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末端のイチ書店員が「出版文化産業振興財団」に思うこと

出版文化産業振興財団。

↓で役員の顔触れをチェックしました。

大きい会社のお偉いさんが多い印象です。

「危機感を持ってもらうため」に書店がひとつもない24市を公表した意図はわかります。国や自治体に対する提言はぜひ続けていただきたい。

ただ末端で働く身からすると「あなた方は俺らの危機感を把握していますか?」「最低賃金&人手不足にずっと耐えられるとでも?」と訴えたいのも事実なわけで。

本屋を守れ。文化を守れ。素晴らしい。ただ私は「現場の人間を守る気がないなら、会社も文化も守れない」と考えます。いまの状況が続いたら、誰も書店に就職しようなんて思わなくなるのは明らかなので。

あと「集計対象は取次会社と販売契約を結んでいる、店舗のある書店」というのも疑問です。大学生協や古書店を含めないのはまだしも、専ら出版社や個人との直取引で本を仕入れるお店は書店ではないのでしょうか?

東京・新宿の「模索舎」は、取次を利用していません。50年以上続いているミニコミ・少流通出版物の取扱書店です。こういう老舗の反骨心に目を向けない姿勢が、法人税を下げて大企業を優遇し、消費税を上げて庶民を苦しめる某国の政治と重なりました。

店主や店員の目利きを活かした良書だけではなく、雑誌や料理書、資格書、地図、学習参考書も置く「総合書店」が街にひとつは必要だと言いたいのは理解できます。しかし多様な新刊書店のあり方から学ばないのは単純にもったいない。現状に即してもいません。

いまは従来の定義に縛られず、本を売る花屋やアパレル店、食料品店なども広い意味の「本屋」として捉える方が自然ではないでしょうか? それらの経営者や従業員からも積極的に話を訊けば、意外な形のブレークスルーが生まれるかもしれません。

末端からは以上です。

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!