クッキーイニシエーション。
チョコレートクッキーを君のために作った。でも、君はいなくなってしまった。あるいは立ち去ったのが僕の方だとしても、君がいなくなったという現象は変わらない。君は消えてしまった。チョコレートクッキーに背を向けて。それはどんな犯罪よりも悪質で、倫理的な謀反と言わざるを得ない。
僕はチョコレートクッキーを元に戻さなくてはならなかった。遺骨を潰すみたいに、目一杯の力を込めてクッキーを砕いた。死に惑う声が苦しかった! 形を崩すには煮立てるしかない。牛乳をクッキーの残骸に浸して、憎しみを込