自分を受け入れるには環境づくりから始めてみよう
自分が持って生まれた特性については、得意なことも苦手なこともひっくるめて、ガンとして変えられないものですよね……「三つ子の魂百まで」という言葉もあるくらいです。
「自分の嫌な部分も受け入れることができたら、ラクになるかも」
そう思っていたとしても、そもそも「自己受容」という感覚自体、よく分からないことはありませんか?抽象的な言葉が不得意な人にとっては特に、アバウトすぎてピンと来ないのも無理ありません。
私には発達障害があり、受け入れ難いほど欠点も多いため、自己受容については模索中です。では何をきっかけに、片鱗でもその感覚をつかめるようになったのか。そう考えてみたとき、「自分を受け入れやすい環境を整えるようになってから」という答えに行き着きました。
私の凸凹特性の受容例
この文章ではじめて私を知る人に対して、私の特性について簡単に説明しますね。
私は2014年に、発達障害の診断を受けました。発達障害は、得意・不得意の凸凹の差が激しいことで知られています。WAIS-IIIという知能検査では、「言語理解」の数値がまあまあで、 「作動記憶」や「処理速度」の数値が弱め。
以下のような対応をするのが苦手です。
ところが診断を受けた当時は、これらの苦手な対応をとことん求められる職場にいました。コールセンターです。1か月で数百件の電話をひっきりなしに受けて、頭は当然パンク状態。自分の弱点なんて、受け入れられるわけがありません。
コールセンターを辞めて、事務職に転職することにより、ようやく自分の短所も認められるようになりました。ウィークポイントが目立つ仕事をしなくて済むようになったからです。ようやく落ち着ける職場に通うようになって、しみじみ実感しました。「私は本当に苦手な仕事ばかりしていたのだな……」と。
私はゆとりのある環境に移動することにより、はじめて自分の特性を受け入れる準備ができました。
自分が素のままでいられる環境づくり
自分の特性を受け入れるためには、まずは環境づくりから。自分の弱みが悪目立ちしないような、なるべく素のままでいられる環境に身を置くことをおすすめします。
苦手なことばかり強いられていると、どうしても追いつめられて、自分を見失ってしまいがち。ほっと息ができる余裕があってはじめて、自分を見つめられるものだと思います。
以上の例のような、環境づくりができるといいですね。転職や自立はいざ実行するとなると難しいので、できることから少しずつ着手するといいと思います。
たとえば、戦場で脚に弾丸を撃ち込まれた兵隊さんは、異常な興奮状態にあるので、なかなか痛みを感じられないもの。逃げて、逃げて、逃げまくって、ようやく避難所に辿り着いたときに、ようやく痛みがこみ上げます。痛みはやはり、安心できる環境にいなければ受け入れがたいのかもしれません。
まとめ
自分の特性を受け入れるために、まずは環境づくりをすることを提案してみました。
たとえば、発達障害者向けのライフハックには、「環境」や「仕組み」に工夫を加えて、本人の生きやすさを助けるものが数多くあります。本人そのものは変えられなくても、「環境」や「仕組み」はわりと変えやすいからです。
特性をすぐに受容できなくても、受容しやすい環境を整えることなら、手をつけやすいのではないか……と、自身の体験から実感しています。
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当記事は、「悩みのフローチャート」の4.の項目の解説です。
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