【詩】 たまたま、ブラジャー
たまたま ちんちんが はえてて
たまたま おっぱいが はえてる
半信半疑でブラジャーをつけてみたら
あたり一面に花が咲く
まるで
何ヶ月も前から注文していた“待望の人生”に
レースやリボンを着飾ってやったかのように
命は丸ごと騙されて、そして何故だか、誇らしげ
あのひとは たまたま かねもち
あのひとは たまたま びんぼう
たまたまに(✕)たまたまを(=)掛け合わせ
おれたちは いくつもの たまたまを
つぎつぎに 生みだす
それは、おおむかしに恐竜達が
威嚇しながら自分自身を
叱咤激励していたみたいに
人達は たまたまを
地球、そのものを受け容れるかの如
強く抱きしめる
・
そして お天気のよい ある日だ
俺たちは たまたま を 世に云う
“あいでんてぃてぃ”へと
そっと、すり替える。
これは 悪口の詩という わけではない、よ
ただの 真昼の空想 やねん
きょう「俺は」 僕は。わたしは!
たまたまではない、 我が物顔で
雑草模様のぶらじゃーを、この胸いっぱいに
ぐるぐると 装備し 自信満々に
この詩を書いてさえ
いるのだから、ね。
あかきみどりむらさき
2025