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ハードボイルド書店員は「こういう出会い」を大事にしたい

少し前の話。

年配のお客さんから、ある文庫本の在庫の有無を訊かれました。検索すると一冊あり。棚を調べ、抜き出してお渡ししました。

すると「え、あったの?」と驚いた表情。長くこの業界で働いていますが、まあまあ新鮮なリアクションでした。「ないの?」「この店は何もないなあ」みたいなお叱りはたまに頂戴しますが(ケースによって理不尽と感じたり、仰る通りですと納得したり)。

会計をしながら訊ねると「近所の本屋を回ったが、どこにもなかった」「あまり書かない人だし、有名でもないから」みたいなことを言われました。

↓です。

出版は2023年10月で、著者は鷹樹烏介(たかぎ あすけ)さん。ウィキペディアによると、2017年に「第五回ネット小説大賞」を受賞。翌年に受賞作の「ガーディアン新宿警察署特殊事案対策課」(宝島社文庫)でデビューしたそうです。

恥を忍んで告白します。お名前も作品も初耳でした(スイマセン)。

以下はアマゾンに載っていた「ワイルドドッグ」の書籍情報です。

浅草の古ぼけた遊園地『花やしき』裏で、調査会社を営んでいる元警察官の松戸。覚えのない不祥事に巻き込まれ、出所不明の口止め料四千万を渡された挙げ句、身辺を張り込まれるという境遇に陥った彼は、人生の負け犬を装って探偵を続けていた。そこに警視庁で同僚だった紅林から警察官に成れなかった少女・依美を共同経営者にしないかという申し出が来る。不穏な匂いを感じつつも、それを受け入れた松戸は、紅林経由で依頼のあった教育機関役員の素行調査を進めるのだが……。新たなる探偵バディ小説の登場!

ハードボイルドの不穏な香りに惹かれました。浅草にある「花やしき」の裏という渋い立地も含めて。

近いうちに買って読みます。教えていただいてありがとうございました。こういうきっかけで出会った良書を、もっと大事にしたいです。

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