで移り変えてゆく。 「……」 「波長が違うのかな?」  もう一度分厚い鉄のドアから外へ。このドアめっちゃ重いから一回で済ませばよかった。我が組織が超小型化に成功した自慢

          立夏のパンドラby煉瓦【No.3】

          十二時を過ぎた頃、LINEの着信音で孝彦は目を覚ました。 蝉の声が聞こえる中、目をこすりながらゆっくり背中を起こす。 「なんだ、こんな時間に」 『ごめん見つかったかも』 「......は?」 心臓を潰されるような感覚に襲われながら、孝太はスマホで文字を打った。 『外に出たりしたか? それか声でバレたのか?』 『分からない』 『今どういう状況だ? 』 『あれからずっと女バレの部室にいるんだけど、誰かがドアをバンバン叩いてる』 『隠れたままでいろ。この時間とな

          立夏のパンドラby煉瓦【No.3】

          キラリby春野

          パーティの中、音楽が止まったことに気がつく自分がひどく恨めしい。 だって貴方と話していたのに、すごく幸せだと思っていたのに。 本当に私、どうかしている。

          モテるのもモテないのもつらいよ byまみむめも

          「そう、僕だけを見ていればいい。他の奴なんて気にするな」  私が首を左に回すと、大人びた高校生男子と目が合う。彼は満足げににこりと笑う。 「違う、よく聞け。俺の方を向くんだ。お前が人生を捧げるべき相手は俺だ」  私が首を右に回すと、パワーあふれる中学生男子と目が合う。彼は満足げにニヤリと笑う。  その隣では、高校生男子が鋭い目で中学生男子を睨んでいる。 「くっ……、血迷うんじゃない!僕の方がイケメンだし、頭もいい。キミは僕のものだ」  首を左に回す。  中学生男子が悔し

          モテるのもモテないのもつらいよ byまみむめも

          多様性の底にby蟹ノ尻尾

           突然ですが、皆さん。「多様性」という言葉は知っていますか? 簡単に説明すると、人々が持つ多種多様な背景のことです。また個人の違いを認め合い、尊重し合うことを指す言葉でもあるそうです。  この「多様性」という言葉、最近よく耳にするのではないでしょうか? 学校の講演、テレビ、ネット、家庭科の授業でも扱いますかね。「ジェンダーとか人種など、人々の違いを認めよう! 少数派の人々を守ろう!」といった具合で教わりましたね。平等な社会を築いていくために大切な要素です。    ですが、私は

          「呪い」の読み方 by雪村平良

           こんにちは。「聴いてはいけない」と言われている恐ろしいボカロ曲を聴いてしまい、浅眠が続いている二年の雪村平良です。誰かあの記憶を抹消する方法を教えてください。  念の為言っておきますが、ベートーヴェンの「エリーゼのために」を四回通して聴くとか、ベクシンスキーの絵を三回見るとか、そういう冗談はいらないですからね。  ……さて、私の心には恐怖が巣食い続けているわけなのですが、前置きはここまでにして本題に入りましょう。  皆さんは「呪い」という言葉の読み方がわかるでしょうか(馬鹿

          「呪い」の読み方 by雪村平良

          不確定by星青

           目覚めると真っ白な空間にいた。その白は雪のように無機質でもあり、木漏れ日のように温かくもある。上下左右辺りを見回す。どの画角も一切の変化がない。ただ、八方向に陰る部分が、三次元の四角いルームであることを知らせる。  いや、おかしい。当たり前すぎて見落としかけた違和感が淀みを起こした。360度見渡したというのに、なぜ自分の身体が視覚されないんだ?下の方を見ながら、手探りに腕を伸ばす。白い空間があるだけだし、触れた感じも触れられた感じもない。そもそも意思して動かしたはずの腕部

          立夏のパンドラby煉瓦【No.2】

          文学同好会夏季合宿の目的は、主に三つ。 一つ目は単純に思い出作りとしてのイベント。 二つ目は個人製作を進める時間の確保。 三つ目は合作のテーマ決め及び資料集め。可能であれば執筆まで。 部誌の内容は、大きく分けて個人作品と合作の二つ。 個人製作は家でも進められるが、合作に関しては少しばかり勝手が違うのだ。 じっくりと話し合ってテーマやストーリーを決め、ページ数や章ごとに分担を決め、必要なら図書館で資料を漁らなければならない。 メールで済ませるには余りにも難儀な大仕

          立夏のパンドラby煉瓦【No.2】

          雲のかけらbyまみむめも

          「雲って、乗れると思うんだ」 「乗れないよ」    即座にぶった切られる。夢から覚めたように、現実が一気に五感を刺激する。  カラフルな屋台の看板や、行き交う人々の浴衣。焼きそばのこげ臭い香り。賑わう群衆の声に交じる、力強い太鼓の音。きんと冷えた白い氷には、真っ赤なシロップが映えている。ストローのスプーンですくって口の中で溶かすと、舌が甘味を認識して喜んだ。 「知ってるもん、乗れないことくらい。雲は空気中の水蒸気が冷やされてできた、小さな水滴のつぶの集まり。実体なんてない。

          夏日記By蟹ノ尻尾

           彼と出会った曲がり角は、すでに遠くへ行ってしまった。  セミの声がする夕暮れ。自転車を全速力で漕ぐ彼。その広い背中に、ギュッとしがみついている私。雨上がりの涼しさを身にまとう彼、鼻歌一つ。  私が声をかけても彼は何も答えない。聞こえていないのか、答えたくないのか。    どこに連れて行ってくれるんだろう。そうやって行き先を勝手に妄想している間に、彼は目的地に着いたようだった。   彼が自転車を止めたのは、広い庭のある立派な家。まさに豪邸といった感じだ。敷地に入るときに「ただ

          新たな文學部、始動!By南雲すみ

           と、銘打ったものの、今までとやることはほとんど変わりません。  さて、文學部の部長に就任しました、南雲すみです。3年生の「だてさん」は文學部を卒業して、文學部は9名で活動していきます。  活動内容はこれまで通り部誌作りを中心に、ゲームをしたりTRPGをしたり、とにかくゆるく活動していきます。派手なことはしません。部員さえ確保できれば、我々は好きなことを好き勝手にやるだけです。  今回は部長、編集長、会計の仕事を細分化し、一人一人の負担が少なくなるようにしました。デカル

          新たな文學部、始動!By南雲すみ