クリスマス島の塩(素材のちから第2号より) ※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら クリスマス島撮影/福田幸広 海中撮影/株式会社シーカム 新田末広 あまりにも美しい島 どこまでも透明なキリバスの海。この、手つかずの自然から生まれる真っ白な塩は、キリバス国民の誇りとなっています。 ハワイの南沖約2,000キロメートル、太平洋のど真ん中に目の覚めるほど美しい島があります。 その名は、キリバス共和国・クリスマス島。 そこで生まれた「クリスマス島の塩」
文/長尾謙一 クリスマス島の塩(素材のちから創刊号より) ※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら 「クリスマス島の塩」のパッケージにサンタクロースがデザインされている。まったく別の目的で偶然に訪れたクリスマス島で、輝く塩の結晶を見つけ、その塩を愛し、塩田を再生した。さらに、物のない孤島で強い太陽の光と闘いながら、幾多の困難を乗り越えてこの島の宝物を守り続けた人たちがいた。クリスマス島の島民にとって、彼らはまさに、サンタクロースだった。 日本人が現地で
文・パッケージ撮影/長尾謙一 クリスマス島の塩(素材のちから創刊号より) ※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら 美しい環境が生む、類まれなる美味。 「クリスマス島の塩」を形容するならば、この言葉がふさわしい。 食材の味わいを邪魔することなく、旨みを引き出し、皿の完成度までをも引き上げる実力を持つ塩。 自然の芸術品ともいえる、この塩の生まれ故郷をご紹介する。 世界で一番早く、新しい朝を迎える場所 クリスマス島という名前はそれほど知られていないかもし
ミネラル分が高い塩からは、海を感じる。塩に香りは無いはずだが、味わってみると塩の風味が出てくるようだ。海に行った時の潮の香りを思い出してしまう。料理人は素材のおいしさにはかなわない。そう素直に思わせてくれるのも、良い塩のちからだ。 文・撮影/長尾謙一 クリスマス島の塩(素材のちから第18号より) ※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら 生産農家の顔が見える料理をつくりたい 〝北海道産ホワイトアスパラの塩釜焼き〟には、北海道の勇払郡安平町追分本町の農家
素材の旨みを〝塩〟だけできわだたせる 素材の美味しさに隠れてこの塩は存在する。 塩味が出しゃばらず、むしろ甘さを感じる。素材の持ち味をいかすためには、できるだけ味を加えないことだという。この塩は自らの味を主張するのではなく、味を引き立てる塩だ。 文・撮影/長尾謙一 クリスマス島の塩(素材のちから第10号より) ※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら この塩はどこにいるかわからない、素材に馴染み引き立てるからだ。店主 村田 明彦 さん リーズナブ
味付けのために日本料理には醤油がある、味噌もある。醤油も味噌も発酵食品で、加えるだけで旨みが加わる。しかし、フランス料理には塩しかない。塩を使って素材の旨みを引き出して組み立てて行くのだ。「クリスマス島の塩」はもちろん発酵食品ではないが旨みと甘みを持つ。素材の旨みを素直に出せるようにそのちからを発揮する。「クリスマス島の塩」を使いこなし正面から素材と向かい合いたい。 文/長尾謙一 撮影/加藤麻希 クリスマス島の塩(素材のちから第14号より) ※「素材のちから」本誌をP
この塩には〝香り〟がある。何も手を加えない自然な海の塩だ。塩味からは甘みさえ感じる。きっと菓子で使う、卵、粉、バター、砂糖など素材の可能性を引き出してくれるにちがいない。そして、自分が表現したい菓子づくりの手伝いをしてくれるはずだ。この塩を最初になめて、そう思った。 文・撮影/長尾謙一 クリスマス島の塩(素材のちから第21号より) ※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら 菓子のおいしさの基本を思い出す 時代の流れだろうか、意外性や見栄えなど造形的な要
良い食材を使うだけでは料理は完成しない。一品一品、素材を深く掘り下げ、素材の持つ物語を追いかけた料理を皿の上に表現する。〝一期一味〟、この塩は〝忘れられない味をつくれ〟といつも私に挑戦してきます。 文・撮影/長尾謙一 クリスマス島の塩(素材のちから第24号より) ※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら 「クリスマス島の塩」は、ひとつひとつの素材に向き合えと教えてくれる エスカルゴは三重県のエスカルゴ牧場で育ったルコルム種。土の匂いがする。牧場の腐葉土
文・撮影/長尾謙一 クリスマス島の塩(素材のちから第26号より) ※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら 塩には2つの種類があるのではないだろうか。塩味で素材の風味を引き出す塩と、素材に塩味を加えるだけの塩だ。素材にとって〝心地良い塩〟を使うと、そのおいしさは前に出てその存在を主張するが、塩味を加えるだけの塩は塩味の加減を取るだけで、その量を誤ると〝痛い塩〟になる。 心がけることは、料理に季節感と素材感を出すことです。料理長 原島 忠士 さん 素材
文・撮影/長尾謙一 クリスマス島の塩(素材のちから第28号より) ※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら 適した量、適したタイミング。〝ちょうどいい〟をよく知っておくことは、 お客様へのおもてなしにとっても、料理の味付けや組み立てにとっても大切なことだ。素材のよさをやさしく引き出すこの塩は、料理人の思う〝ちょうどいい〟にしっかりとこたえてくれる。 塩は、日本料理の旨みを引き出す、すべての根幹です。店主 中嶋 貞治 さん お客様や素材をよく見ることか
文・撮影/長尾謙一 クリスマス島の塩(素材のちから第27号より) ※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら 塩の〝透明感〟とは何だろう。雑味のない、すっと体にしみるような味のことだろうか。塩味の強さを塩の角と表現するならば、その角すら感じない。だから、風と光がつくる塩は素材の味をダイレクトに引き出す。振り返ってみれば、この塩の生まれは青く透き通った海だ。〝透明感〟のある塩とは、海のちからがそのまま凝縮された塩なのかもしれない。 塩の攻め方には〝潜ませる
どれほどの手間と時間をかけたのだろう。 牛テールへの確かな火入れとコクのある赤ワインソースが絶妙だ。 本当においしいものをつくろうという強い気持ちがグンと伝わってくる印象的な料理だ。 文・撮影/長尾謙一 クリスマス島の塩(素材のちから第45号より) ※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら 正統派フレンチを支える塩 奇をてらった料理はつくらない、食べられない素材は皿の上に置かない。 「綺麗」より「おいしい」を優先し、常に料理は変化球なしの直球勝負。 流
塩が素材に綺麗にあたっているか、全神経を目と指先に集中して塩をふる。鮨にとって塩は一番重要で一番微妙な調味料だ。ふり方とスピードで旨みの出方に大きな差が生まれる。「クリスマス島の塩」の角のない塩味は、いつも最高の答えを出してくれる。 文・撮影/長尾謙一 クリスマス島の塩(素材のちから第44号より) ※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら 素材を見抜き、手間をかけて素材をいかす 素材に向き合い、どう仕事をしていくかを決める瞬間はいつも緊張する。魚の状態
文・撮影/長尾謙一 クリスマス島の塩(素材のちから第43号より) ※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら この生地をどれだけ捏ねただろう。この菓子をどれほど焼いただろう。 思い出せないほど数をこなし、配合も手順も焼き上がりも体が覚えている。 やがてその繰り返しの中から研ぎ澄まされた感覚と技術を手に入れる。 彼は〝職人〟と呼ばれる。そして〝職人〟は「クリスマス島の塩」を選び彼にしかできない菓子をつくり続ける。 これほど塩を大切にするパティシエはなかなか
文・撮影/長尾謙一 クリスマス島の塩(素材のちから第42号より) ※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら 「クリスマス島の塩」を肉にふると、肉の旨みが反発して旨みを増すという。その旨みの濃厚感は〝ガツン〟と表現されるほど衝撃的だ。 肉の香りと濃厚感を引き出す強い塩 旨みのある塩と、旨みのない塩では肉の旨みの反発が違う。品質の高い肉になればなるほどその差がよく分かるという。反発のない塩はただ塩辛く、ガツンと強く反発する塩は濃厚な旨みがしっかりと肉に現れ
文・撮影/長尾謙一 クリスマス島の塩(素材のちから第30号より) ※「素材のちから」本誌をPDFでご覧になりたい方はこちら この豚はどんな土地で、どんな人に育てられたのだろう。自然の中を駆け回ったり、夜はぐっすり眠ったりしたのだろうか。素材のことを知れば知るほど、調理が変わり、料理の仕上がりも変わるはずだ。素材を深く「知る」ことで、そのポテンシャルを最大限に引き出す塩のふり方が見えてくる。 人とのつながりで手に入れた素材だから、大切に塩をふる。オーナーシェフ 有馬 邦