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心を与えられた人間は、全宇宙(コスモス)の進化・開花の先端を担う。経営学のトレンドワード、ティール組織の源流。鮮やかに示される万物の理論(インテグラル理論)『フワッと、ふらっと、トランスパーソナル心理学Ⅳ』

『フワッと、ふらっと、トランスパーソナル心理学Ⅳ』


1. ケン・ウィルバーのホラーキー階層論

 ケン・ウィルバーの理論では、この世界(彼の言葉によればコスモス)は、幾重にもつらなるホロンの階層(ホラーキー階層)からなっているとされています。

 ホロン(hol(=全体):on( =部分))とは、全体でありながら一部であるという特徴を持つものです。

 例えば、分子は、

原子の集まり(つまり全体)でありながら、細胞の部分です。

 なので、ホロンということになります。

 原子も、原子核と電子の集まり(つまり全体)でありながら、分子を構成する部分です。

 原子核も、陽子と中性子から構成される全体でありながら、原子を構成する部分ということになります。

 ひとつの企業は、ステークホルダー(株主・役員・従業員等)の集まり(つまり全体)でありながら、

経済社会全体の一部分です。

 このように、コスモス(世界)は全て、ホロンから成り立っており、

単位ホロンは、下位層に対しては全体、上位層に対しては部分となります。

 ホロンの特徴は他にも色々とあるわけですが、例えば、ホロンはホロン階層的に発生し、発生したホロンは先行するホロンを含んで超えていきます。

 発生した細胞は分子を含んで超えた存在となるわけです。

 また、どのレベルのホロンを消去しても、それより上層のホロンはすべて消去され、それより下層のホロンは消去されません。

 2Ag2O→4Ag+O2となっても、原子以下の層のホロンが消去されることはないということです。

 ウィルバーは、物質世界のみならず、生命世界も、心も文化も全てホラーキー階層になっているとしています。

 このようにホロンは、上層にも下層にも、無限の階層をなします。

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