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たぶん繊細な私のおおらかな友達

昼から友達の家に遊びに行く。夕方、友達の旦那さんが帰ってくる。おいしい焼きそばとお好み焼きを作ってもらって、一緒に食べる。こどもを風呂に入れてもらう。

2人ともめっちゃ面白い。めっちゃ笑う。そしてめっちゃ優しい。子どもを可愛がる。でも叱るとこでは叱る。人のこと悪く言わない。夫婦喧嘩もしないんだって。なんというか全てにおいて、さっぱりしてる。友達は、腹立つこといっぱいあるけどな!と言ってやっぱり笑っている。

帰りの車、運転を始めると、自分の言動が場にふさわしかったか全自動で点検が始まる。イッツオートマーティック。点検の過程で脳みそがガタガタになる。自分の意思で止めることはできないからしばらくそのままにしておく。息子たちへの返事がおざなりになる。

家に帰る。子どもたちをテキトーに寝かしつけたら、ビールをのむ。ブランデーが入ったチョコをいっぱい食べる。活字を流し込む。そうしてガタガタになった脳みそをなめらかにする。

夫は今日保育園関係の集まりがあって家にいない。早く帰ってきてくれよー頭洗ってくれよーと他者依存的にガタガタの脳みそを落ち着かせようとする。こういうときは頭が騒いで眠れない。かといって何も手につかない。宙ぶらりんな時間。それでnote書いてみる。

保育園の懇談会とかはしんどい。そこにいる人みんないい人でも。相手にする数が多すぎる。椅子が近すぎる。話が長すぎる。考量すべきことが多岐に渡りすぎる多すぎる。私の脳みその手に負えなくなる。
いい人ばかり集まっていても、場が楽しくても、私の脳みそはガタガタになる。そして復旧作業に少し時間がかかる。

なんで人に会うのが苦手なのか、一人になったとたん、高速で独り言をぶつぶつ言ってしまうのか、理由がわかってから楽になった。対策が立てられる。

集まりにはコーヒーを持ってく。ソワソワし始めたら飲む。好きなコーヒーの香りを刺激として入力すると、その場でじっとして自分の行動を制限されるという苦行から意識がそれる。結果脳のダメージ少なくなる。
終わった後車に乗ったらすぐチョコ食べる。好きな音楽かけて歌う。ブルーノ・マーズの元気なやつがいい。ランナウェイ・ベイビーとか、アップタウン・ファンクとか。
言動の点検は止められないけど、問題はなかった、という結論を先に用意しておいてあげる。そうすると問題を探す点検じゃなくて、問題がなかったことの確認になる。
そうすると、高速ブツブツがなくなる。

友達はダイビングが好きで、夕食の席でこんな話をしてくれた。
沖縄で初めてダイビングしたとき、船の影が海底に落ちるほど透明な青い世界で、自分が酸素ボンベひとつに生かされてることに感動したらしい。

私たちはいつも危ういバランスの上に生かされてる。だけど目の前のいろんなことに気を取られてそのことを意識しない。庭のジューンベリーの木にたくさん毛虫がついちゃったこととか、子どもの寝る時間が遅くなったこととか、確定申告のこととか選挙のこととか保育園の申請のこととか、その他諸々の大事なんだけど降って積もる事務的なこと、あるいはあらゆる時間泥棒のこととか。

そんなものとは無縁の、海の中、キラキラした光と自分の呼吸音。あらゆるノイズを排除した世界で、自分が生かされてるってことに気づくって、すごい体験だなと思った。

私もダイビングしてみたいなー。もうちょっと子どもが大きくなったら友達誘うんだ。一緒に行こうって。

会う回数を重ねると、脳みそのガタつきは小さくなる。今までは、人と会うのがしんどかったし、これからも一人でいるほうが楽は楽だと思う。
でもこんな面白い話をしてくれる友達、私が経験したことないことをいっぱい経験してる友達、私にはないおおらかさのある友達、と会わないなんて勿体無い、たしょう脳みそがガタガタするくらいなんだよ、と思うようになった。脳みその復旧作業に時間がかかるから、死ぬまで、たぶん、友達をたくさん持てないと思う。でも、この人だ!と思った人は、絶対大事にしたいと思う。それが私が今日会った友達。


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