画家活動していく上で絵が売れるようになってくると、必ずと言っていいほど依頼制作、いわゆるオーダーメイドのお話が舞い込んできます。 それは画家として軌道に乗り始めたことを意味し、良いことではありますが、トラブルも招きやすいので細心の注意を払う必要があります。 商談の際に相手が企業だったり、仲介の業者が挟む際は一定の信頼が置けるのであまり問題ないのですが”画家⇄個人の依頼人”とのやりとりのみでオーダーを進める際は特に注意が必要です。 相手が自分の画風を気に入ってくれて好
インターネットで作品を出品・販売するにはさまざまな手段がありますが、その中で個人的にちょっと疑問視しているのが、有料のWeb個展です。 どのくらいの料金かというと、私に来たウェブ個展のお誘いの場合は、数週間で約15万円というものでした。これは実際にそこそこ良いギャラリーをレンタルするのと同じくらの料金です。 インターネット上では無料で出品できるポートフォリオサイトやECサイトが沢山ありますし、出品期限も出品数も無制限です。 私には十数万も支払って出品期限も出品数も限ら
インターネットが発展した近年、絵で収益を得る手段も実に多種多様になりました。しかし以前にも述べましたが、絵描きは原画を売ってなんぼで、なんだかんだ言ってそれが一番収益が上がりやすいです。その上で今回は現代の絵描きが気をつけるべきこと3つをご紹介します。 1.グッズを作りすぎない グッズ販売は手軽に収益を上げられる手段ですが、多売薄利なので余程の知名度がない限り効率が悪いです。ちゃんとした保管庫を持ってないと在庫を管理するのもなかなか大変。消費者は安い方に傾くので、あまりグッ
2023年はチャットGPTや画像生成AIが台頭し、AI元年と言ってもいい年でした。これらの出来事に多くのクリエーターは脅威を感じたことでしょう。 AIによって人間の仕事の9割は無くなるという人もいますが、このままクリエイティブな世界もAIによって人間は淘汰されてしまうのかというと、私はそうはならないと思っています。 なぜなら、芸術の世界というのは非合理性が許される世界だからです。芸術作品は作家の技術力が優れていればいいというものではありません。日本人は芸術に対して技術を
というのは当たり前のことですが、なぜこの様なタイトルにしたかというと、近年絵の収益化の手段は実に多種多様になりました。 昔は画家になると言えば銀座の画廊や高級百貨店で個展を開いて作品を売って、売れるまでは絵画講師などやアルバイトなどで食い繋ぐというのが一般的でした。 しかしインターネットが発達した今は、YouTubeなど動画サイトの広告収入や投げ銭機能をはじめ、pixivFUNBOXなどではサブスクプランが誰でも無料で開設でき、TwitterがXに変わってからはインプレ
絵の技術を上達させるために様々なトレーニング方法がありますが、中にはよく勘違いしている人がいて、そんなことやっても意味ないよという努力があります。最も典型的なのは「何も見ないで描けるようになること」です。 優れた絵描きは何も見ないで描けなければならないという決まり事はありませんし、そんなことができるようになっても大して得はしません。何も見ずに上手く描ける人もいるでしょうが、そんなものは何の自慢にもならないのです。 絵を描くというのは、何も見ずに上達するのは困難なも
絵は趣味だけで描いているならまだしも、いざ自分の作品を販売して長い間売れなかったら意気消沈することもあるかと思います。 そんな時は、どんな絵が売れやすいかをマーケティングリサーチ(市場分析)してみるのもいいと思います。 長年インターネットで絵画を販売していると、売れやすい絵というのは時代や国・地域によって一定の傾向というものが確かに存在しています。 私の場合は主にインターネットで販売していますから、そのサイトの人気絵師や今日購入された作品を毎日チェックすることで、売
意識的に絵を進化させていくことは難しいと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。もちろん何も考えず描きたい絵を描いている内に自然と良い絵が描けるようになるということもあるかもしれませんが、自分がどんな絵を描きたいかということをよくわかっている人というのは意外と少ないものです。様々な角度から自分を分析していくことによって、より効率的に絵を進化させていくことができると思います。 私が個人的にオススメするのは、好きなモチーフや制作タイルを3つくらいに分けて、ローテー
長年絵を描いていると多方面から展示やビジネスのお誘いを頂くのですが、中には絵描きに高額な金銭負担を強いる怪しいビジネスに遭遇することがあります。これらは決して詐欺ではないのですが、こういったビジネスに乗っかって成功したという話をあまり聞いたことはありません。 よくある例としては、あなたの作品で画集を作りませんか?とか、海外で作品を発表してチャンスを掴みませんか?などというように、いかにも絵描きが食いつきそうなおいしい話を提示してくるのですが、高額な出展費用を後出しで提示して
ある人気イラストレーターがトレパクしているとSNSで大炎上しております。 問題の作品の数々が、トレースか、オマージュか、模写か、などいろいろ闘論されておりますが、これらの定義については敢えて述べないでおきます。結論など出るはずがありません。こういうのは司法の場にお任せした方が良いと思います。 私が言いたいのは、SNS全盛の時代、どうしても自分の作品を大勢の人に公開していいねやフォワー稼ぎに躍起になりがちですが、これは諸刃の剣だということです。 ネットには膨大な資料が転が
今回は画家を志す上で重要な要素を3つにまとめてみました。 1.時間 時は金なりという言葉もあるように、絵を描くにはまとまった時間が必要です。しかしそれだけではありません。絵を描いていない時間だってアイデアや構想を練ったり取材に出かけたりする事も必要で、むしろ絵を描いていない時間をどう過ごすかが重要なのです。良い作品はゆとりのある時間があってはじめて生まれます。人との関わりも最低限で済ませましょう。時間泥棒をされるような人間関係はできる限り持たずにいるべきです。画家は対人関係
インターネットでSNSが普及した今の時代、絵描きが自分の作品の宣伝ツールとしてSNSを利用しない手はありません。がしかし、これには”落とし穴”も存在していて注意すべき点もいくつかあります。 1.単価が安い SNSから依頼制作が舞い込んでくる絵師は数多くいますが、実際これらの報酬は安いものが殆どです。もちろん修行の一環として活動初期の頃はこういった経験を積むこともいいでしょう。が、アイコン制作やミニ原画など、高くてもせいぜい1万円くらいの報酬が関の山なのでどっぷり浸かるのは
絵を販売するうえで客さんがどんな絵を求めているかを分析するという、いわゆるマーケティングを実践するのは多くの芸術家は毛嫌いすることでしょう。確かに芸術にそのようなものは不要であるべきだとは思いますが、それはあくまで売れっ子や才能のある人の理想論なのです。 どうしても絵が売れないという場合は一度市場傾向を分析してみるのも損ではありません。私はオンライン出品に力を入れているので、あくまでその分野の中でだけの市場傾向ですが、参考までに述べておきたいと思います。 大雑把に言うと、
数多くの絵画出品サイトを利用してきましたが、その中でもおススメのサイトを3つ紹介してみたいと思います。 1.This is galleryコロナ禍の巣篭り需要も相まって近年急速に発展しております。顧客もアートに対する理解が幅広く、抽象画など現代アートも数多く購入されています。ただし購入される価格帯は高くても10万円前後と、決して高くはありません。駆け出しのアーテイストが修行の場としたり、趣味で絵を描いてる方が出品する場としては非常に良いと思います。 2.TRiCERA20
この二枚の画像はいずれも私の作品です。 上の作品はデジタルで描いた限定100部の版画で、下はアクリル絵の具でキャンバスに描きました。 上の絵はよくイベントでも出品しており、何度もべた褒めされることもありました。版画作品なのでこれまで複数回販売しておりますが、おそらくこれまでの収益はグッズ化も含めても5万円いくか行かないかと言ったところです。 対して下の作品は海外の方にご購入いただいたのですが、いくらで売れたか言うと、1250ユーロ(日本円でおよそ156,000円)で
コロナ禍における巣ごもり需要の高まりによって、オンラインギャラリーの活性化はかつてないほどの勢いで伸びています。 ネット環境とパソコン・スマホがあれば、誰でもどこにいても作品を販売することができるようになりました。 美術界の旧態依然とした暗黙のルールに囚われることもなく自由に出品することができます。 一見すると良いことずくめに思えますが、デメリットもあります。 その中で最も大きなものは、販売価格の低下です。 アーティスト本人が気軽に作品を決めることができるため、絵の