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【イラスト解説】1人でもできる腕吊り。三角巾の巻き方3つ
こんにちは。あなたの「好きな服を楽しく着たい」という気持ちを尊重する衣料ブランド、ケアウィルです。
ケガや病気になったときに、着たい服が着れなくなる「服の不自由」を解消するため、今までにない新しい価値を持つ製品とサービスを創造しています。
片麻痺や五十肩、肩痛、骨折、亜脱臼、腱板炎などの時に腕を吊って固定することがあります。三角巾を使うことが多いですが、一人暮らしや身支度を自分でしなければならない時にうまく吊るのは難しいものです。
そこで今回は、"中の人妹"ことおみーが一人で腕を吊って固定する方法3つとポイントをご紹介します。
骨折や片麻痺などで腕や肩を固定したい。でもその前に…
病気や症状・時期によって固定方法を変える必要があります。例えば、前腕骨折した場合は、肩・上腕は自由に動かせるため、腕をゆったりホールドできればよいでしょう。逆に片麻痺で患側(固定が必要な腕側)がぶらぶら動くと緊張状態になりこわばってしまう場合は、しっかりホールドする必要があります。
ご自身の症状に合わせた腕の吊り方を知る必要があります。
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今回はゆったりホールドの固定方法についてご紹介します。
自分で腕吊り①:三角巾を使う
三角巾の巻き方を検索すると、専門家が患者さんの三角巾をセットしながら解説するという動画や記事がたくさん出てきます。しかし、自分一人で巻く方法を解説する動画や記事はほとんどありません。
なんとか見つけた1本の動画がこちらです。
引用元:ストレッチ動画・健康/美容動画 みっけ!チャンネルさん
「肩、腕が疼く!!」四十肩・五十肩のための三角巾の作り方/広島市西区の整体「吉原綜合治療院」
こちらの動画で紹介されているの方法は、四十肩・五十肩の急性期向けのゆったりホールドとなっています。
【巻き方】
動画ではバスタオルを使用していますが、三角巾を利用する場合には、以下手順で行います。
①三角形の長辺の端を結んで輪っかをつくる
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②固定する腕の肘側に結んでいない角が来るように腕を通す
※動画では先に三角巾に首を通していますが、ケアウィルは理学療法士・作業療法士を含めたメンバーでの議論を行い、なるべく小さな動きで完結するために、可能であれば先に腕を通したほうが良いと考えています。
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③前の布が固定する側の肩に来るように三角巾をかぶる
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④固定する腕側の布を首から肩にかける
※動画では首からすとんと三角巾が折りていましたが、④によって首にかかる腕の重さが肩に分散され、疲れにくくなります。
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⑤肘側の角は余ったら縛っておく
可能であれば、肘側の角も縛っておくと、腕がずれるのを防止できます。
長さが合わない場合は、一度取り外して三角巾を結びなおして調整します。
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【外し方】
着る時の巻き戻しです。
【ポイント】
①縁取りのある三角巾を
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三角巾は切りっぱなしのものを選んでしまうと、ほつれやすく、すぐに交換が必要になってしまいます。長く使う場合は、縁取りのあるものを選ぶようにしましょう。
②結び目はずらす
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結び目が首にあたると擦れて痛くなることがあるため、首の真後ろからは少しずらすと良いです。擦れて痛い場合は、間にタオルなどを挟むと痛みが緩和されます。
③なるべく小さな動きで
着脱ともに気を付けることは、固定する腕を動かさないことはもちろん、反対側もなるべく小さな動きとすることです。大きな動作をすれば固定する腕にも響きますし、(どちらかというとしっかりホールドの話になりますが)片麻痺やそれに伴う亜脱臼の場合は、連合反応(健側(患側でない方)動作と同時に患側が異常に筋収縮してしまう反応)によって、しんどくなってしまうからです。
【三角巾の我慢所】
三角巾はシンプルな道具である分、我慢どころが多くあります。
①長さが合わない時の調整が面倒
②結び目が首にあたると擦れて痛くなることがある
③首に腕の重さがかかり、首が凝りやすい
④動いているうちに腕がずれることがある。
⑤見た目が痛々しくなってしまう(人によってはこれが必要な方もいらっしゃいますので一概に我慢所とは言えないですが)
三角巾を一人で結ぶのはなかなか難しいですが、ご紹介した手順やポイントを踏まえていただくことで、少しでも楽に着脱し過ごせることを願っております。
自分で腕吊り②:アームスリング・アームホルダーを使う
続いて2つ目の固定方法です。腕を固定するアームスリングというアイテムがあります。腕を包む袋にベルトがついたアイテムで、アームスリング・アームホルダーなどの名前で販売されています。
アームスリングを一人で装着する方法を解説した動画はこちらになります。
引用元:柔YAWARA【長野市の整体Zen繕】チャンネルさん
これを使ってる!?【腱板損傷・腱板断裂】初期のリハビリは安静最優先!
こちらの動画は腱板損傷・腱板断裂初期向けのゆったりとしっかりの間のホールドとなっています。
【装着方法】
①腕を袋に通す
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※動画では先にストラップをかぶりましたが、三角巾パートでも説明した通り、小さな動きで装着するために腕を先に袋に通す方が良いとケアウィルは考えています。
②ストラップをたすき掛けする
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※動画では前半は首掛けになっていますが、たすき掛けの製品も多いです。たすき掛けにすることにより、首への負担が減ることと、ホールド感がアップします。
【外し方】
着る時の巻き戻しです。
【製品のポイント】
①長さ調整
製品によっては、前側に長さ調整用のアジャスターがついていて、装着後に片手で長さ調整ができます。
②首への負担が減る
肩にたすき掛けすると、三角巾では首にかかっていた負担が少なくなります。
③親指フック
製品によっては、親指を通すフックがついていて、腕を置く位置が安定して腕がずれにくくなります。
④ポケット
製品によっては、ポケットもついていて、スマホなどの小物を入れることができます。
【我慢所】
あえて挙げるならば…
①見た目がごつい
アームスリングは三角巾よりも着用が容易で、首にかかる負担も少なくなり過ごしやすくなります。通販サイトでもたくさんの製品が販売されているので入手も簡単です。
自分で腕吊り③:グッドデザイン賞を受賞した一人で着れる三角巾、おしゃれな『アームスリングケープ』を使う
最後に、グッドデザイン賞を受賞した、ケアウィルのケープ型三角巾「アームスリングケープ」をご紹介します。
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このケープは、腕をゆったり固定する必要がある、腱板炎・腱板損傷、肩痛、前腕骨折、肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)などの方に特にオススメです。
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着用手順動画はこちら。
【着方】
①服をめくる
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②内側の穴に固定する腕を通す
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③ケープを被る
④整える
⑤後ろを引っ張り整える
慣れれば約10秒で着脱できます。
【脱ぎ方】
①下を向き、首の後ろをつかんで引っ張り、脱ぐ
②固定していた腕を内袋から抜く
裏側は滑りやすい生地を使用しているため、脱ぐときに背中に引っかかることがありません。
【製品のポイント】
①ケープ型のため、荷重が分散されて首や肩が痛くなりにくい
②内袋がすっぽり包み込み、親指を出す穴もあるため腕のポジションが安定する
③小さな動きで着れる
④機能美・普遍性を追求したシンプルなデザイン
このケープは一見シンプルで簡単そうに見えますが開発段階から、看護師、作業療法士・理学療法士等医療従事者の専門知識や経験、多くのユーザー様の試着テストの結果を反映し、作られています。
今回は一人で着れる、という観点でご紹介しましたが、ほかにもたくさんの工夫が詰まってる製品です。シンプルで手持ちの服に合わせやすい見た目の美しさだけでなく、こういった機能にとことんこだわって作っていることが評価され、GD賞を受賞しました。
興味を持っていただけた方は、こちらに詳細な説明&購入ページがありますので是非ご覧ください。
ケープを開発したケアウィルについて
最後に紹介したアームスリングケープは、私たちケアウィルが作りました。着たい服を自由に着れなくなる「服の不自由」をなくすというビジョンのもとに、製品開発・情報発信をしています。
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製品開発は、ユーザーと共に、介護・リハビリ・医療の従事者、デザイナー、服の作り手(パタンナー、個人縫製者、工場)といった各領域のプロフェッショナルが「服の不自由」という共通の課題を解決するために協働し進めています。
そして、情報発信はユーザーやユーザーを支える人たちの小さな「できた」に寄り添いながら、ケアウィルの情熱を発信しています。
服の不自由に真剣に向き合っているケアウィルの応援をどうぞよろしくお願いします。
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