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ASDさんがツラい記憶を抱えやすい理由について考える

はじめに

ASDさんは定型発達さんと比べると
ツラい記憶を抱えやすいと言われています。

昔経験したツラい出来事や悲しい出来事などを
鮮明に記憶しやすく

時々その記憶がふっと蘇っては
ASDさんを苦しめることがしばしば。

ASDさんは楽しい記憶よりも
ツラい記憶の方が残りやすいことから

ASDさんあるあるの
『反芻思考』にハマりやすい傾向があります。

私自身もストレスが強いときは
昔経験したツラい出来事が蘇りやすく
余計落ち込んだりムカムカしたりしがちになります。

今回は
「なぜASDさんはツラい記憶に悩まされやすいのか」
について考察していこうと思います。

ASDさんはツラい記憶に悩まされやすい…

ASDさんの特性に
「フラッシュバック」があります。

フラッシュバックとは
以前経験したことが
急に頭の中に蘇ってくる現象
です。

「今目の前で起こっているかのように」感じます。

ASDさんはフラッシュバックに苦しみやすい!

ASDさんは特性ゆえに躓きやすく
ずっと苦労を重ねてきた人が大半。

その影響から
「苦しい、ツラい」という記憶の方が
鮮明に覚えています。

ずっと昔の記憶でも
突然鮮やかに蘇り
その時の感情もセットで湧いてきます。

普通ならツラい記憶は
時間が経てば薄らいでいきますが

ASDさんの場合

記憶と感情がセットになっていること
記憶の保存が独特なことから

時間が経っても
鮮明に覚えていやすいのです。

フラッシュバックは
何の前触れもなく起こることもあれば

似たような経験が起こった時に
引き金となる
ことも。

他に精神的・肉体的に疲れている時も
フラッシュバックが起こりやすい
です。

フラッシュバックは
反芻思考とも深い関係があり

頭の中で
何度もツラい記憶を反芻することから

ASDさんは
自分をさらに追い詰めてしまいやすいのです。

なぜASDさんは
フラッシュバックに苦しめられやすいのでしょうか?

ASDさんは<ビジュアル記憶>が鮮明

ASDさんが
フラッシュバックに苦しみやすい背景には

「視覚的に記憶しやすい」
という特性が絡んでいます。

ASDさんの特性のひとつに
「感覚過敏」があります。

個人差はありますが
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚
などの感覚が鋭い
という特徴があります。

定型発達さんには
気にならない些細な刺激にも敏感に反応するため
その分不快感も半端ではありません。

そして受けた感覚自体も
記憶に残りやすく
繰り返し不快な気分に襲われることも

ASDさんは特に
「視覚」が一番優位になりやすいです。

視覚が優位に働きやすいので
ASDさんは自身が経験したことを
映像のように記憶します。

これを<ビジュアル記憶>といいます。

経験したことを
まるで映画撮影するように記憶するので

悲しい・恥ずかしい・悔しいなどの
辛い感情と共に記憶される
ことが多く

頭の中で
はっきりとその時の記憶が再現された際
その時の感情が蘇ることも。

過去の嫌な記憶が呼び起こされ
脳内で追体験するため

精神的にも疲れやすく
ストレス耐性が低くなってしまう
原因でもあるのです。

また、<ビジュアル記憶>が鮮明ゆえに
生じるASDさんの困り事として

見たままを口にしやすい
ツラい記憶が残りやすい
心臓に悪いシーンなどが残りやすい
完璧主義になりやすい

などが挙げられます。

ASDさんが
ツラい記憶に悩まされやすい背景には

<ビジュアル記憶>で記憶する
ASDさんの独特な記憶保存
強く影響しているのです。

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