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桜の季節

少し前に臼井ミトンさんが「夫が4弦のバンジョーを弾いていて」というリスナーさんからのメッセージに、「4弦のバンジョーというのはなかなかレアで、おそらく○○(地域名がついていた気がするんだけど忘れてしまった)っていう古いかなり珍しい(確か)ジャズを演奏しているなかなかの曲者なんじゃないか」って話を始めたことがあった。
背景知識の無い者には何の意味も持たず、普通に聞き流してしまっていた「4弦」「バンジョー」だけで広がった世界。その後リスナーさんからまたメッセージが届いて、ミトンさんの予想通りだったとのこと。
やっぱりきちんと知っているってすごい、し、大切なことなんだなって思った。

こちら側に見えていることをどんなに説明しても、それを咀嚼できる素地の無い相手には何の意味もなさない無価値な情報になってしまう。
相手が聞く耳を持っていない場合にはそもそも全て遮断されてしまうし、聞く気があったとしてもそれを理解するに足る素養が無い場合にはぼろぼろこぼれ落ちていってしまう。

私は「4弦バンジョー」からは何も見出せなかった。でも臼井ミトンさんは同じ情報から瞬時にvividな音の世界、風景を見た。

私は昔から「知っている」人が好きだった。
それは例えば学校的な知識をたくさん暗記している、テストで高点数を取れるという方向ではなくて、勿論そういうものも必要なんだけど、そこからさらに立ち上げて、広げて、緩やかに自分のものにして纏っていて、滲み出ている感じとでもいうのかな。
教養のある(not 学歴/学校歴が高い)方って全然偉ぶっていなくて、頭の中に深く広がっているであろう知の体系も当人にはそれが自然なことだから、普通な感じで時折さらっとその引き出しが開くことなんかがあるんだけど、そうするともうこれは自分とは全然見えているものの量が違うわって痛感させられる。でもそれで打ちのめされることは不思議となくて、ただすごいな、素敵だなっていうのと、ぼんやり灯る可能性のようなものを感じるんだよね。うっとりする。

私には見えないものを見ている人がいる。私ももっと知れば、見えるようになるかもしれない、世界が広がっていくのかもしれない。知らなかったらこれから、ここから知ればいいじゃない。そんな「この先」の温かな予感。

優しく穏やかな眼差しと共に、そんな風に触発される瞬間をたくさん得られた日々は貴重だった。
私には謎の斜め発想癖もあるから、それを繋ぐ形であっちこっちに寄り道しながら、色々な分野の色々な知見や視点に触れられたことも。


桜の開花宣言が出て、終わりを噛みしめた。

今からだと入学式には間に合うのかな。
ここしばらくは春休みのうちに散り始めてしまうことが続いていた。

私が入学した時はどうだったんだろう?
あの頃の私はどんな気持ちで並木を見上げていたんだろう?
もう思い出せない。


2023年3月21日。去年はやっぱりだいぶ早く咲いていた。

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帰国子女受け入れ校である元所属(高校基督教大学高等学校、通称ICU高校、ICUハイ、ICUHS)「人権」や「多様性」を謳っているはずの国際基督教大学(通称ICU)法人における感染対策にかかるパワハラ追い出しとハラスメント対策の機能不全について全体的なことはFrom middle of nowhereへ。
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4月からは事業者にも「合理的配慮」が法的義務になる。
けれども、「障害」が無ければ、配慮を得られることは無い。
コロナの後遺症だって一緒だし、感染させられたくない人だって。人を感染させることを何とも思わない人間の主張だけがまかり通る美しき社会。

必要なのに届かない人がたくさん出る。むしろ逆に、制度が「配慮をしない根拠」にされることすらあるだろう。強者の視点とはそういうもの。たとえ、「人権」や「多様性」や「共生」を主張する組織だとしてもね。

私はその欺瞞に異を唱えて去る。理不尽に、暴力を返すのではなく、「理」で抵抗する。


めちゃくちゃな団体がめちゃくちゃなことをしているだけなら、それは不適切ではあるけど当然のことなので、ただ離れて解決すればいいことだし何とも思わない。
けれども、高らかにアピールをしながら、その実人権も支援も蔑ろにしている不誠実は、そこに一縷の望みを賭けて必死に辿り着いてきた層にこそ打撃と絶望を刻み込む。
私だけでなく、傷付いてきた生徒達、転学せざるを得なかった生徒達、この先傷付けられる生徒達、あるいは非正規雇用の方々へのマルトリートメントを、あのキャンパスの中で続けてはいけない。


どんなに説明し、改善に協力すると申し出ても逸らされ、決して受け止められることの無かった「不合理」について、私はきちんと根拠をもって示し残す。
何が適当ではないのか、どうして適当ではないのか、その結果何が起きてきたのか、どんな層が入学するのに向かない学校なのか、支援の実情はどうなのか、どの程度であればやっていける可能性があるのか。
入学して取り返しがつかなくなる前に知っていれば、事前に避けられる。元所属に入れる子なら、他にいくらでも、選べてもっと力を伸ばせるところがある。貴重な高校時代の学びを奪ってはいけない。よりによって、適切な環境があれば高い結果が出せる子の芽を、手厚いサポートがあるように欺き放置し無残に摘むなんて、許されない。(勿論、能力が高くない子の芽を摘むのも許されない。)

知見を持たない者、聞く耳を持たない者には何の意味も持たなかった情報も、当事者には重大な意味を持つことになる。

大きな期待を持って決して楽ではない選抜を掻い潜って入学してきた生徒達の希望を打ち砕く不合理の構造を、まかり通らせてはいけない。

高校時代に必要なカリキュラムを習得できないこと、本来は能力の高い子がその力を充分に発揮できない状況であることがどれだけきついのか、想像し得ない、負荷の少ない環境で一定の努力をすれば高い結果が出せた、強者の視点しか持たない者とそれに基づく制度体制と傲慢に、私は問う。

私のことはどうにもならなかったが、これをきっかけに、今後のことが変わっていけば、この「終わり」にも意味が生じる。それが私の最後の仕事。

反論できるならいくらでもすればいい。根拠があるのなら正面から具体的に示せばいい。
「ご指摘には当たらない」だの「そのつもりはなかった」だの「(根拠の無いお気持ちご都合による)できない難しい」だの、立場の弱い捨て駒は煙に巻いて誤魔化せた無視、逸らし、かわしの、徹底した不対話不対応も、外から選び検証する立場には通用しない。
もし批判に耐えうる根拠や状況の変化が生じているなら非常に喜ばしいことだ。傷付く人間や絶望を、作らせない、増やさないことが、私の願いなのだから。

さあ、桜の季節だ。
もう私があの並木を歩くことはない。

"I believe in karma, what you give is what you get returned."


「多様性」とはー「批判的思考」、「対話」の重要性(帰国子女受け入れ校におけるパワハラ問題と国立大学費値上げ150万問題から考える)
Let's get fair. (元所属について良い点と向いている層)
不合理ではないの不合理ー専門性全否定の行先
法人対応について(広報と実情の乖離)
If
Coda or to the end(3月)
「お気持ち」社会、リテラシーとSilent killing
「合理」とは何か
チームとは何か
A farewell&Guitar0218
Guitar0211
感染拡大期の音楽の授業について考える
謎認知
2月
Guitar0201
Guitar0122(練習開始後半年)
Guitar0831

片付ける
見えないものことをどう捉えるか
大学生と麻疹
生理の貧困、マスクの貧困
Track#05 "Crash&Burn" (from "Affirmation" by Savage Garden) Guitar1209&0114
Track#04 "The best thing" (from "Affirmation" by Savage Garden) Guitar1208&1231
From middle of nowhere
シャロン
ワンダーランドはこの世界じゃない
Track#02 "Hold me" (from "Affirmation" by Savage Garden) Guitar1204
Track#01 "Affirmation" (from "Affirmation" by Savage Garden) Guitar1203
Rosso
12月
Guitar1124
Guitar1110
Guitar1105
Guitar1031
Guitar1029
Guitar1026
Guitar1024
Guitar1022(練習開始3ヶ月)
Guitar1020
Guitar1019
Guitar1017
Guitar1014
Guitar1008&1009
Guitar1007
10月
Guitar1004
Guitar1001-2
Guitar0915
Guitar0912
Guitar0908
Guitar0902
Guitar0829
Guitar0828
Guitar0821
絵本の無い家
Never let me stay.
日常
完全自殺マニュアル
NOTHING to write on the Star Festival day(短冊に書けることは何も無い)
文豪の病(理)とパンデミック、死。
当たり前とは
先生と文字と本と。
Too bad to be good (at) できることが苦痛
Struggles hard to be found(見えにくい困難)
NO childhood(子ども期の欠落)
Poison(毒)
Environment(環境)
NO way out(出口が無い)
Eating and sleeping(食と睡眠)





木の芽(サンショウ)が出てきた。

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