キリバス大統領からのメッセージ
クリスマス島の塩(素材のちから第2号より)
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クリスマス島撮影/福田幸広
海中撮影/株式会社シーカム 新田末広
あまりにも美しい島
どこまでも透明なキリバスの海。この、手つかずの自然から生まれる真っ白な塩は、キリバス国民の誇りとなっています。
ハワイの南沖約2,000キロメートル、太平洋のど真ん中に目の覚めるほど美しい島があります。
その名は、キリバス共和国・クリスマス島。
そこで生まれた「クリスマス島の塩」は主に日本に輸出され、「ピュアでまるみのある、やさしい塩味」と評判になっています。
今回、キリバスの大統領より、日本の人々にメッセージをいただきました。
遠くて近い国──親愛なる日本の皆様へ
日本の皆様、こんにちは。私たちキリバス国民は、日本の皆様と友好的な関係にあることを大変誇りに思っています。
キリバスと日本は、遠いようで大変近い存在です。1979年の独立以来、キリバスと日本は非常に重要な開発パートナーとなっています。
例えば、キリバスには国営の「日本の漁船乗組員養成学校」が開設されています。そこで研修を経たキリバスの若者は、日本のカツオ漁船で働き、その進んだ漁業技術を習得しようと頑張っています。
そして、国内では沢山の日本の中古車が走り、親しまれています。また、港や橋の建設などにも協力をいただきました。キリバス国民は、日本の方々に深い親愛の情を持っております。
手つかずの自然が育んだ「クリスマス島の塩」
「サモアに住む創造の神ナレアウが〝創造の木の花〟を摘み、それを北に投げると、その花びらからベル、タビテウエア、タラワの島々が生まれた。」
そんな創造記を持つ国がキリバスです。まさに花びらのように、点々と散った珊瑚礁の島々には、手つかずの自然が広がっています。
なかでも海は、他に比類を見ないほど美しく透明です。島々の近くでペルー海流と南赤道海流という2大海流が融合し、良質のプランクトンを育むため、驚くほどたくさんの魚が泳ぎ回っています。そのため、魚を主食とする海鳥たちもまた多く集います。
キリバス共和国の国鳥、グンカンドリをはじめ、アジサシ、カツオドリなどが大量に生息し、その数600万羽とも言われています。まさに鳥と魚の楽園です。
そんな生命力溢れる美しい海からつくられる「クリスマス島の塩」は、まさに自然の恵み、神の贈り物です。しかし、この素晴らしい塩は品質は優れていても海外への販売のルートがなく、塩田は長いこと閉鎖されていました。
これらを復活させ、蘇らせてくれたのもまた、日本の方々でした。塩はキリバスと日本というふたつの国を結んでくれました。
喜ばしいことに、私たちキリバス人の誇りである「クリスマス島の塩」は、日本の市場に受け入れられ、その品質を高く評価していただいてると聞いています。
キリバス・スマイル
もし、キリバスに来ることがあったら、是非、「マウリ!」と人々に笑顔で声をかけてみてください。すると「マウリ!」と最高の笑顔で応えてくれるはずです。
「マウリ!」とはキリバス語で「こんにちは」の意味です。キリバス人は伝統的に争いは好まず、富める者は貧しい者に分け与えるという文化をもっています。キリバスの本当の宝は、豊かな自然に育まれた「人々の明るい笑顔」です。
「クリスマス島の塩」も、遠く何千キロメートルも離れた日本の皆様の食卓で、家族の明るい笑顔と共にあってくれれば、嬉しく思います。
●「クリスマス島の塩」で楽しむピスタチオのアイスクリーム
最後になりましたが、日本とキリバスの関係発展に尽力された全ての関係者の皆様に感謝いたします。ありがとう。
キリバス共和国大統領
アノテ・トン
(2011年3月31日発行「素材のちから」第2号掲載記事)
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