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本棚本ラジオ

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【本棚にある本を片っ端から紹介するラジオ】はじまります! 略して「本棚本ラジオ」 noteで連載中の「本棚にある本を片っ端から紹介する」のラジオ版です。 あなたのほんのちょっと…
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#ファンタジー

【本棚本ラジオ第64回】ファンタジーの生物論

【本棚本ラジオ第64回】ファンタジーの生物論

*今回の本*
荻原規子著『グリフィンとお茶を ファンタジーに見る動物たち』(徳間書店、2015年)
(本棚本Season1 No.42)

*生物論入門*
タイトルから、ほわっとした読書エッセイを連想すると、いい意味で裏切られるのがこの本。
「物語における生物」という学問的な切り口の入り口になるのが、この本だと思います。
好き!楽しい!!
という気持ちから、
なんで?
という問いを立てて研究を進め

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【本棚本ラジオ第62回】スレイヤーズの正義について語らせてくれ

【本棚本ラジオ第62回】スレイヤーズの正義について語らせてくれ

*今回の本*
神坂一著『死霊都市の王』(富士見書房、2008年)
(本棚本Season2 No.35)

*大切なもののために、世界の敵になれるのか*
語り出したらとまらない、「スレイヤーズ」シリーズの本編第一部のラストにあたる8巻なので、前半ただのオタクの叫びです。
本書の内容については、だいたい半分くらいから後を聞いてもらえれば大丈夫です。
スレイヤーズのテーマ(私調べ)である「人は大切なもも

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【本棚本ラジオ第58回】主人公としてのホビットたち

【本棚本ラジオ第58回】主人公としてのホビットたち

*今回の本*
J.R.R.トールキン著、瀬田貞二・田中明子訳『指輪物語 王の帰還(下)』(評論社、2002年)
(本棚本Season1 No.87)

*主人公としてのホビットたち*
すみません、前半半分は今度行くスペイン巡礼の話をしています。
本の話は後半になります。
さて、『指輪物語』最終巻ですが、これまでずっと一緒に旅をしてきたホビット4人の、「物語における役割」が非常に興味深いのがこの最終

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【本棚本ラジオ第54回】原点回帰!スレイヤーズ!

【本棚本ラジオ第54回】原点回帰!スレイヤーズ!

*今回の本*
神坂一著『スレイヤーズ!』(角川書房、2008年)
(本棚本Season1 No.13)

*人生のシリーズ*
もうここまで来るとね、わたしは一生このシリーズを愛します。えぇ。
アニメから入ったスレイヤーズ、ライトノベルの金字塔。
何度読んでも考察が捗る捗る。
単純にエンタメとしての完成度が高い上に、けっこうシリアスな話だったりもする。
そんなスレイヤーズと、最強の主人公、リナ=イン

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【本棚本ラジオ第52回】成長痛にしては痛すぎるよ「月の影」の上巻

【本棚本ラジオ第52回】成長痛にしては痛すぎるよ「月の影」の上巻

*今回の本*
小野不由美著『月の影 影の海(上)』(新潮社、2011年)
(本棚本Season1 No.19)

*生まれ変わるための痛み*
今こうやってタイトルをつけていて、「そうかこれは壮絶な成長痛だったのか」と思いました。
いや、それにしたって痛みがエグすぎるよ。
己との対峙でここまでの痛みとドス黒さを見せつけられたら、もう這い上がるしかないね。
はやく楽俊きて。

*このラジオは*
「本棚

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【本棚本ラジオ第49回】指輪物語のよさを語ろうとしたのに何も言えない

【本棚本ラジオ第49回】指輪物語のよさを語ろうとしたのに何も言えない

*今回の本*
J.R.R.トールキン著、瀬田貞二、田中明子訳『指輪物語 旅の仲間(上)』(評論社、1992年)
(本棚本Season1 No.24)

*ハイ・ファンタジーのトップ*
といえば『指輪物語』なんですが、全然語れなくてびっくりしました。
大好きな物語なのに。
多分、1冊ごとじゃなくてテーマごとで話したほうがいいやつです、これ。
(今回、途中でピンマイクの調子がおかしくて、音が少しブレま

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【本棚本ラジオ第43回】アリスとナンセンスと時代性

【本棚本ラジオ第43回】アリスとナンセンスと時代性

*今回の本*
ルイス・キャロル作、脇明子訳『不思議の国のアリス』(岩波書店、2000年)
(本棚本Season1 No.6)

*ナンセンスと時代性*
またしても難しい本がでてきてしまいました。
今回はナンセンスの話と、時代性の話を後半でしているのですが、時代性についてはもっと掘り下げたいなぁなどと思います。
アリス、おもしろいけど難しいですよね。

*このラジオは*
「本棚本にある本を片っ端から

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【本棚本ラジオ第42回】カスピアン王子と翻訳話

【本棚本ラジオ第42回】カスピアン王子と翻訳話

*今回の本*
C.S.ルイス作、瀬田貞二訳『カスピアン王子のつのぶえ』(岩波書店、1996年)
(本棚本Season1 No.66)

*翻訳って大事だと思うんですよって話*
いくつか翻訳が出ている本を選ぶとき、どうするか。
という話なんですが、安定の瀬田信者による瀬田推しの話でもあります。
でもだいぶ冷静です。
冷静すぎて、本来すべき物語の内容についてはぺらっぺらになりました。

*このラジオは

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*今回の本*
J.R.R.トールキン著、瀬田貞二・田中明子訳 『指輪物語 王の帰還(上)』(評論社、2002)
(本棚本 Season1 No.81)

*トールキンと瀬田訳が好きだ*
語り出したら止まらなすぎて自分でも引きました。
「王の帰還」最高ですよね、騎馬戦熱いですよね!
って話と、
やっぱり瀬田訳はいいぞ!!!
って話と、
あれ、これって古英語と繋がってない?
っていう話です。
話すこと

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【本棚本ラジオ第18回】瀬田訳、騎馬戦、神話の世界 〜大好きしかない指輪物語〜

【本棚本ラジオ第18回】瀬田訳、騎馬戦、神話の世界 〜大好きしかない指輪物語〜

*今回の本*
J.R.R.トールキン著、瀬田貞二・田中明子訳 『指輪物語 王の帰還(上)』(評論社、2002)
(本棚本 Season1 No.81)

*トールキンと瀬田訳が好きだ*
語り出したら止まらなすぎて自分でも引きました。
「王の帰還」最高ですよね、騎馬戦熱いですよね!
って話と、
やっぱり瀬田訳はいいぞ!!!
って話と、
あれ、これって古英語と繋がってない?
っていう話です。
話すこと

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*今回の本*
香月美夜著『本好きの下剋上 司書になるには手段を選んでいられません 第一部 兵士の娘1』(TOブックス、2015)
(本棚本 Season2 No.1)

*「好きだ」ということにパワーが生まれる*
完結目前、大人気ビブリアファンタジーの第1巻です。
わたしこの本好きすぎでですね、どうして好きなのかよくわからないけどひたすら好きなんですよ。
なので「好きだー!」ということだけ喋ってま

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【本棚本ラジオ第17回】本好きのよさについてひたすら語る

【本棚本ラジオ第17回】本好きのよさについてひたすら語る

*今回の本*
香月美夜著『本好きの下剋上 司書になるには手段を選んでいられません 第一部 兵士の娘1』(TOブックス、2015)
(本棚本 Season2 No.1)

*「好きだ」ということにパワーが生まれる*
完結目前、大人気ビブリアファンタジーの第1巻です。
わたしこの本好きすぎでですね、どうして好きなのかよくわからないけどひたすら好きなんですよ。
なので「好きだー!」ということだけ喋ってま

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【本棚本ラジオ第8回】ハリポタと魔法の系譜

【本棚本ラジオ第8回】ハリポタと魔法の系譜

※はじめの10秒ほどノイズがあります。音量にご注意ください。※

*今回の本*
J.K.ローリング著、松岡祐子訳 『ハリー・ポッターと賢者の石』(静山社、1999年)
(noteの本棚本ナンバー: Season1 #31

*ハリポタの新しさと魔法について*
出版当時のハリポタの熱狂っぷりはすごかったな……
何が新しかったんだろうと思って色々語っていたら、ハリポタ自体の話は少なくなってしまいまし

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【本棚本ラジオ第4回】瀬田訳はいいぞ、のはなし

【本棚本ラジオ第4回】瀬田訳はいいぞ、のはなし

*今回の本*
C.S.ルイス著、瀬田貞二訳『カスピアン王子のつのぶえ』(岩波書店、1996)
(noteの本棚本ナンバー: Season1 #66

*物語を生かすも殺すも、翻訳次第
この訳でなかったら、わたしはきっと、この本をこれほど愛していなかったでしょう。
特に子どもの本は、ことばがとても大切だと思います。

*このラジオは*
「本棚本にある本を片っ端から紹介するラジオ」です。
noteで

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