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私の好きな料理の本3冊

いつも、自分の作った料理の写真なんかも、今週の食べ物、の中で紹介してたりするので、今回は少し変わったところで、自分の気に入っている料理の本を3冊、勢いで選んで紹介してみたいと思います。

まず1冊目!

三善晃「オトコ、料理につきる」

ってことで、一昨年亡くなられた作曲家三善晃氏の料理本というか、料理のレシピとエッセイ
私が日本人の作曲家で最も好き、かつ、尊敬している三善晃氏は「遠方から無へ」といった著作も書いてらっしゃいますが、音楽や芸術、自作に関する文章は極めて難解。。。言いたいことを追いかけるだけであっぷあっぷしてしまう文章なのですが、このエッセイは、そのイメージを全く裏切る、すごくざっくばらんな文体です。普段の芸術論もこのくらいわかりやすければいいのに、、、(そりゃ無理か、、、

で、この本は単に料理のレシピ本というわけではなく、自分の料理記であったり、留学時代の思い出話、苦労話に料理が絡んで語られていたりという感じ。
親本は1989年なので著者が50代後半の頃、有名な三部作に次ぐ、次の4部作の管弦楽、協奏曲作品を作っていた頃なんですよね。。。うーむ、それなりにギャップがw

この本の中で紹介されている料理は、一般的なレシピ本とはちょっと雰囲気が違うところもあります。コンビーフの作り方とかもあったりするんですが、硝石とか普通のレシピでは書いてないよね。。。
小さな材料がミニマムな小品集があったり、鶏を一羽処理して、それをいろんな料理に展開したり、ディナーコースを組み上げてみたり、四季に応じて季節に合わせた料理のレシピを紹介したり、と、いろいろ手を変え品を変えなんですが、これって、ある種、音楽作品を小品から大作まで、そして編成も小編成から大編成まで、と作っていくのと同じことを模倣して見せているのですね。
そういう点ではとっても音楽家らしい料理本といえるのではないでしょうか。

では続いて、今度は直球な料理本ですが、ジャンルはインド料理です!

渡辺玲「新版 誰も知らないインド料理」

渡辺玲氏はネットや料理教室や書籍など様々な形でインド料理を紹介しているので有名な料理研究家です。
そして、今でこそ、インド料理も一般的なになってきていますが(そうそう、私の住む近くの西葛西から市川市にかけてはIT関係を中心にインド人が多く住んでいるので、インド料理屋さんがたくさんあって、いろんなインド料理がリーズナブルに楽しめるとってもありがたい地域です)、渡辺氏はそれ以前から、地元のインド料理を日本風に下手に変えることなく、しかし日本で手に入る香辛料など材料の範囲で紹介してきたという点でもすばらしいと思います。特に日本人がインド料理をやカレーでイメージする北インド料理ではなく、米食、野菜が中心の南インド料理を積極的に紹介してきていることも特筆すべきことだと思います。

この本は元々単行本だったものを、改訂文庫化したものですが、このハンディさでここまで充実したインド料理レシピ本、そしてインド料理というのはどういうものか(北と南それぞれについて)を紹介した本はないでしょう。**インド料理好きなら絶対買っておいて損はありません。 **

基本的な必要な香辛料、豆、調味料の説明はもちろん、どの程度の調理道具で作れるものかといったところから、基本のチキンカレー、そして、北インド料理ならカレーマサラ、炒め物のサブジ、ご飯料理のプラオ、ナンやチャパティやスープまで。
南インド料理はスープカレーのラッサムとサンバル、炒め物のポリヤル、ココナッツミルク煮のクートゥ、ふりかけのポディ、ご飯料理のバリエーションからチャトニまで。
他にサラダやデザート、チャイやラッシー
の作り方もあります。
こうやってみるとわかるとおり、南インド料理の方が名前も馴染みのないものが多いと思いませんか?
私は南インド料理好きなのでこの本は本当にありがたい!!

エスニックな料理が好きな人には超おすすめです!!

最後の3冊目は洋書のデザートレシピ集です。

Caitlin Freeman "Modern Art Desserts; Recipes for Cakes, Confections, and Frozen Treats Based on Iconic Works of Art"

表紙からしてなかなか驚くと思いますが、なんとモンドリアンの絵画のような断面のチョコレートケーキです。

この本は、美術作品にインスピレーションを受けて、その作家の特徴を伝えるようなデザートのレシピを集めた本です。
ライマン、モンドリアン、リキテンシュタイン、ダイクストラ、ウォーホル、アヴェドン、マティス、シャーマン、クーンスなどなど27種類の現代美術作家の作品からイメージからされたデザートが掲載されています。いくつかは、これのどこがどう作家の作品らしいのかよくわからない、とか、そもそも作家の作品をよく知らないからわからないとかあるんですけどね。。。w
それでも、見てるだけでもなかなかおもしろいデザートがいっぱいで楽しめる本はです。デザートの種類もいろいろで、ホットチョコレート、レモンソーダ、アイスクリームサンド、ファッジバー、パルフェ、パンナコッタ、ムース、クッキー。トライフル、ケーキといろいろあるのですが、どれも美術品っぽく色彩も豊かに作ったり、層をいくつも重ねたりと、けっこう作るのは面倒そう。。。
そして、アメリカンなものばかりなので、けっこう重たそう、甘そう、分量多そう、、、

ちなみに表紙のケーキは、名前もそのままの「モンドリアンケーキ」なのですが、作るのに6時間、2日かけて作るのにことになってるし。。。何色も染めたスポンジケーキをつくり、さらにそれをカットして組み上げつつ境目にはチョコレートソースをって、、、カットのしかたや組み立て方も図解されているのですが、とっても面倒くさそう、、、
うーむ、実際に作るかといわれたら。。。ですね。

ちょっと、アメリカンでケーキの雰囲気も単調なところはありますが、見て楽しむことはできます。
それに、和菓子だと自然をモチーフに和菓子を作るってのあっても、さすがに美術作品をモチーフに和菓子ってのは無理そうなので、そこはこういう楽しみ方ができるのはちょっとうらやましいかも。。。
でも作るよりは見る本かな、、、気が向いたらレモンソーダとかなら作りそうだけれど。

といった感じで、お気に入りの料理本3冊でした。
また気が向いたら、他の本も紹介したいと思います。

(了)
本文はここまでです。
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