#レビュー
「トランスジェンダーになりたい少女たち」レビュー
非常に読みやすい本である。
たくさんの事例が出て来るが、著者の主張は極めてシンプルだと思う。
著者は真正の「性的違和(#性同一性障害)」は否定していない。ただしそうした子供は2-4歳で自分の身体への違和を感じている。しかし昨今の「トランスジェンダー」になりたい少女たちは思春期に生じる第二次性徴・・・乳房が大きくなったり、生理が始まったり・・・への困惑と身体的不快(そしてそこに男性から性的な好奇
「こころの科学」特集号「心理臨床と政治」について
まず、#東畑開人 氏の緒論、「心と政治 ーーー善く生きることへのふたつのまなざし」だが、よくもまあここまでクレパーに日本の心理臨床史を巨視的に総括したという印象。
ただしロジャーズ 派については 単純化されすぎている嫌いもあると、インサイダーとしての私は感じる。
更に言えば、#下山晴彦 先生(私の先輩である)のお書きの部分、先生、公然たる #佐治守男 門下だと思うのだが、ロジャーズ的な「カウン
今野 元 (著)ドイツ・ナショナリズム-「普遍」対「固有」の二千年史 書評
トイトブルクの戦いからメルケル引退まで網羅しているにもかかわらず、もう、学習指導要領的ドイツ史観を見事に洗い直してしまって、最新の筆者の知見を紹介しているという、密度が高い本です。
そもそも従来の歴史用語(地名から党名まで)、全部みなおしてる。
エステルライヒ、シュヴァルツ、ベートホーフェンなんて序の口。
フランス革命なんて完全に相対化。
ローマ帝国(断じて「神聖」を頭につけない)は、ドイ
マックス・ウェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の超解説
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」(岩波文庫)の訳者の大塚久雄先生の詳しく長い解題を読んでみたのですが、わかりやすく、かなり流れが掴めた感じです。
利潤を否定する禁欲的ピューリタニズムのエートス(「倫理(ethics)」というより、社会が共有する「倫理的雰囲気」、というのに納得)が、利益追求のヨーロッパ型「近代」資本主義を生み出したという「逆説」的問題提起こそこのウエーバーの著作のキ