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オンラインギャラリーの課題

コロナ禍における巣ごもり需要の高まりによって、オンラインギャラリーの活性化はかつてないほどの勢いで伸びています。

ネット環境とパソコン・スマホがあれば、誰でもどこにいても作品を販売することができるようになりました。

美術界の旧態依然とした暗黙のルールに囚われることもなく自由に出品することができます。

一見すると良いことずくめに思えますが、デメリットもあります。

その中で最も大きなものは、販売価格の低下です。

アーティスト本人が気軽に作品を決めることができるため、絵の安売りや価格破壊が起こり、徐々にサイト全体の売り上げが下がっていくのです。

美術界には旧態依然とした暗黙のルールがあると前述しましたが、その中に値段は基本的に下げないというものがあります。

オンライン市場ではしがらみが緩いものですから、かえってそれがマイナスに作用することもあるのです。

名前は伏せますが、かつて賑わいを見せていた販売サイトも、絵の販売単価が徐々に下がっていってすっかり元気が無くなってしまったサイトも実際にあります。

中には、どう考えてもこの値段は売れた方が損をするだろうという値段設定にしてしまう作家もちらほらといらっしゃいますが、これだと販売手数料を受け取る運営にも迷惑が掛かってしまうというものです。

とはいえ、赤字にしてまで作品を安売りしてしまうアーティストはどうしてもいるものですから、これには作品価格の下限を設定するなどして、システム的に対策も練る必要があるでしょう。

絵が売れたら手数料や送料など、作品の経費のほかに出ていくお金も結構あるので、作品の値段設定というのは非常にシビアに考えていく必要があるのです。

このあたりは運営側・作家側双方がお互いに啓蒙していく必要があると感じています。

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