絵の依頼や案件で絶対気をつけるべきこと
画家活動していく上で絵が売れるようになってくると、必ずと言っていいほど依頼制作、いわゆるオーダーメイドのお話が舞い込んできます。
それは画家として軌道に乗り始めたことを意味し、良いことではありますが、トラブルも招きやすいので細心の注意を払う必要があります。
商談の際に相手が企業だったり、仲介の業者が挟む際は一定の信頼が置けるのであまり問題ないのですが”画家⇄個人の依頼人”とのやりとりのみでオーダーを進める際は特に注意が必要です。
相手が自分の画風を気に入ってくれて好きなようにやらせてくれるのなら問題ないのですが、時には変に批評家目線で分別の無い要望をしてくる者もいるのです。
私のつい先日経験した例で言いますと「あなたのこの作品を気に入ったので購入を検討している。しかしこの部分が気に入らないので描き直して欲しい」というものでした。
私は描き直すこと自体はビジネスとして承諾することはできます。しかし、もし描き直したところで相手がやっぱり気に入らないからと言ってキャンセルされてはたまったものではないので、前金として1万円払うことを要求しました。しかし、相手はそれに応じず逃げてしまいました。
その相手は、無条件に作品を描き直すことを要求していました。しかも、それに悔しさを感じて応じるのがプロとしての気概だと言うのです。悔しさどころか”?”しかありませんでした。
面識のない人にいきなり描き直しを要求され、無償でそれに応じてしまってはそれはプロではなくむしろアマチュアなのではとツッコミたいですし、あなたが絵描きにプロとしての気概を見せよと言うのなら、まずあなたがコレクターとして前金1万円くらい余裕で支払うだけの気概を見せてもらいたいものだとも思うのですが、この商談は結局成立することはありませんでした。
私の顧客のほとんどは絵と画家に対する理解が深い方ばかりなのですが、時には身勝手な要望をしてくる者いますので、その対策として前金を払ってもらうと言うシステムをとっているわけです。
知り合いの画家の中にもオーダーがキャンセルになったと言う話はよく聞きます。私も今回の他にキャンセルになった案件はいくつかあるのですが、今回は特に風変わりだったので記事にさせていただきました。
ビジネスをする上で依頼のキャンセルはどうしても起こってしまうというものですが、画家は泣き寝入りしないためにも事前に料金表などガイドラインを徹底し、特に個人同士でのやり取りの場合は前金を受け取っておくことを強く推奨します。