リトリート
久しぶりに指圧師のスペイン人の友人に会いに行った。彼女とは、2年前、2泊3日の山でのリトリートで知り合った。2年前だから、そんなに長くないつきあいの友人だけれど、お互いとても気が合ったんだ。
それは、緊急事態宣言が発出される数ヶ月前だった。
「Retreat(リトリート)」とは、退却、後退、退却の合図、静養先、隠れ家、避難所、潜伏場所、(老人・精神障害者などの)収容所、黙想(期間)という意味。
そして、「現代人は、毎日忙しい生活でストレスがたまってしまっているから、日常生活からはなれて、自分自身を大切にケアしながら、リフレッシュするために、静かで人里離れた場所で過ごすこと」
リトリートには、電子機器を使わないデジタルデトックス 田園風景の中でリラックスしながら健康的な生活を送るウェルネス・リトリートやマインドフルネス・リトリート、 何もしないで過ごすリトリートもあります。
主催者が、私の友人で、副業でコーチングのコーチをしている、とても思いやりのあるエネルギッシュな女性だ。
「リトリート」と聞くと、修行のようで、何となく厳しくて、楽しくなさそうだと決めつけていた私は、何度か彼女の誘いを断わっていたのだけれど、その時は「もしかして、今の私に必要かもしれないから、行ってみるか。」と思い、参加することに決めた。
場所はある田舎の広い庭とプールがある一軒家。
参加者は10人。女性だけでなく、男性もいた。
活動の内容としては、身体を屋内で動かすエクササイズ、ヨガ、ダンスや瞑想をしたり、ストレス解消のために、大声で歌ったり、アウトドアでは、山道を散歩しながら、自然とふれあい、川のそばで瞑想をするなど、普段体験することができないようなことが出来た。新鮮な空気を吸いながら。
自己啓発という時間もところどころにプログラムされていた。
自分たちの深い部分に入り込んで、内省しなければならないこともあり、中には泣いてしまう人もいた。男性でも。
泣くことで、自分の持っている問題を認識し、自分を変えることにつながる。
このようなことも自分ひとりでは、なかなかやらないことだ。
なにより、私が感動したのは、目隠しをされ、参加者ひとりひとりから、耳元で、褒め言葉をささやかれたこと。
不思議なもんだ。参加者全員は、私のことなんて知らない。目が見えないで、そんな風に、まるで私のことをよく知っているかのように、褒められたら、照れると同時に、自分は出来るんだと言う自信が沸いてきて、感動し、涙があふれた。
このアクティビティには参加者全員泣いた。
これって、自己を高めるための心理作戦のようなものなのだろうな。
2泊3日という短いけれど、全く知らない人達とつながることが出来、とても心に残る体験ができた。
だけど、ひとつだけ不満があった。
それは、私は、いつも問題なく朝まで寝れるのに、他の人と同じ部屋だと、よく眠れない。
なぜなら、騒音を出す人がいて、それで何回も目が覚めてしまった。だから、出来れば、次回は、一人部屋をリクエストしたいのだけれど、リトリートでは無理なんだろうな。
今回は、ネコが数十匹飼われていたところだったから、眠れなくても、癒されたし、まあ、良しとするか・・・