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発達障害を和らげる方法

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ASD/ADHD当事者の実体験をもとに、発達障害の生きづらさを軽くするコツを紹介中。
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#自閉症スペクトラム

発達障害でも転職を決めることができました!

またもや1か月ぶりの更新となりました。 前回もお伝えしたとおり、勤務先が事業再編されたため、この年末も忙しさで揉みくちゃにされていたのですが、 「これをnoteに書かなければ、年は越せなァァァーーーい!」 ……という報告があって、渦中からひょっこり顔を出します。 実は来春、転職することになりました。  今よりも自宅に近い職場で、勤務時間も短くなるのに、何と給与はアップします! しかもテレワーク制度があるので、通勤も楽になりそう。これまでと同じ人事のため、経験も活かす

発達障害のある人が、普通に合わせるよりも大切なこと

発達障害のある私が、子どものころを振り返ったとき、何より辛かったこと…… それは「平均点」を求められることでした。 「合格点」でも、ましてや「最高点」でもありません。 苦手なドッチボールを、人並みにできるようにがんばったり。 国語辞典が愛読書なのに、クラスメートと言葉を交わすのが怖くて、口をつぐむようにしたり。 普通の女の子に見えるように、本来の自分を見せないようにするのは、息を奪われるように苦しかったです。もう、窒息死しそうなくらい。 大人なった今でも、平均点を暗に

障害者は自己主張してはいけないの?~思いが言えない理由と、言いやすくなるコツ~

日本にはどれくらいの障害者がいるか知っていますか? 「平成28年生活のしづらさなどに関する調査」(厚生労働省)によると、障害者の総数は936万人。全人口の約7.4%が何らかの障害を抱えている計算になります。これだけ大勢の当事者がいると、困りごとの種類や程度など、多種多様を極めることが想像できるでしょう。 「社会で活躍したい!」「個性を発揮したい!」と純粋に願っている当事者も、きっと多いはず。ところが、障害があるという理由だけで、自己主張が抑え込まれているケースは少なくありま

自閉症スペクトラム(ASD)の特徴のまとめ

自閉症スペクトラム(ASD)は個性なのか障害なのか……当事者として、ふと思うときがあります。 「ASDはかけがえのない個性です」 「ASDは障害だから一生治りません」 どちらの言葉を聞いても、なぜか心に引っかかってしまうんですよね。 ASDには、「コミュニケーションが苦手」「こだわりが強い」などの特徴があると言われています。当事者の一人ひとりを見ていくと、自分も含めて、確かにその傾向はあるかもと感じます。それでも個性や障害という言葉でくくれないほど、奥深いです。しかも時と

自閉症スペクトラムとは何か~ASDの特徴・診断・呼び名について~

私が発達障害と診断された直後に読んで、大変参考になった著書……『自閉症スペクトラムとは何か』(千住淳:著)を紹介します。 著者の千住さんは、自閉症の研究者です。当事者(本人・家族)や支援者(医師・教師)の方々の協力を得て、自閉症の基礎研究を行っているとのこと。 自閉症のことについて、これまで何がわかっていて、何がわかっていないのか。研究者の立場から解説されています。その内容は、自閉症の診断、遺伝子、脳、認知、発達、社会……と、多岐にわたります。 本書が出版されたのは20

発達障害でも生まれつきコミュニケーションが苦手な人などいない

発達障害(特に自閉症スペクトラム障害:以下ASD)のある人でコミュニケーションを苦手とする人は多いと思います。 児童精神科医であるローナ・ウィングさんによると、ASDには3つの大きな特性があり、そのうちのひとつが「コミュニケーションの特性」です。 (参考:ローナ・ウィングの3つ組み) ・社会性の特性 ・コミュニケーションの特性 ・想像力の特性 つまり、ASDの傾向がある人は多かれ少なかれ、ふつうの人とは違うコミュニケーションの特性があり、時と場合によってはコミュニケーシ

なぜ障害受容したくない?差別と偏見が嫌なだけです

先日、上記のようなツイートをしたあと、なぜか胸の奥がモヤモヤしていました。 「自己受容と障害受容は何が違うのだろう? どうして私は、自分の発達障害だけは、受け入れたくないんだろう?」 疑問はしぶとく燻って止みません。 そこで自分の気持ちを整理するために、noteでも同内容をあらためて投稿することにしました。いつも以上に本音をぶちまけているので、読む人によってはきつい内容かもしれません。その場合は、素通りしていただけると助かります。 (大前提)私が発達障害を受容したくな

自分を受け入れるには環境づくりから始めてみよう

自分が持って生まれた特性については、得意なことも苦手なこともひっくるめて、ガンとして変えられないものですよね……「三つ子の魂百まで」という言葉もあるくらいです。 「自分の嫌な部分も受け入れることができたら、ラクになるかも」 そう思っていたとしても、そもそも「自己受容」という感覚自体、よく分からないことはありませんか?抽象的な言葉が不得意な人にとっては特に、アバウトすぎてピンと来ないのも無理ありません。 私には発達障害があり、受け入れ難いほど欠点も多いため、自己受容につい

発達障害には具体的な改善策を立てた方がいい理由

「発達障害を改善するためには、具体的な対策を立てた方がいい」 書籍やネットなどで、よく言われていることですよね……でも、ASD当事者の私としては、「具体的」という言葉自体があいまいで、いまいち理解できません。 なぜ具体的にした方がいいのか どうすれば具体的になるのか 以上のことを、ASD当事者の目線で考えてみました。もしよかったらご覧くださいね。 (本人が対策を考えるときはもちろん、周りの人たちが本人に声がけするときにも、参考になるかと思います) なぜ具体的に対策

発達障害の悩みは信頼できる人に相談した方がいい

自分に発達障害(ASD)があると判明したばかりのころ、私は自分が抱えている問題を、どうしても直視できませんでした。 なぜ仕事やプライベートで空回りするのか。 この辛い状況から、どうやって抜け出せばいいのか。 そもそもASDとは何なのか。 私の周りにはASD当事者が一人もいなかったから、誰も自分のこれらの悩みに共感してくれそうにありません。どうせ吐露したところで、心無い言葉を返されてしまうかもしれない。そう想像しただけで、口をぎゅっと真一文字に結んでいました。 それで

悩みごとを曇りない目で見つめるために

悩みを曇りない目で見つめるためには、俯瞰することが大事だと思います。霧深い山の中腹から頂上へ登り、世界を晴々と見下ろすようなイメージですね。そうすることにより、悩みをありのままに見渡せて、奥深くにひそむ本音も見抜くことができるかもしれません。 ここでは、私がはじめて意識的に、自分の悩みを俯瞰したときのエピソードを紹介します。 大学のカウンセリングの講座で… 私は大学生のとき、カウンセリングの講座でワークを行いました。自分が他者とやり取りしたなかで、心に引っかかっている場面

【特集】悩みとうまく付き合う方法

悩みを心のなかで整理するのは、難しいですよね…… こんがらがった糸のように複雑な問題と、あなたはどのように向き合っていますか? ここでは、発達障害ゆえに悩みが多かった私が、どのように山積みの難題に取り組んできたか、ひとつのフローチャートに表してみました。文章が苦手な人でも、図ならスっと頭に入りやすいかと思います。 「悩みにどこから手を付けたらいいか分からない!」そう思うあなたにとって、ちょっとでも参考になれば嬉しいです。 悩みをフローチャートで整理してみようこちらがフ

発達障害の診断から8年…私が変えた3つのこと

「あなたの発達障害は一生治りません」……そうお医者さんから告知されたのが8年前。 「一生」という言葉の重さが、当時はずっしり肩にかかったものの、一生このままなんてまっぴらごめん!そう思った私は、少しずつ、少しずつ、変えられる部分を変化させていきました。結果、肩の荷がだんだんと軽くなってきました。 私が変えたことはたくさんありますが、そのなかでも3つにぎゅっと絞って、ざっくりと語っていきたいと思います。 1.悩みとの付き合い方 今も昔も相変わらず、悩みは目の前にどんと立ち

特性は変わらなくても成長する

実はいうと、私がnoteに顔を出すようになってから、発達障害について投稿し続けたほとんどの文章が、7年前にすでに書かれたものです。今の私が、今の自分の思いを交えて、新たに書き直しました。 なぜそんな昔に書いた文章を、わざわざリライトしたのか。それは一重に、ASDと自身が診断される前後の気持ちを、ありありと思い出すため。当時の自分と向かい合わなければ、発達障害をテーマにした文章を、今後書くことはできないと考えたからです。 では、実際に20記事近くをリライトして、何を得たか…