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2016年2月の記事一覧
ピアニスト小倉末子について補遺(ある小説について)
一昨日、noteでピアニスト小倉末子氏のことを書いたけれど、小倉末子氏の事績をまとめた本は展覧会カタログくらいしかないこともそこに書いた。
でも、小倉末子、久野久子をモデルとした小説は「落日の奏鳴楽 二人のピアニストとその祖国の物語」ってのがあったりする。
これは小倉末子をモデルとしたピアニスト小西時子の手記という形式で、東京音楽学校から海外経験と帰朝、久野久子をモデルとしたピアニスト神原道子との
厭な小説、三連発。どうして厭な話なのに惹かれるのか?
嫌いなものほど見えちゃうことってあるのはなんでなんでしょう。ゴキブリが嫌いな人に限って最初にその人が見つけちゃうみたいな。なんかありそう、いそうって思ったときにそっちを見ちゃダメだ、って思うのにやっぱり見ちゃって、そのうえ、見つけちゃうパターン。これって、触っちゃダメそうなものに、やっぱり触っちゃうとか、いろんなパターンがある。(その割に幽霊とかお化けは嫌いなほど見つけやすいとかないような気もする
もっとみる(本の紹介)「モーツァルト最後の4年」
モーツァルト観の変化
「モーツァルト最後の4年」を中心に。
私はモーツァルトの素晴らしさがイマイチわかっていない人間である。正確にいえば、好きな曲もあるけれど、だからといってモーツァルトの曲はどれも天上の音楽であるかのようなありがたがり方や、なんか歴史上最高の作曲家のように崇拝するのは違うよねって程度だけど。それに世間のモーツァルトのありがたがり方の一部は作品だけでなく、夭折の天才だったという点
(感想)「難解な本を読む技術」
こんな本を読んでますました (第2回)今更、本を読む技術もないだろうと思いつつ、「難解な本を読む技術」を読んだのですが、思ったよりずっと面白かった。この本に書いてあるような読書ノートをしっかりとりながら自分が読むようになるとは思わない(をいをい)けれど、それでも難解な本(この本では思想書をターゲットにしています)を読む時の今までの態度(とにかく早く一冊読まなきゃとか、なんかわかった気になって読み飛
もっとみるnoteに文章を書くということ、または「モリログアカデミィ(森博嗣著)」を読み返す
突然、思い立ってnoteに文章を書いてアップしてみようかと思った。twitterやFacebookでダラダラつぶやいたりしてるのの延長線上として、もう少しボリューム(といっても1000文字以上)のあるものを書いてみる試みにすぎない。今、大学入試なんかの小論文ってどのくらいの文字数を要求されるんだろうね。1000文字くらい?まぁ、そのくらいをボチボチ書くことを目指そうかなって感じ。もちろん、それほど
もっとみる(感想)「わからない音楽なんてない−子どものためのコンサートを考える」
この「わからない音楽なんてない −子どものためのコンサートを考える」という大胆な題名の本は、東京交響楽団が2001年度から始めた「こども定期演奏会」の作られ方やデータを中心にし、それに加え、子供のためのコンサートの各国の歴史や、どのようにしてコンサートは作られているのか、子供のためとはどのようなことなのかの考察なども含んだ労作です。この後の文章は読んでいただかなくても、子供向けのコンサートとはどん
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