灰色猫

日々の生活の中で気づいたことをまとめていきます。 守備範囲は、各種芸術(美術、落語、その他)など。 社会課題の解決などにも関心があります。

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日々の生活の中で気づいたことをまとめていきます。 守備範囲は、各種芸術(美術、落語、その他)など。 社会課題の解決などにも関心があります。

最近の記事

桂米團治「質屋芝居」

NHK「日本の芸能」にて桂米團治さんの「質屋芝居」を聴く。 久々な人は私の髪が白くなって・・と自分でも述べていたとおり いつの間にか頭髪は白くなり、マクラで語るには65才になって 介護保険証が送られてきた、とのこと。 若い頃から白髪だったので、ずっと染めてはいたのが 染めなくなって随分楽になり、また落語も肩の力が抜けてきたという。 偉大な父をもった悲哀やら今日のネタの歌舞伎にちなんで 若い頃に、猿翁さん(当時の猿之助さん)の舞台に出たときの 気持ちよさやら失敗談を楽しそう

    • 大阪 万博記念公園         「太陽の塔」内部見学

      大阪に展覧会を見に行くついでに さて、京都に寄ろうか、紅葉にはまだ早そうだし ギャラリーや美術館で何か面白い物はないかと迷ううちに、 うっかり往復大阪までの新幹線を予約してしまう。 では大阪のみで、とあらためてガイドブックをパラパラ眺めていて そうだ、太陽の塔の内部が修復されて公開していると思いだす。 前回の万博当時はまだ小学校の低学年だった。 親に連れられて見に行った人も多かったろうが、私は未見である。 来年に迫った大阪万博は今ひとつ噂が聞こえてこないが この作品には興味

      • 塩田千春展「つながる私」

        大阪に新しくできた中之島美術館で塩田さんの個展がある というので、暑さも収まったあたりで大阪まで出かける。 朝、7時過ぎの新横浜発のぞみに乗り、大阪・福島駅から歩いて10分ほど。 美術館エントランス前にはゆったりとした空地があり、 オレンジ色の猫の大型の立体作品が出迎えてくれる。 平日の、しかも開館前にもかかわらず、人が並び始めている。 SNS映えするインスタレーションなので、現代美術にしては人気がある。 とはいえ、それだけではない本質的なものを感じさせる何かがあるのが

        • 仁左衛門&玉三郎          錦秋十月大歌舞伎 夜の部「婦系図」

          歌舞伎ファンなら注目の2枚看板、 というよりゴールデンカップルの仁左&玉のペア。 泉鏡花「婦系図」ってどんな話だったかな、と思いつつ。 何か際立った演目の時しかいかない 真性でない歌舞伎ファンとしても、気になっていた。 チケットは早々に1等席を残し完売。 迷っているうちにそれも完売し、もう少しで楽日、 という頃にあわてて幕見の前日発売のチケットを購入。 いつからか、幕見のチケットの正面席は指定になり 前日発売になっており。 その昔、まだ孝夫だった頃のこの2人での「牡丹灯籠」

          桂文珍「雁風呂」

          前回に引き続き、「日本の話芸」にて。 この聞き慣れない風習は、青森あたりのものだという。 冬になって北国から渡ってくる雁は、長い旅の間に、波間に小枝を浮かべて つかの間の休息をとるという。 その小枝を、無事にたどり着いた海岸に落としてゆくが 冬が終わってまたその枝を咥えて北国へと帰って行く。 だが、いくらかはこの地で冬を越せずに死んでしまう鳥もいて その鳥の小枝はそのまま浜に残る。 それを哀れに思う人々が、枝を集めて風呂を焚き 供養したという風習のことなのだという。 水戸黄

          桂文珍「雁風呂」

          五街道雲助『つづら』

          久々に雲助さんを聞く。NHKの地上波の番組にて。 珍しい噺のようで、他にはやり手がないという。 あまり心持ちのいい噺ではない、というこの小品を、 わざわざ選んで掛けるのは・・と調べてみると めったにやらない秘蔵噺、とのこと。 はなしの筋は簡単だ。 博打の借金で首が回らず、どこからも借金を断られている左官の由蔵。 成田のおじさんのところに借金の依頼に行くので 2,3日留守にするとでかけるが、すぐ近くで知り合いのおばさんに 呼び止められて、女房に間男がいると告げられる。 現場を

          五街道雲助『つづら』

          日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション

          MOT(東京都現代美術館)で、高橋龍太郎コレクション展を見てくる。 現代美術の世界では名の知れたコレクター。 その質量を今回目の当たりにして、さすがMOTでコレクション展を やるだけはある、と思った。 MOTは都立の美術館ではあるが、日本の自治体としては桁外れの 都の予算規模を反映してか、かなりの規模の展覧会が多い。 今回は全館規模ではなく展示室の一部を利用している。 このコレクターは評価の定まりきらない現代美術をこれだけ継続して その時々に現れる作家の作品を果敢に収集して

          日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション

          辻村深月『傲慢と善良』

          この本が映画化され、もうじき公開らしいというのは 読み終わったあとに作品をネットで調べていて知った。 作中で触れられている通り この小説はジェイン・オースチンの『高邁と偏見』を 下敷きにしていると思われる。 18世紀末から19世紀初めのイギリスの田舎、 そこでの女性の結婚事情を背景に、身分の違う男女の 偏見に基づくすれ違いの恋愛模様を描いた作品ということらしく。 本作でも、東京またはその近郊に生まれ育った人からすると 今の時代にまだそんなことが、という地方での若い女性の息

          辻村深月『傲慢と善良』

          森見登美彦「シャーロックホームズの凱旋」

          森見登美彦は好きな作家の一人だが どうやら長くスランプだったという。 自らのスランプをシャーロックホームズのシリーズが中断したあと再開したように、彼がスランプだったという話に置き換えて、 森見自身が復活を遂げた、という体裁なのがこの作品らしい。 舞台は、京都。 時は、ビクトリア女王の時代。 シャーロックホームズの物語を、森見ワールドの京都の町に移し替えた というところだが、 作中でワトソンは不調のホームズを有馬温泉に湯治につれていき 青竹踏み健康法を勧め、と違和感なく2つの

          森見登美彦「シャーロックホームズの凱旋」

          街とその不確かな壁

          村上春樹は、かつて好きな作家だった。 それが『神の子どもたちはみな踊る』や (ノンフィクションだが)『アンダーグラウンド』のあとくらいから、 どうも好きではなくなっていて ただ、好きな作家ではなくなった、といえる程度には読んでいる という中途半端な位置づけ。 『騎士団長殺し』が久々に面白かったので 新刊が出るならまた読もうかと思っていた。 春樹作品で最も好きな『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の ”世界の終り”のほうの物語の元になったものを書き直した ということ

          街とその不確かな壁

          小川哲『君のゲーム』

          友人から面白いよ、といわれて少しだけ違和感があった。 いままで勧められた本に外れはないのだが、「面白い」ってなによ、と。 その語彙、何も表現していない。 目にしたらあまりに薄い。 『地図と拳』の厚さからして、またレンガ本(レンガほどの厚さの本)かと 思っていたものだから、これは1時間コースと思い定めて読む。 面白い。 いやそんな表現はどうかと思うが、この言葉が一番的確だとわかる。 タイトルもこれ以外にないくらいはまっている。 こういう本は(すぐ読める厚さでもあるし)、面白

          小川哲『君のゲーム』

          図書館という場所

          図書館に通い始めたのは大学生になった頃だった。 普通は受験勉強などで地元の図書館などに通うのだろうが 文字通り入り浸る、足しげく通うということはなかったと思う。 入学した大学は、校歌に「原野をひらき」と大げさな歌詞のあるとおり 広大なキャンパスに3つの図書館を持っていた。 ひとつは医学の専門図書館だったのであまり訪れることはなかったが あとの2つは、隅々まで探訪し、それぞれにお気に入りの場所を見つけ 夜10時まで開館していたこともあってよく訪れた。 それぞれの図書館は、特徴

          図書館という場所

          女性初の抜擢真打ちと女性目線の落語

          抜擢真打ちとは、自分より芸歴の長い先輩を追い越して先に真打ちになることを指す。 何人抜いたか、で期待度が知れるものらしく、本人の重圧もそれとして 話題になることもあるようだ。 その抜擢真打ちかつ女性落語家では初、という枕詞がつき さらには古典落語の「芝浜」では、あまり語られないおかみさんの心情を 入れ込んで話題、ということで、林家つる子さんを一度聞いてみたい と思っていた。 地元でつる子さんの講演会があるというので出かける。 主催は女性参画推進センター。はあ、なるほどと思う

          女性初の抜擢真打ちと女性目線の落語

          帰ってきた橋本治展

          神奈川近代文学館の橋本治展にいく。 元町中華街駅の、元町方面改札からでてエスカレーターで延々登ってゆき かなりの高さになって外に出ると港の見える丘公園まではあと少し。 長く急な階段を登らなくてすむため、楽をしているなあと思いながら ついこのルートをたどる。 外に出ると、そこはアメリカ山公園で、 こちらも見晴らしのよい気持ちのよい庭園。 そこをでて外人墓地脇を抜けると、港の見える丘公園の イングリッシュガーデンがあり、ちょうどバラの季節でもあり、 大変な賑わいとなっていた。 そ

          帰ってきた橋本治展

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          JAXA講演会場にて

          JAXA講演会場にて

          番外編:JAXA講演会場でSORA-Qを見てくる

          今回はいつもと違うテーマ。番外編と言うことで。 地元でJAXA講演会があり、でかける。 春先に、SLIMという小型月着陸実証機(正確に名付けたのだろうが・・小型月着陸機でいい気がする)の月面着陸成功にあわせたイベントにもいったので、内容は多少かぶるかな、と思いながらも参加。 結論からするといってよかった。 会場では、小型探査機(野球ボールくらいの大きさの球体で、探査の際は真ん中が割れて展開し両サイドが車輪なるもの)SORA-Qの簡易ヴァージョンが操作できるブースがあり、実物

          番外編:JAXA講演会場でSORA-Qを見てくる