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読書日記

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記事一覧

「量子もつれ」が気になって。

「量子もつれ」が気になって。

2022年のノーベル物理学賞が量子もつれに与えられたのをきっかけに量子力学に再度興味を持ち、勉強を始めています。大学の時に「状態は確率的に決まる」と言われても、「そうなんだ」くらいにしか思いませんでした、しかし、今、改めてこの事を考え直してみると、ものすごく奥深いと感じるのです。そして、これは言葉による説明だけではしっくり来ませんが、数学を使って記述すると、腑に落ちるのです。

世界を、宇宙を、定

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読書メモ「これからの正義の話をしよう」(マイケル・サンデル)

読書メモ「これからの正義の話をしよう」(マイケル・サンデル)

マイケル・サンデルの「これからの正義の話をしよう」のアファーマティブ・アクションに関する議論部分を読み終えた。ここでは、人種を理由に白人の大学受験生が、マイノリティーを優先するという理由で不合格になった理由を取り上げている。以下、自分なりの理解を整理。

アファーマティブ・アクション(以下、AA)とは「積極的差別是正措置」の事であり、マイノリティーを優遇するものである。大学入試の場では、マイノリテ

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『科学の発見』(スティーブン・ワインバーグ)

『科学の発見』という本を読んだ。

ノーベル物理学賞受賞者のスティーブン・ワインバーグによる科学史だ。「本書は不遜な歴史書だ!」と大栗氏による帯コメントがあるが、私はそこまで気にならなかった。

プラトンやアリストテレスなど古代ギリシャ時代から始まり、中東へと変遷し、そして再びヨーロッパに戻ってきてニュートンによる近代物理学の確立で幕を閉じるという構成になっている。

ワインバーグが素粒子理論や宇

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立花隆

立花隆

ジャーナリストの立花隆氏が亡くなった。

「知の巨人」とも言われ、生物学、環境問題、医療、宇宙、政治、経済、生命、哲学、臨死体験など執筆分野が幅広い人だ。

田中角栄の金脈問題で田中角栄首相退陣のきっかけを作ったことでも有名だ。

立花氏の著書はいくつか読んだことがある。その中でも特に記憶に残っているのが、「脳とビッグバン」と「精神と物質」だ。前者は中学生だった頃、幼稚園の時からお世話になっている

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『ヒトラー演説』(高田博行)

『ヒトラー演説』(高田博行)

今回読んだ本は『ヒトラー演説』(高田博之)

20世紀最悪の独裁者アドルフ・ヒトラー。彼の行った非道の数々は目を覆いたくなるものだが、そもそも、何故、あのような怪物が誕生したのか?彼は武力によって政権を奪取したのではなく、選挙を経て民主的にドイツの総統の地位に就いたのである。そして、その裏には彼の2つのファクターがあった。

第一次世界大戦後、疲弊した国民達は政権への不満を募らせていた。そんな中現

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『スッキリ中国論 スジの日本、量の中国』(田中信彦)

『スッキリ中国論 スジの日本、量の中国』(田中信彦)

こんにちは。島袋です。最近読んだ書籍の紹介です。

今回紹介する本は『スッキリ中国論 スジの日本、量の中国』です。

私は2018年4月に中国にやってきて、かれこれ2年経ちました。これまでに日本を始め、いくつかのヨーロッパの国に滞在してきましたが、中国はそれらの国とは異質な国です。

昨今は「爆買い」観光客やマナーの悪さで、中国と聞いただけで、ネガティブなイメージを持つ人も少なからずいるかと思いま

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『正義論の名著』(中山元)

『正義論の名著』(中山元)

こんにちは。島袋です。

私の趣味の一つが読書なのですが、せっかく本を読んだら、自分なりに内容を整理するために読書記録を残していこうと思い、読書録シリーズを始めることにしました。

ちなみに、私がこれまでに読んだ本の記録は、こちらから見ることができます。

さて、今回紹介する本は『正義論の名著』(中山元、ちくま文庫)です。以前、『正義とは何か』(神島裕子、中公新書)や『社会契約論』(重田 園江、ち

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