マガジンのカバー画像

写真とカメラを大仰に語る

74
写真とカメラについて、思ったことを書き連ねたものです。小さなことを大袈裟に。読んでために…ならないコラム集です。
運営しているクリエイター

#ライカ

『羅生門』と記憶から消去されずに残る映像

『羅生門』と記憶から消去されずに残る映像

 高校生の時に授業でやったこのなんとも理屈っぽい短編は、しかし、さらりと話の筋だけ拾うような感じで終わっていき、しかし、その後に、自分なりにこの話の軸に沿ったお話をちょいと書いてしまうほどには影響を受けていたのだった。
 悪いことをしていた輩に悪いことをしても赦される、という理屈は、その前提として、生きるために、という言い分がついていたとしても、「ならさ、その生きるために悪いことをした人へ、自分も

もっとみる
【100枚超】これまで使ってきたカメラの羅列とその写真(2024.3月10日更新)

【100枚超】これまで使ってきたカメラの羅列とその写真(2024.3月10日更新)

 どのくらいのカメラを触ってきたのか、レンズはどんなのを使ってきたのか、その忘備として、カメラ、レンズを羅列するだけの記事です。

ミノルタα7000 父親が持っていたカメラ。発売年から察するに兄が小学校に入って運動会などを撮るために買ったと思われる。それ以前の写真は、謎にプラスチックな、フォーカスも目測なカメラが家にあったので、それで撮っていたんだろう。
 大学に行くと、写真学科の先輩や同輩がマ

もっとみる
期限切れのフィルムで。

期限切れのフィルムで。

家の片隅で眠っていたフィルムが一本あったので、ライカM3に詰めて撮影してみた。
学生の頃、寮に一年半ほど住んでいたのだけれど、共用の冷蔵庫にたくさんフィルムが入れられていたのを見つける。寮の先輩で、そんなに知っているわけではないけれど同じ大学の違う学部にいた方のものだった。彼は大学新聞の学生記者をやってらして、そのためのフィルムだった。

 あのコンクリート製の湿度の高い寮で保管するには冷蔵庫が良

もっとみる
フォトヨドバシの東京感光が良かった

フォトヨドバシの東京感光が良かった

 自分が写真を趣味だ、としたのは働き始めて2年後のこと、もうすぐ20年となる。それから相変わらず下手だが、ネットでいつもうまいなあ、いいなあと思っているサイトがある。それがカメラ好きなら皆が知っているあのフォトヨドバシだ。
 新発売されたカメラのレビューをするサイトだが、それだけでなく、いろんなコンテンツをあげてくれるので、撮影の参考にもなる。そして、「このカメラを買えばこんなふうに上手く撮れる」

もっとみる
ライカで撮った写真で年賀状を作ったらなかなかどうしてきれいなプリントだった、という話

ライカで撮った写真で年賀状を作ったらなかなかどうしてきれいなプリントだった、という話

写真はプリントしてこそ、だと思いつつ、なかなかそんないとまも作る事なく。

これ、あるあるだと思うのだけど、長子の写真はけっこうあるんだけど、2番目の子は写真が思いのほか少ない、ということ、ありませんか。
 次男のプリントが少ないんですね。こりゃいかん。と。お兄ちゃんの方は、A4サイズでプリントもして飾ってるのだけど、それはまた、x100fのデシダルズームとアクロスモードで撮影したのが思いのほか良

もっとみる
人生2周目だったらカメラはこうする

人生2周目だったらカメラはこうする

noteを彷徨っていると、カメラネタで書いていることもあって当然カメラネタが流れてくるわけですが、ライカ関連の記事を見て、2度ほど、

 最近ライカユーザー多くないか?

 という言葉を見ることになりました。
 Twitterも然りですが、自分の関心に従って記事が流れてきますから、そりゃ目立ってきて当然ですよね。
 でも、確かにそんな気はする、とも思うわけです。

 とはいえ、実際のところは分から

もっとみる
マグニファイヤー比較 等倍ファインダーを目指して

マグニファイヤー比較 等倍ファインダーを目指して

 ライカのファインダー初体験はM3で、さほど意識してなかったが、このファインダーがかなり面白い、すなわち両目をあけて右目で覗き込めば、ブライトフレームが浮き出るように見える、とどこかで聞いて、果たして試してみればああ、なるほど、こう言うことだったのか、と妙に納得したものだった。
 しかるに、ライカM3のそれは、完全なる等倍ではない。だから右目と左目の境に確かなズレが生じていることを確認する。そんな

もっとみる
桜の季節に思う写真旅

桜の季節に思う写真旅

 我が家のすぐ近くに桜の名所があるため、朝早く出て行き、撮影する。すると朝の6時前、ちょうど空が明るくなってきた頃にはもう自分と同じような人がいて、絶好のポイントをうまくゲットできないでいる。
 桜並木できれいなところが駐車場になっていて、車のない状態は朝くらいしかない。が、先に来られている方がこれまた絶妙な位置に駐車していたりしてアングルが限られてしまう。

 昨日休日出勤の代休で、さすがに平日

もっとみる
子どもの写真をプリントしての所感

子どもの写真をプリントしての所感

 ここ1年間ばかり、これまで撮りっぱなしにしていた子どもたちの写真をどうするか悩んでいた。5年分である。いくつかプリントはしたことはあるものの、その絶対数は少ない。

 保育園の年度末には、毎回素敵な(そしてこれを先生方はいつ作ってくれているのだろうかと恐縮するほどに立派な)アルバムを作ってくださる。
 それに比して息子たちの父は、撮ったらそのままで、時として写真をジジババにメールしたりするくらい

もっとみる
スナップ写真の思考回路

スナップ写真の思考回路

スナップ撮影には二つの方法というかアプローチがあるように思う。

一つは条件反射的に撮る、まさにスナップ、手首をきかせたような撮り方。何かに出会したら居合のように撮るやり方。
ライカなら絞りを絞って、ただひたすらシャッターチャンスを待つ撮り方になろうか。

もう一つが、とにかく歩きながら、何か面白い光景に出会ったら、そこでちょっと立ち止まって、構図とか露出とかピントを置くところを決めて撮るやり方。

もっとみる
カメラのデザイン。

カメラのデザイン。

 家にあったα7000はミノルタのオートフォーカスカメラだが、多分20年近くは使われていたはずで、そう考えるとかなり丈夫なカメラだったのだと思う。僕が生まれあとに親父が購入しているので、それを大学生となった僕が使うことになろうとは思いもしなかったことだろう(カメラが)。 

 当時、このカメラのデザインはどんなふうに受け止められていたのか、と言うことを考えてみる。角ばったカタチは以前のフィルムマニ

もっとみる
僕がRAWで撮らない理由(撮れないともいう)

僕がRAWで撮らない理由(撮れないともいう)

 カメラを始めてからこのかた、RAWで撮ったことがない。
 これを、僕は恥のように感じている。RAW現像しないというのは、暗室の作業を人任せにしているということと同じだからだ。
 一応理由もある。
 Lightroomなど現像ソフトでスキル的に現像はできるものの、(現像だけならカンタンですからね…)その後の色調整やその他のレタッチに不安があるのだ。
 いや、その前に、大量膨大なデータにPCが追いつ

もっとみる
冬はスナップ日和

冬はスナップ日和

 冬こそスナップ撮影に適した時期だと思う。正確に言えば秋から春にかけて。
 この時期なら都市部、山野林、海、どこでも絵になる。絵にしやすい。そんな気がする。

これからの季節がいい理由日差しの角度

 まずはこれに尽きる。斜めから降り注ぐ光は、あらゆるものを美しく見せる。これを撮りたいという意欲で出かける撮影ではないスナップは、光と陰を追いかけるという指針をより実行させやすいから、これからの季節は

もっとみる
あなたの標準レンズは何ミリ?

あなたの標準レンズは何ミリ?

 毎回どこかで見かけるこのテーマだが、カタログで見れば50mmか、その辺りのことを指しているにも関わらず、いや、35mmが自分にとっての標準だ、とか、いやー40mmこそしっくりくるよ、とか、鳥を撮るなら200が標準ですよ、という人もあって、標準という言葉がなんとなくブレている感も否めない。

 ただ、そう言う意味合いでの標準であれば、どれが標準でも構わない。先にタイトルの回答をするのであれば、50

もっとみる