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仏教のメモ

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#推薦図書

釘貫亨『日本語の発音はどう変わってきたか』読んだ

釘貫亨『日本語の発音はどう変わってきたか』読んだ

内容はタイトルのとおり。非常に面白かった。どのようにして昔の発音を再現できるかなどの推論の過程も含めて、わかりやすく解説されているのが良い。

万葉集を手がかりに奈良時代の発音、いわゆる上代特殊仮名遣いを再現するところから始まる。
この時代の日本語に多大なる影響を与えた隋唐時代の中国語の発音はおおいに研究されていることが幸いしている。

いうまでもなく西洋由来の近代的な音声学と国際発音記号(IPA

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土田健次郎『儒教入門』読んだ

土田健次郎『儒教入門』読んだ

最近わけあって、儒教のことをなんもわかってないなあと認識させられた。そりゃ当たり前で、孔子や孟子の切り抜きだとか、国学に批判される対象としての朱子学しか知らないからである。

そういうわけでニー仏さんのこちらの記事で紹介されていた、『儒教入門』を読んでみたのである。

これまた当たり前のことだが、儒教は時間的・空間的広がりが半端ではないから、経書という絶対的な参照点があるとしても極めて多様で、そし

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プラユキ・ナラテボー『苦しまなくて、いいんだよ』読んだ

プラユキ・ナラテボー『苦しまなくて、いいんだよ』読んだ

最近ちょっとニー仏さんとプラユキ・ナラテボー氏の対談本を読み直していた。Amazonの履歴によると6年前に買ったらしい。時間がたつの早い。

渇愛を滅尽するガチの瞑想が理想であるとしても、現代人としては現世で上手くやってくことも大事なんじゃないかという内容だった。出家なんてほとんどの人はできないからね。

プラユキ氏はタイの田舎にあるスカトー寺院で瞑想の指導やカウンセリングを行う上座部仏教の僧侶で

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沼田和也先生の『牧師、閉鎖病棟に入る』読んだ。

沼田和也先生の『牧師、閉鎖病棟に入る』読んだ。

沼田和也先生はTwitterなどで有名な牧師さんである。素朴な語り口、まずいったん相手の言い分を受け入れてみる姿勢から、ぐう聖(ぐうの音も出ないほどの聖人)と称されることも少なくない。

そんな沼田先生は精神疾患で閉鎖病棟に入ったことがあって、以前からnoteに少しずつ書いておられた。それをまとめたのものが出版されたというわけである。

私が沼田先生の発信をTwitterやnoteで見るようになっ

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仏教モダニズム、対話、原理主義

仏教モダニズム、対話、原理主義

この週末はプロ野球観たりとかで忙しかったのだが、週末恒例の仏教のアレさんの読書会はちゃんと視聴していたのだ。

いつものことながらお二人の語り口が心地よい。仏教の実践が身近なものに感じられる(実践できるとはいってない)。

『Why I Am Not a Buddhist』の読書会も9回目、今回でいちおう最後まで読んだことになる。私はまだ最後まで読めてないのだがまあいいだろう。

前回は多くのこと

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