見出し画像

現代文の教員になってよかった

現在末子の育児休業を頂いている最中で、来年度4月1日に復職する。
ぼちぼち「極める現代文」を解いている。普通に間違える。ひーん。

働いているときは、時間に追われて問題を解いていたので、ほんと作業みたいだった。でも今、当然受験も関係なく、お迎え時間までにタイムトライアルみたいに雑務を消化していく環境でもない、フラットな状態で、いい問題を集めた問題集を解いてると、いつもよりずっと丁寧にテクストを読む贅沢な時間になる。一通り読んでざっと理解したつもりになっていることを、立ち止まってひとつずつ、こうだよね、ああだよねって、やはり若者たちにはここを砕いてあげたほうがいいんですね、と、テクストを介して、出題者と対話している。このプロセスを経て、子どもたちは、社会を構成するいろんな枠組みをちょびっと血肉に変えていくのね、と、いまさらちょっと感動した。

問われていることに答える過程で、テクストへの理解を深めていく。正しく答えるためには、正しくテクストを読む必要がある。わざわざ問題になってるから、丁寧に読むっていうのもありまして。だからこそ、まあ現代文で扱う教材、読めなくったって生きていくのに困りはしないんだけど、読めると、ちょっと楽しいよね、ってスタンスは変わらず。復職が少し楽しみになる。

学校なんか大嫌いだったから、まさか学校の先生になるなんて思ってもみなかった。小説家になりたかったけど、自分のしんどさ、足りなさを、すごさに一発逆転できるカードみたいに思ってた、って、3人目の子ども産んでから気づいた。もちろん小説は書きたい。でも冬休み入るまでは無理だな。保育園の宿題が多すぎる。でも、アリステア・マクラウドみたいに、長期休業中に小説書くスタイルを、これから作っていきたいと思ってる。楽しみだな、いろんなことが。おい過去の私、別に特別じゃなくても変でも弱くても楽しく生きていけるんだぜ。学校の先生になってよかったね。もちろん大変なこともあるけど、大好きな本を読んで、本の話して、心の綺麗な子どもたちとワイワイ毎日過ごせるんだもん(復職したあとに果たして同じことを言っていられるだろうか...😊)

教員になるつもりなんてなかったから、普通に就活してた。内定くれた京都の会社の副社長に、就活は、自分さえ楽できたら、いい条件で働けたらって思ってる人が多くてうんざりした、高等教育受けた人間が自分のことしか考えてなかったらいま困ってる人はずっと困ったままだ、と言ったら、あなたがそれ本当に変えたいと思うなら教員になったほうがいいでしょうねえ。教育実習終わるまで待っててあげるよ、と言ってくれた。

教育実習で人生変わった。子どもは、ちょっと見つめたらじっと見つめ返してくれて、あげたものなんかよりはるかに大きなものをくれる。副社長には感謝してもしきれない。

あと完全に余談だけど、地味に研究費で本買えるのが嬉しい。大体使い切ったことに気づかず最後のほう予期せぬ自腹になっててなぬ!となること多いけど。もちろん趣味の本は自腹で買ってるけど。代官山の蔦屋で本の背表紙嘗め回す時間。復職したらまた行こう。あそこで、ミン・ジン・リーの「パチンコ」をジャケ買いしたんだ。本好きさん、ぜひ教員を仕事の選択肢に入れてください。人気ないのは分かってるけど、私はいい仕事だと思ってます。

いいなと思ったら応援しよう!