ぬーこ

本好きです。3人育児してます。猫2匹。現代文の教員です。 手芸とヨガと旅行もすき。色だと青と白と金。 ごはんの中では朝ごはんが一番すきです。

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最近の記事

ガキの使いやあらへんで/『できそこないの男たち』福岡伸一

夕方、どうにも体が重い。関節も軋む。痛い。でも熱測ったら負けだと思い、子どもたちを風呂に入れ、ご飯を食べさせる。あと歯磨きさせて寝支度、というところで、誘惑に負ける。熱を測ると39度。でもまあ、あと少しですべてが終わる。モロの君の構えで忍たま乱太郎の終わり(=寝かしつけの始まり)を待っていると、夫が帰ってくる。イヤホイ。 熱あるんだよ、39度。というと、大変だ、とりあえず急いで風呂入ってくるわ。あがってきた夫は、パジャマを取りに2階へ。そのまま降りてこない。しばらくすると2

    • おばあちゃんに会いに行った

      おばあちゃんに会いに行った。点滴が刺さらなくなった、刺さらなくなると早くて1週間でいってしまうと母から電話で言われた。そして驚いたことにもう点滴が刺さらなくなって1週間経ってるらしい。日帰りで来ないかと言われる。言うべきかどうか迷って、と。何に気を遣ったのか、それは母の優しさなんだけど、キレ散らかしそうになるのを堪える。簡単に日帰りとか言うなよ。もっと早く言え。当日に教え子と恩師にドタキャンをかまして、息子を保育園に送ったあと2歳と1歳の娘を連れて新幹線に乗る。熱海過ぎたあた

      • 永遠に生きるがよい/『300スリーハンドレッド』

        「先生から雑談を引き出して授業時間を削る」という生徒たちの可憐な試みは、おそらくこの先も地球上からなくなることはないと思う。 生徒たちは私という人間そのものにさして興味がなくても、この「授業時間を削るゲーム」をしかけたいがために、私によくパーソナルな質問をする。それがかわいくて(あと話好きで)まんまと乗ってしまう。 「先生、好きなタイプは?」というのは彼らの常套句だ。だからこちらもテンプレで回答を用意してある。「映画『300<スリーハンドレッド>』で主演をつとめてた、ジェ

        • ガーディアンズ・オブ・(マイ)・ギャラクシー/小説におけるリアリティ

          私の脳内には3人の芸人が住んでいて、私の精神世界の安寧を守ってくれている。 ノンスタイルの石田。職場でアクの強い人の話が始まったらあおりながら流してくれる。千鳥のノブ。ママ友のデリカシーなさめの発言を優しく笑いに変えてくれる。そして、大木こだま師匠。彼は(あくまで私の価値観において)小説におけるリアリティが感じられるかどうかをジャッジする審判である。私の(粗末な)美意識を司る門番ともいえる。 虚構の世界において、その世界が齟齬なく構築されているか、はたまた世界が前提としてい

          言葉に宿る陰影

          好きな文章、には、たぶん、陰影がある。私の場合。水彩画のような、優しいタッチの文章。そのなかで一番細やかで好きなのは須賀敦子。自己管理がきちんとできている人の、端正で、それでいてさわやかな、たくさんの人に向けた、ぱきっと明るいトーンのいろんなビジネス書、自己啓発書。この世界の攻略本みたいで好き。マップを横に広げてくれる。縦は哲学と歴史、斜めは小説。そしてただひたすら私を笑わせてくれるカレー沢薫の文章。いろんなトーンの文章を読む。 ふりかけの裏に書いてある小話とかも気づいたら

          言葉に宿る陰影

          半年後に死ぬとしたら、何したい?/『あした死ぬかもよ?』ひすいこたろう

          いま、ひすいこたろうさんの『あした死ぬかもよ?』を読んでいる。その中に、「あと半年で死ぬとしたら?今の生活を続けたいか?」という質問がある。 あと半年で死ぬとしたら北海道に住みたい。 だだっぴろい農地の真ん中にぽつんと、昔のアメリカの映画に出てくるような、農家のポーチでロッキングチェアに揺れていたい。山と夕日を眺めたい。ウィスキー飲みたい。コーヒーもいいな。本読んで。ほんとは畑もやりたいし馬とヤギとウサギとニワトリも飼いたいけど一応半年の期限付きだから。 広い庭のある家が

          半年後に死ぬとしたら、何したい?/『あした死ぬかもよ?』ひすいこたろう

          現代文の教員になってよかった

          現在末子の育児休業を頂いている最中で、来年度4月1日に復職する。 ぼちぼち「極める現代文」を解いている。普通に間違える。ひーん。 働いているときは、時間に追われて問題を解いていたので、ほんと作業みたいだった。でも今、当然受験も関係なく、お迎え時間までにタイムトライアルみたいに雑務を消化していく環境でもない、フラットな状態で、いい問題を集めた問題集を解いてると、いつもよりずっと丁寧にテクストを読む贅沢な時間になる。一通り読んでざっと理解したつもりになっていることを、立ち止まっ

          現代文の教員になってよかった

          たぶん繊細な私のおおらかな友達

          昼から友達の家に遊びに行く。夕方、友達の旦那さんが帰ってくる。おいしい焼きそばとお好み焼きを作ってもらって、一緒に食べる。こどもを風呂に入れてもらう。 2人ともめっちゃ面白い。めっちゃ笑う。そしてめっちゃ優しい。子どもを可愛がる。でも叱るとこでは叱る。人のこと悪く言わない。夫婦喧嘩もしないんだって。なんというか全てにおいて、さっぱりしてる。友達は、腹立つこといっぱいあるけどな!と言ってやっぱり笑っている。 帰りの車、運転を始めると、自分の言動が場にふさわしかったか全自動で

          たぶん繊細な私のおおらかな友達

          焚き火のにおい、人の話し声/『サピエンス全史』ユヴァル・ノア・ハラリ 

          週末、息子の大親友ぐりくんの家族とキャンプに行った。 小さいころは奈良県吉野川沿いで毎年キャンプをしていたけれど、テントの張り方も必要なものもわからない。行く前から何度も友達と電話して、記憶を掘り起こして、Amazonでポチポチする日々。当日、なんとか荷物を積み込んで、千葉へ向かう。 アクアラインの手前で引くほど渋滞している。これまで車で出かけるときは平日休みを作ってきたけれど、今回はぐりくん家族と一緒だから休日出発。休日の首都圏やべえ。J-WAVEのJARTIC道路交通情

          焚き火のにおい、人の話し声/『サピエンス全史』ユヴァル・ノア・ハラリ 

          でも、あの子ったら、空飛ぶことしか覚えなかったんですよ/『ずっとやりたかったことを、やりなさい』ジュリア・キャメロン

          なんだかんだ読了していない『ずっとやりたかったことを、やりなさい』(ジュリア・キャメロンのThe Artsit's Way)。世界的ロングセラーで、人の創造性を養うためのプログラムがぎっしり詰まっている。 有名なのはモーニング・ページ(=朝起きてノート5ページ分頭の中にあることを書き出す)。マッキンゼーで働いていた赤羽雄二さんの『0秒思考(Think Fast)』も、このモーニング・ページをカテゴリ分けする一つのパターンだと思っている。私はどちらも一定期間しか習慣化できなか

          でも、あの子ったら、空飛ぶことしか覚えなかったんですよ/『ずっとやりたかったことを、やりなさい』ジュリア・キャメロン

          君を自由にできるのは宇宙でただ一人だけ/『最強のふたり』Intouchables

          息子はいま保育園の年中さんで、毎日飽きもせず大親友のぐりくんと「だけ」遊んでいる。 この間、帰りの車で息子が、「ぐりくんがいないとき、ぼくはだれとあそんでるでしょーか」という無邪気なクイズを出題してきた。「1.Mくん。2.Kくん。3…」しばらく待ったけれど言葉が続かなかったので、「Mくん?」と聞いてみたら、「ブッブー!せいかいは、ひとりであそぶ、だよ~」とのことだった。ついにぐりくん以外の友達ができたかと思ったのになんだこの切ないクイズ。 かくいう私も恥の多い生涯を振り返

          君を自由にできるのは宇宙でただ一人だけ/『最強のふたり』Intouchables

          虎にもなれずに溺れる/『文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。』pato

          今年のCreema FES(ハンドメイドマーケット+音楽フェス)はソレイユの丘で開催された。 行ってみたら強風のためお店が2つしか出店してなかった(広々した芝生のエリアに、ぽつんとアクセサリー屋さんと、移動本屋。しかもSOIL&"PIMP"SESSIONSがオラついてるなあとか思っているうちに移動本屋さんは閉店していた)。 受付の長机にバイトのお兄ちゃんたちが座っていて、「当日券あります!!」と貼り紙をしていたけれど、「強風のためほとんどのお店は出店していません!!」という

          虎にもなれずに溺れる/『文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。』pato

          今ここにある全てで僕らは生きていくからジャマしないで!/『美術泥棒』マイケル・フィンケル

          たぶん120くらいの煩悩をもつ私にとって、足るを知るということが非常に難しい。 油断すると心はいまここを抜け出して、家の屋根に芝生を敷き詰めて猫が遊べるようにしたいなあとか(夫に反対される)、ユーコン川をカヌーで下りながらキャンプしたいなあとか(蚊にお尻を刺されまくってボコボコになるよと水曜どうでしょうで仕入れた知識で夫に反対される)、グレーのミツオカビュート第3世代に乗りたいなあとか(もっと運転しやすそうな、お尻の小さい車にしなさい、と言われるけどあのお尻がいいんだよ。と

          今ここにある全てで僕らは生きていくからジャマしないで!/『美術泥棒』マイケル・フィンケル

          初恋と、最後の恋のちがいを、ご存じ?/内田樹『困難な結婚』

          表題は私の大好きなトーベ・ヤンソンの『ムーミン』シリーズ(マンガのほう)に出てくるセリフ。授業で笑いを取りたいときとかにたまに使う。何人かに当てて「ねえねえ、何だと思う?」という、思春期の子ども相手に地獄の大喜利をした後、「答えは、『初恋は、これが最後の恋だと思うし、最後の恋は、これこそ初恋だと思うもの。』だよ!うぇーーーい!」というと大体みんな笑ってくれる。 私はこのセリフを言い得て妙だと思っている。何を隠そう私は夫と出会って初めて「おお……人を好きになるってのはこういう

          初恋と、最後の恋のちがいを、ご存じ?/内田樹『困難な結婚』

          海で花火を見た

          保育園のお父さんたちが、夏休みの間夜な夜な集まって子どもたちに見せる花火を準備してくれていたのだ。 ぽーん、どーん、と、大きな打ち上げ花火。花火大会で上がるようなでっかいやつ。私は火花がびしびしびし...といって燃え尽きるまで、燃え尽きた後に夜空に流れる煙まで、じっと見つめていた。 ものをじっと見つめるってことを久しぶりにやった。会場の浜辺についてから花火が上がるまでの時間、夕焼けをじっと見た。海をじっと見た。月を、星を、流れる雲を、じっと見た。いいもんだなあと思った。

          海で花火を見た

          我に返るスキマを埋めろ-『Chatter』をちょっと読んで-

          頭の中がいつも散らかっています。 あれやりたいこれやりたい、がいつも暴走しています。寝つきが悪いので、寝る前にいろんなことを考えます。私は50歳になったら仕事を辞めたいのですが、辞めた後のことを考えるのは割と好きです。かねてから夢見ている移動本屋もいいし、田舎に家を買って、庭にトレーラーハウスを置いて、Airbnbで旅行客に貸したりしても面白そうだなあ。ここからいろいろ夢が膨らんでいくのですが、知らない人が使ったトイレを掃除するの嫌だなあと思ったとたん急に冷めてこの妄想は幕を

          我に返るスキマを埋めろ-『Chatter』をちょっと読んで-