発達障害の悩みは信頼できる人に相談した方がいい
自分に発達障害(ASD)があると判明したばかりのころ、私は自分が抱えている問題を、どうしても直視できませんでした。
なぜ仕事やプライベートで空回りするのか。
この辛い状況から、どうやって抜け出せばいいのか。
そもそもASDとは何なのか。
私の周りにはASD当事者が一人もいなかったから、誰も自分のこれらの悩みに共感してくれそうにありません。どうせ吐露したところで、心無い言葉を返されてしまうかもしれない。そう想像しただけで、口をぎゅっと真一文字に結んでいました。
それでも、自治体の発達障害者支援センターの支援者に相談できたことが、当時は唯一の救いでした。その経験があったから、私は長年蓋をしてきた悩みに、ようやく向き合えるようになりました。医師や当事者会の参加者、さらには身近な人たちにも、自身のASDについて打ち明けやすくなったと言えます。
もし、あなたも発達障害のことで独りで悩んでいたら、信頼できる人に相談してみることをおすすめします。
相談した方がいい3つの理由
そもそも自分の悩みを誰かに説明するなんて難しい……そう戸惑っていたとしても、勇気を出して相談してみた方がいい理由を3つ挙げますね。
1.自分も悩みを見つめられるようになるから
悩みを自分の言葉で表現することにより、自分も悩みを見つめやすくなります。誰かに話したことは、自分の耳でもしっかり聴いているからです。
悩みはそもそも、正体不明なときが何よりも怖いですよね。真っ暗闇のどこに落とし穴があるか、全く見当もつかない状態です。それでは不安で動けなくなるのも無理ありません。
それでも、「〇〇に困っている」……こんな風に言葉にしただけでも、悩みごとに光が当たります。何が辛いのか分かっただけでも、一歩前進です。
2.予想外の解決策などが見つかりやすくなるから
自分がたとえ、困りごとの10%しか説明できなかったとしても、相手が質問や助言を投げかけてくれることにより、20%、30%……と、どんどん話が膨らんで、改善策が見つかる場合もあります。会話のいいところは、お互いで作り上げていけるところ。自分が口下手であっても、まずは話してみるといいと思います。
たとえば私の場合、「騒がしい場所が苦手なんです」と、支援者にポロっと打ち明けたところ、「それは聴覚過敏なんじゃない?」と答えが返ってきました。聴覚過敏は、発達障害の特性のひとつ。ここから話はトントン拍子に進んで、耳栓を使うなどの改善策を提案されました。耳栓は電車の中とか仕事中とか、雑音が気になるときに重宝しています。
3.ネガティブな思い込みを防げるから
悩みを自分ひとりの胸に収めていると、どうしても暗い未来を想像しがち。それでも他の人に打ち明けることにより、負のループから抜け出しやすくなるでしょう。特に思い込みの強い傾向にある人は、風穴を空けてくれる存在は貴重です。
そういう私こそ、ネガティブ思考が誰よりも強いですが、支援者が繰り返し励ましてくれたことで、肩の荷が軽くなりました。
「重い荷物は、たったひとりで背負わなくてもいいんだよ」
この決め台詞は、今でも耳に残っています。
相談相手の例
では、発達障害について、誰に相談するのがいいのか。信頼できる第三者としては、発達障害の専門家や、当事者会の参加者などが考えられます。
発達障害の専門家
発達障害に詳しい専門家(医師や支援者やカウンセラー)に相談した場合は、障害に関する正しい知識や、改善策をアドバイスしてくれるかもしれません。書籍やネットにあふれる情報よりも、自分にフィットしたアドバイスです。そのことにより、自分も公平な目で悩みごとを見つめやすくなりますね。
発達障害の当事者会
当事者会に参加してみるのもおすすめです。当事者会は基本的に傾聴しあう場所。意見をしたり、批判をしたりするのが、ルールとして禁止されている会が多いです。なので安心して愚痴をこぼすことができます。自分が発言したり、相手の話を聴くことにより、「悩んでいるのは自分ひとりではないんだ」という想いになれます。
まとめ
発達障害の悩みについて、信頼できる人に相談した方がいい理由について語ってみました。
1.自分も悩みを見つめられるようになるから
2.予想外の解決策などが見つかりやすくなるから
3.ネガティブ思考になるのを防げるから
相談相手としては、専門家や当事者会の参加者などが挙げられます。この人なら心を開けるかもしれないという人に出会えたら、いきなり全部は話さなくていいから、少しずつ打ち明けてみるといいと思います。
悩みを楽にしようと動き出すことは、自分を大事にすることにも繋がりますよ。
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当記事は、「悩みのフローチャート」の2.の項目の解説です。
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