どのように絵を進化させていくべきか
意識的に絵を進化させていくことは難しいと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。もちろん何も考えず描きたい絵を描いている内に自然と良い絵が描けるようになるということもあるかもしれませんが、自分がどんな絵を描きたいかということをよくわかっている人というのは意外と少ないものです。様々な角度から自分を分析していくことによって、より効率的に絵を進化させていくことができると思います。
私が個人的にオススメするのは、好きなモチーフや制作タイルを3つくらいに分けて、ローテーションを組んで制作していくというものです。例えば「人物画・風景画・抽象画」などスタイルやモチーフごとに分けたり、「アクリル画・水彩画・モノクロデッサン」など画材ごとに分けたりなど、何でも構いません。
私は数年前までは「風景画・人物画・神獣画」でしたが、最近では「風景画・抽象画・動物画」というローテーションで制作しています。途中でテーマや画材を入れ替えても全然構いません。こうすることによって、自分には何が向いているかをよく知ることができ、それぞれのスタイルに相乗効果が産まれていくようになります。そしてある程度続けていく内に、いずれは”核”となる制作スタイルができあがっていきます。私の場合はそれが風景画でした。
最初から自分が描きたいものはこれだ!と決まっているので他のものは描きたくないと言うのならそれでいいのですが、同じ絵ばかりを描いていると必ずマンネリやスランプが訪れます。しかし私はこのローテーションスタイルをかれこれ15年以上続けていますが、今のところ一度もマンネリやスランプなど無く、他の事で忙しくて時間がない時以外はほとんど毎日絵を描き続けてこれています。
それでもちょっと最近やる気が出ないなあ、ということがたまにあるのですが、そんな時は敢えて収益を上げることを重視して絵を描きます。お金のために絵を描くなんて!と思われるかもしれませんが、絵が売れると言うことはモチベーションを維持するために極めて重要なことだと思いますので、お金と結びつけることは決して悪いことではありません。だからといって売れることばかりに囚われ過ぎるのも良くありません。
このように、一つのことに囚われず複数の制作スタイルで、且つ自分を満足させるための絵と収益を上げるための絵を、交互にバランスよく追求していくことが、長く成長しながら絵を描き続ける事の秘訣だと思います。