【図解読書】RUNNING LEAN 実践リーンスタートアップのレビュー
「新規事業をどう進めていけば良いのかわからない...」
「プランはあるけど失敗してお金や時間を無駄にしたくない...」
そんな悩みを抱えるビジネスパーソンは多いのではないでしょうか?
新規事業を始めるとなるとお金や時間など様々な資源が必要になりますが、成功が約束されていない新規事業でその資源を無駄にするリスクはなかなか取りづらいですよね。
今回レビューする本著は、スタートアップの聖地シリコンバレーで様々なサービスを作ってきたアッシュ・マウリャ氏が、最小限の資源(お金や時間)で無駄なく新規事業を作る方法論を体系的にまとめています。
・限られた資源で効率良く新規事業を作りたい
・社内に新規事業の立ち上げノウハウを浸透させたい
という方におすすめの1冊です。
まずは「リーンスタートアップ」という概念について理解しておきましょう。
「リーン(Lean)」とは英語で「無駄がない」という意味、「スタートアップ(Start Up)」とは英語で「立ち上げ・起業」という意味で、「リーンスタートアップ(Lean Start Up)」とは最小限の資源で無駄なく製品を作ることを指します。
そして、本著のタイトルにもある「RUNNING LEAN」とは、リーンスタートアップを具体的にどのような手順で進めれば良いのかを整理したプロセス。
基本的は思想は、必要最低限の資源で小さくこまめに検証して無駄なく進めることを重視していて、様々な業界で汎用的に使える方法論として再現性ある点がとても素晴らしいです。
それでは、リーンスタートアップの具体的なプロセスを見ていきましょう。
まずは事業アイデアを「リーンキャンバス」という1枚のキャンバスに整理します。
リーンキャンバスに整理すると1度に全体を俯瞰してみることができ、事業プラン内の一貫性を保てたり、考えの抜け漏れを防げたりする点が素晴らしいですね。
元ネタにアレックス・オスターワルダー氏考案の「ビジネスモデルキャンバス」というビジネスモデルを1枚のキャンバスで分析するフォーマットがあり、それを本著のアッシュ・マウリャ氏がスタートアップに最適化して作り変えたものがリーンキャンバス。
事業計画書のような長い作成時間が不要で、こまめな検証をしながら簡単にアップデートできる優れものです。
次のステップは、リーンキャンバスに書き上げた事業アイデアのリスクを見つけること。
リーンスタートアップの根底的な思想として最低限の資源でこまめに検証しながら進めることを推奨していて、最初の段階でビジネスモデルのリスクを徹底的に洗い出します。
製品リスク、顧客リスク、市場リスクという3つの観点で、自分のアイデアにはどのようなリスクがあるかチェックしていきましょう。
このソリューションでは顧客の課題を解決できない、素晴らしいソリューションだけど顧客に認知してもらう手段がない、実はそもそも想定してる課題なんて存在してなかった、といったリスクなど様々なものが潜んでいる可能性があります。
成功する製品は、PSF→PMF→スケールという3段階を経て成長していきます。
そこでリーンスタートアップではそれぞれの段階をきちんとクリアできるかテストして、先ほど洗い出したリーンキャンバス上のリスクを検証していきます。
この方法の素晴らしい点は、今の自分たちが製品成長におけるどの段階にいて、何を検証するべきかを明確化しているところ。
勘違いしたまま市場に受け入れらない製品を作り終えてしまい、失敗と気づいた時には大量の資源(お金や時間)を無駄にしていた...なんてことを避けることができます。
検証の方法は基本的にはターゲットとして見込んでいる顧客の実際の声を聞くことがメイン。
そこで好感触であればMVP(Minimum Viable Product/必要最小限の機能の製品)をリリースしてみて、数値としての結果を見てみましょう。
新規事業開発で絶対にやってはいけないことは会議室にこもってひたすら議論を繰り返すこと。
仮説を立てたら現場の声を聞いて客観的な事実を捉えながら進めないと、市場に求められない製品が完成してしまいます。
インタビューに抵抗のある人もいるかもしれませんが、協力者を集めるなどして生の声をもとに積極的に検証していきましょう。
いかがでしたでしょうか?
本著は、最小限の資源で無駄なく製品を作る「リーンスタートアップ」の具体的な方法論について解説してくれました。
事例を踏まえた解説など今回のレビューで取り上げられていない内容もとても素晴らしいので、ぜひ手に取って読んでみてくださいね。