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老化のメカニズムを理解する

今回は、世界的に有名な科学者であるデビット・A・シンクレア博士の著書
「LIFESPAN―老いなき世界」という本の内容を紹介します。

著者は、老化に関する研究の第一人者であり、ハーバード大学医学大学院で
遺伝学の教授として終身在職権を得て、今もなお研究に励んでいます。
私たちが当たり前だと思っている老化は、実は当たり前ではなく
病気であると博士は言っていて、病気に対して治療法があるように、
老化に対しても治療法や老化しない方法もあるそうです。

そもそも健康というのは、病気でないとか、弱っていないと
いうことではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、
すべてが満たされた状態にあることをいいます(日本WHO協会訳)。
この健康の定義は、いまも世界中で広く使われていますが、
健康の逆を考えると病気というものが見えてきます。

病気の状態は、体が衰え、生活の質が下がり、体に異常が見られるのが
病気と言えます。
老化することで体は衰えていきますし、老化することで生活の質も下がり、
高齢になってくると糖尿病だったり、動脈硬化といった病気が
引き起こされる確率も上がりますから、老化というのは
病気の条件をすべて満たしています。


それでは、なぜ老化が病気とされていないのでしょうか?

・・・・・・

それは非常にシンプルな理由で、全ての人が老化していくからです。
だから私たちは、これまで老化を病気として見てきませんでしたが、
ある日突然老化しない人が発見されたらどうでしょう。

そしてその人数が1人から2人、10人から100人、1,000人へと増えていき、
地球上の半分の人が老化しない体を持つことになれば、
残った半分の人は病気になっていると言えるのではないでしょうか。

もちろんこれは空想の話ですが、老化に関する研究をしている
著者だからこそ、このような未来が訪れることも十分ありうると
言っています。
今回の内容を通して、まずは老化のメカニズムを正しく理解し、
老化対策について学んでいきましょう。





なぜ老化するのか!?

私たちの皮膚はなぜ年を取るとたるんでいってしまうのでしょう?

・・・・・

「重力に引っ張られていくからだ」などと言われますが、
皮膚はずっと同じ細胞が使われているのではなく、ターンオーバーという
言葉があるように、新しい細胞が次々と入れ替わっているのですから、
永遠に老化が起きなくても不思議ではない筈です。

であるなら、多少の違いはあったとしても、ほぼ同じ栄養素を摂取している
子供と老人の皮膚は同じでいい筈なのに、こんなにも違い過ぎる
理由について考えてみましょう。

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