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また読み返したいnoteを集めた私のブックマーク的マガジン
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2020年7月の記事一覧

出町柳鳥貴族会議

出町柳鳥貴族会議

 京都は百万遍に鎮座する、泣く子も黙る京都大学。そこに通う学徒の夏休みというのは、みなそれぞれである。ある者は勉学に勤しみ、ある者は遠く世界の果てを目指し、またある者は怠惰を究めんとし、親に金を無心しては外界と隔絶された20何度の世界で、神無月まで惰眠を貪る。

 8月某日。「私」は附属図書館に死んだ目の法学部生が吸い込まれていくのを横目に、だらだらと時間を潰していた。タリーズの抹茶スワークルとい

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時間を贈るということ

時間を贈るということ

noteの自主企画、盛り上がっていますよね。

企画をしたことがない人の素朴な疑問として、「なぜ企画を立ち上げるのだろう?」と思うことがあるはずです。企画を立ち上げた人は、その理由を知ってるかもしれません。もしかしたら「なんでだろ? 分からないな、やりたかったからやっただけ」と言う人もいるかもしれませんね。

ぼくは企画の旗持ちになったことがないので、その理由は分かりません。
けど、企画のサポート

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LOA: 8/1 - 10/31

LOA: 8/1 - 10/31

10月末まで3ヶ月間、休職期間に入ります。

🕊

久々に真山仁の『ハゲタカ』を再読しているんですけど(ビジネス小説はキツイかなと思ったけど、畑がだいぶ違うのでわりと大丈夫だった)、ゴールデンイーグル鷲津政彦は、1巻の最後で大騒ぎしたあと、1年間海外を放浪してチベットのラサとかに行ってるんですね。それでだいぶ変わって、いない間にいろいろあって、パワーアップした大激戦が繰り広げられる2巻がかなり好

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余計なものに振り回されて人生を見失っていた話

余計なものに振り回されて人生を見失っていた話

好きなことを目指して道を進んでいたはずなのに、いつのまにか自分を見失ってしまう。そんな経験ありませんか?余計な情報に振り回されて、いつの間にか人生の迷子になってしまう。僕がそうでした。

漫画家かいちが人生を見失っていた話と、僕の新しい挑戦のお話です。よかったら聞いてください。

「漫画だけで生きていく。」そう思い、貯金ゼロでアルバイトを辞めて、漫画業で独立して一年半。7月に入って、仕事がほぼなく

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広口のガラス花瓶に花をかざる夢

広口のガラス花瓶に花をかざる夢

最近よく、花束を買う。花屋さんの立派なものではなく、スーパーのレジ横でぽつんと佇んでいる小さな花束だ。

そして私は、広口のガラス花瓶に買ってきた花をかざる。ピンクや黄色で明るくなったダイニングをまじまじと見る。

口が広くて洗いやすい花瓶を、36歳の誕生日に買った。手に入れるのに、7年近くかかった。何の変哲もない花瓶。なんで普通の花瓶を買うのに、赤ちゃんが小学校に上がるほどの年月を待ったのか。今

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ヤギは海を渡るのか問題

ヤギは海を渡るのか問題

どんな世界でも所有争いはある。気持ちの中の縄張りも含めて。

先住民と開拓者。古参と新規。コアなファンとにわか。それぞれが自分の領分とか、自分の環境の快適さを守る主義主張とかを持っていて、そこに侵食してくるものとぶつかったり、直接ぶつからなくても違和感を覚えたりする。

noteの街でもあるのかもしれない。「あるのかも」みたいにふわっとした書き方してるのは、自分ではそこまで意識してないから。

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奇蹟の中に生きている (リライト)

奇蹟の中に生きている (リライト)

いまだに あの時の感覚すべてを言葉にはできない。
突然全てが超スローモーションとなり 見たことのない輝きを振りまき、それらと自分の境目が分からなくなった。

気付いたら私は泣いていた。



もう30年弱むかしの話、まだ私は21歳くらいだった。

膝の靱帯再建の手術を受け、術後固定2週間、その後リハビリのためさらに2週間という長期入院をしたことがある。
その日も毎日の1時間ちょっとのリハビリを終

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一本の傘がプレゼントしてくれたもの

一本の傘がプレゼントしてくれたもの

誰にも話したことのない遊びがある。

あれは幼稚園に通っていた頃かもしれない。私は、塗り絵、折り紙、工作と手を動かして遊ぶことが多かった。

特にブロックは小さなピースがいつの間にか足りなくなっていって何度も買い足すものだから、膨大な量のブロックがアルミ製のおかきの缶の中に詰まっていた。

毎日、畳の上にブロックの缶詰をザバーッと広げては、組み立てたり壊したりしながら何時間も遊んでいた記憶がある。

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手紙は食べるが日常を切り取れないヤギ

手紙は食べるが日常を切り取れないヤギ

日常を切り取るのが苦手だ。まあ、これはわりとメンズに共通する課題なのかもしれない。もちろん、そうじゃない人もいると思う。

だとしたら課題じゃなく個の問題だ。

前にも書いたかもしれないけど、いわゆる「日常の日記」みたいなのが絶望的に書けない。ライターなのに? 

日常と非日常の閾みたいなところを書くのは好きだし、むしろ僕にとってはそっちが日常に見えることすらある。でも、そういうのは基本的にあまり

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別の人の生き方に憧れたら、池平撤兵さんの『ふつうのいるか』を思い出す。

別の人の生き方に憧れたら、池平撤兵さんの『ふつうのいるか』を思い出す。

高校生のころまで、絵は私の味方だった。

自分のことは大嫌いだったけれど、自分の描く絵だけは好きになれた。つらいことがあったときには、自分の描いた絵に慰められた。絵を無我夢中で描いているうちに、ボロボロと涙が溢れて心が軽くなったこともある。

我流なので構図がおかしいのもわかっていたけれど、趣味と呼べないくらい大切だった。

それなのに、20歳を過ぎたあたりから、パタッと描けなくなってしまった。

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遺書

遺書

みんな、今までありがとう。

僕なんかには勿体ないくらい、素敵な人生を歩ませてもらった。

本当に、感謝している。みんなが居たから僕はここまで僕らしく生きることができた。こんなに幸せなことはない。

みんながこれを読んでいる今、僕はきっと遠いところに居るだろう。

いや、違うな。
というより、僕が遠いところに行ったら、そのときに改めて読み直して欲しい。

今、世の中は大変なことになっている。増え続

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いろんな価値観が認められる社会

いろんな価値観が認められる社会

差別する人間は排除してしまえ。

「多様性を認めない人間は認めない」という論理矛盾。〝多様性〟って難しい。多様性の中にレイシストは含まれないのだろうか。いろんな価値観が認められて、それらが混在した健全な社会。人類は大きなテーマに挑戦しているね。

冒頭の言葉は極端な例だけど、何かを批判する言葉が相手を傷つける武器になってはなかろうか。そんなことを考える。「戦争には悪はない」と誰かが言う。それは正義

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地球を味わう・大陸を歩く

地球を味わう・大陸を歩く

2021年10月15日をもってこのバケーションレンタルはクローズします。
読んで下さって興味を持って下さった皆様に、心から感謝申し上げます。

このご時世にインターネットはもちろん、携帯電話の電波もアヤシイところに3日行っていたので、すっかりフォローしている方の記事はもちろんtwitterすら見ていなかった。。。なんか、タイムスリップするってこんな感じだろうか、と思ってしまいます。

今回は家族で

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デザインはあなどれない

デザインはあなどれない

本づくりにとって大切な「デザイン」
弊社が本づくりを行う上で大事にしていることのひとつに「デザイン」があります。デザインはいわば本の顔であり服装です。初対面の人と出会ったとき、外見によって第一印象が決まるように、デザインを蔑ろにしてしまっては、せっかく良い内容でも伝えられずに終わってしまうかもしれません。

もっとも、デザインに正解はないし、私たちも未だに本をつくるたび、試行錯誤の連続です。それで

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