自己肯定感なんていらなくて。ただどんな自分も全部、自分なんだ
「自己肯定感なんていりませんよ」と言うと、
「えっ」と驚かれる。
自己肯定感という言葉は最近聞かれるようになっていて、
自己肯定感はあった方がいい気がしてくることはわかるし、自分にはなくて、確かにある人もいるから羨ましく思うこともきっとある。
確かに自己肯定感が高い人はいるし、きっと僕も自己肯定できている。
「もともと自己肯定感がある人だから、そう言えるんだと思います。」
そういうこともあるんだろうなと思う。その言葉を否定しようとも思わない。
ただ自己肯定感がないといけない、と思ってしまっている人が、「そんな自分でもいい!」と思うにはかなりのエネルギーがいるんじゃないかなとも思う。それを僕は簡単にできることだとは思えない。
だから、伝えるんだ。
自己肯定感がある人は、「こんな自分でいいんだ」って肯定できている。
でもそれはどんな自分も自分なんだと、無意識的でも理解できているからなんだと思う。知っていて、受け入れられて、初めて肯定できる。
気分のいい時の自分が、本当の自分だと思いたいけれど…
「どんな自分も、自分なんだ。」
そのことを知って、ただ受け入れることから始めていければいい。
「全部、自分なんです。」
僕はそう伝えている。
気分が良くて、なんでもできるような気がして、いろんなことに意欲的に挑戦できる時の自分も、自分。
何も考えず、ただぼーっとしている時の自分も、自分。
仕事でうまくいかなくて、上司に怒られたり、部下に対してイライラしながら指示を出してしまった時の自分も、自分。
やる気も出なくて、こんなはずじゃないのに。もっと頑張れるのに。頑張らなきゃいけないのに。もう嫌だ。と泣いたり、叫んだりしたくなる時がある自分も、自分。
いい時の自分だけが自分じゃない。調子が悪い時、うまくいかない時の自分も、ちゃんと本当の自分なんだ。
そりゃあいい時の自分でずっといれたらいいけれど、いい時もあれば、悪い時もあるから自分。
できることがあるし、できないことがあるのも自分。
「確かに、自分だ。どんな自分も、全部自分だ。」
そう思って、知って、受け入れることをまずはただしていけばいいんだ。
じゃあどう受け入れるのか?
いい時も悪い時もある自分。全部、自分。
ここで肯定しようとしてしまう人がいる。「こんな自分でもいいんだ」とその時は受け入れられているから肯定できてしまうこともある。
けれど、また悪い時の、いろいろできない自分が出てきてしまうと、ただ思い込んだだけになってしまっていて受け入れきれていないから、「自分なんて…」とまたぐるぐるしてしまう。
じゃあどう受け入れていくのか。
全部、自分。と思って、それから「いい時の自分、悪い時の自分。こんな自分でもできること」を書き出してみよう。
できることはある。たくさんある。小さなことから考えていけばいい。
朝目が覚める。起き上がる。顔を洗う。トイレをする。朝ごはんを食べる。着替える。歯を磨く。支度する。とりあえずでも会社に行く。歩ける。鍵を忘れず閉められる。
何もできないんじゃない。できることが、ちゃんとあると知る。
それからもう少しできることを考えてみる。
メールの返信ができる。コミュニケーションが取れる。笑顔になれる。気を使うことができる。次は何をすればいいか、考えることができる。
好きな人のことを思い出したり、好きなことをしたり、泣いたり、走ったり、叫んだり。食べたり、飲んだり。いろいろできる。何もしないことだって、できる。そうやってなんとかとりあえず1日を終えられる。
もっとできることがある日もちゃんとある。
できることがある。どんな自分も自分で。こんな自分でできることがある。できないこともそりゃあたくさんあるけれど、できる時があれば、できることができない時もある。それでもできることができる。
そこからなんだ。「こんな自分でもいいんだ」って、肯定するのは。
いや、肯定なんてしなくてもいい。ただ自分を受け入れて、自分ができることもあって、できないこともあることを認めて。自己受容して、自己認識する。できることもある自分も、できないこともある自分もいることを認める。
その結果、まあそれでもいいかと思えたら自然と自己肯定できている。
それもでいいかとも思わず、「まあどんな自分も自分。それ以上でも以下でもないか。」と受け入れられたら、それはそれでいい。肯定するまでもなかったりする。
みんな、そんなに全部はすごくないよ。見えてる部分しか見えてなくて、見える部分のそれ以外に他の人のことほとんどなんてわからないんだから。
肯定せず、ただ受け入れて、生きてみよう。
それで解決することだってあるかもしれないんだから。
案外それで十分だったりするんだから。
自己肯定感がほしいあなたへ
ただ全部、自分。と知った物書きより
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