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「国体」って何?-山崎雅弘「5つの戦争から読みとく日本近現代史」


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「国体」って何?-山崎雅弘「5つの戦争から読みとく日本近現代史」

日本史で習ったかたも多いと思うが、日本は、戦争末期から、日本国憲法ができるまでの過程において、「国体護持」にこだわったというのは、結構有名な話だ。

知らない人も多いかも?日本の教育では、近現代史までやらないところも多いからなぁ・・・。

ボクはこの話を、高校とかで学んだか、大学の憲法の講義で学んだか、忘れたけれど、なんか覚えているんだよね。

うーん、オレも、かろうじて「国体護持」までは覚えている感じだ。

でも、ここで言ってる「国体」っていったいなんなのかまでは、わからんでしょ?

わからんねー。キミはわかってたの?

本書を読むまでは、ほとんどわからなかったよ。

この本がはたして正しいのか?は置いておくとして、どう書いてあるの?

まず、ここを読んでほしい。

(中略)日本は世界の中で最も「優れて尊い国である」とする国体の理念と(以下略)

本書134頁より

とりあえず、日本が「優れて尊い国である」という理念だということがわかる。

続けて、この箇所を読んでほしい。

この一九三五年の天皇機関説事件から、日本が戦争に敗北する一九四五年までの一〇年間、日本国内では天皇を中心とする日本がいかに素晴らしい国なのか、その国家体制がどれほど尊いものなのかという国体の思想が、日本国民の心理を実質的に支配するようになります。

本書140頁より

この文章は、かなりいいまとめ方してると思うんだよね。

つまり、天皇機関説事件から終戦に至るまでの10年間で、一区切りということだね。

とてもわかりやすいでしょ?

そうだね。

ところで、天皇機関説事件って知ってる?

うーん、オレは知ってるけれど、知らない人もいそうだなー

わかりやすくいえば、天皇を国の機関とする説が天皇機関説、みたいなものだよ。そしてそれが否定されたのが、天皇機関説事件なんだ。

そして、「天皇主権説」が主流になったんだね。

実は、帝国憲法を実質的に作った、と言ってもいい伊藤博文も、解釈書の中で、天皇に主権がある、とはっきり書いているんだよ。

へー、でもその後、天皇機関説が主流になるんでしょ。

そうなんだよねー

なぜなんだろうね?

たぶん、天皇に主権があるとすると、何か失政が起こった時に、天皇が責任をとらなきゃならなくなるんじゃないか?という疑念もあっただろう。

そうだね。

あとは、西欧諸国が、憲法が国家権力を制限するものである、という、立憲主義をとっていたから、それに影響されたという見方もありうる。

なるほどー

でも、その天皇機関説が1935年に否定されてしまう。これが天皇機関説事件なんだけどさ。

で、また先祖がえりするように、天皇主権説に主流が戻るわけね。

そーだね。

でも、その後は、何か失政があったら、天皇の責任になったの?

うーん、ボクが勉強した限りでは、そういうことにはならなかったな。

でも、天皇主権説は、神権説とも言われるように、天皇を神格化する働きを持っていたんでしょ?

たぶん、そうだね。まあ、たぶん、天皇は、神の子孫ってことになってるから、そういう天皇に主権があるって、すげーんじゃね?みたいな、発想になって、国体の理念が強くなっていくという流れなのかなぁ・・・??

で、だいぶ脱線したけれど、国体の話に戻るわけだね。

もう一度おさらいすると、国体の理念とは、日本は「優れて尊い国である」という理念だった。

その思想が、1935~1945年の10年間、日本国民の心理を実質的に支配するようになったと、この本は言っているんだね。

正しい解釈なのかはボクにもよくわかんないんだけどね。

でも単に、「国体護持」って単語を知ってるだけよりも、「国体」について、考えるきっかけにもなったし、少しは理解できたわけじゃん。

だから、今回の対話にも意味があったと思いたいね。

そーだね!(笑)

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