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「地味に踏ん張る日常」を伝えたい

「いま本屋が面白い」

末端とはいえ、書店で働くひとりです。こういう記事は励みになります。

中高生向けの新聞で業界が置かれた状況を伝えてくれている。さらに入場料を取る「文喫」や神保町にオープンしたシェア型書店「ほんまる」、そしてローソンが始めているコンビニ併設型などの新たな取り組みも紹介しています。

大きく打ち出された「地域密着で生き残り」も、いままさに実感していること。インバウンド云々はあくまでもプラスアルファ。そこに頼るのではなく、日常的に足を運んでくれる地元のお客さんが何を本屋に求めているか。売れれば何でもOKではなく、矜持と使命を忘れぬ前提でより活用してもらうにはどうすればいいか。それらを探るのが先でしょう。

現代はネット社会です。同じ地域の人びとにとって魅力的な空間なら、その情報がすぐに拡散し、遠くのエリアに住む人も「じゃあ今度行ってみよう」となるはず。かくいう私自身、徒歩圏内にない面白い書店へ定期的に足を運んでいます。

そんなことを考えるきっかけをいただきました。ありがとうございます。

一方で、多くの書店員はこの種の記事では取り上げられない従来型というか、昔ながらのチェーン店で働いています。人手不足に耐えながら最低賃金で。様々な試みを取り入れつつも、基本的には毎年同じことを続けているイメージです。

変わる努力をしていないと映るかもしれません。でも必ずしもパッと見の目新しさが仕事の価値というわけではない。毎週同じ場所へ同じ雑誌を出すのも大変なことだし、じっくり棚を見てもらえれば「こんな本があるのか」と気づいていただけるはず。本当はそういう目立たないけど地味に踏ん張る本屋の日常こそ紹介してほしい。

決してキラキラしていない書店の、そしてそこで働く従業員の実状を伝える。需要があるかはわかりませんが、今後もそんなnoteを書いていく所存です。

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!