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加速主義

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2023年11月の記事一覧

富松保文『アリストテレス はじめての形而上学』読んだ

中世哲学をヨタヨタと学び始めたが、そうすると避けて通れないのがアリストテレスである。

かといっていきなり原書を読むわけにはいかないので入門書を探したところ、これがよさそうだった。

Ciniiで検索すると著者はベルクソンとかメルロ・ポンティとかを専門としているようだが、まあいいだろう。NHK出版ならクオリティは担保されているだろう。

タイトルのとおり主に形而上学の一部を解説しているが、デ・アニ

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山内志朗先生の論考収載のゲンロン15読み始めた。セカイ系とスコラ哲学と。

山内志朗先生の論考収載のゲンロン15読み始めた。セカイ系とスコラ哲学と。

ブラックフライデイ本格的に始まりましたね。ガジェットの類いは今回はさほど欲しいものはなくて、生活用品を中心に買い漁っている感じだ。

Youtuberみたら山ほどオススメ商品あるけど、もう日用品にしか目がいかない。

あ、これはオススメです。

とりあえず、先週末に日当直くらったせいで、今週は一日祝日を挟んだにもかかわらず大変疲れてしまって、なかなか買い物に集中できないというのもある。

それに先

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山本義隆『磁力と重力の発見2 ルネサンス』読んだ

山本義隆『磁力と重力の発見2 ルネサンス』読んだ

山本義隆『磁力と重力の発見』の続き。

第2巻は中世の終わり、15世紀中期から。

中世が終わり、スコラ学はいまだに権威ではあったが、経験重視に科学が舵を切りつつあった時代である。
それゆえスコラ学はクソミソに叩かれ、それが暗くて時代遅れの中世という誤ったイメージにつながった。その辺の事情がよくわかる。

ニコラウス・クザーヌスクザーヌスは中世の終点とも近代の始点ともいわれる。貧しい船頭の息子から

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山内志朗『普遍論争』読んだ

山内志朗『普遍論争』読んだ

山内志朗先生の「ラテン語が一瞬で身につく夢の哲学チャンネル」を購読して、私は先生のファンになってしまった。だから今年出版された『中世哲学入門』を購入したのだ。

ところが、どこが入門やねんって感じの難易度で途方に暮れてしまったのである。

とりあえず同書でたびたび引用されている、山内先生の初期の著作『普遍論争』を読んでみることにしたのだ。

普遍論争を図式的にではなく、ちゃんと残されたテキストに即

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山本義隆『磁力と重力の発見1 古代・中世』読んだ

山本義隆『磁力と重力の発見1 古代・中世』読んだ

山本義隆氏は東大全共闘の重要人物であるが、駿台予備校の物理の先生としてのほうが有名かもしれない。

私は河合塾に通っていたが、物理の参考書は駿台のものを使っていた。高校物理の範囲にとらわれず、大学の物理へとスムーズに移行することを主眼とした骨太な書籍の数々は一部の受験生を魅了していたのだ。ちなみに山本氏が全共闘を指導していたことは河合塾の授業で習った。

大学生になると山本義隆氏がそういう狭い枠で

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